フィロソマ (シューティングゲーム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャンル | 2D/3D シューティングゲーム |
対応機種 | プレイステーション S!アプリ iアプリ |
開発元 | G Artist |
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント |
人数 | 1人 |
メディア | PS:CD-ROM1枚 S!アプリ:ダウンロード 100KB iアプリ:ダウンロード |
発売日 | PS:1995年7月28日 S!アプリ:2004年4月1日 |
価格 | PS:6,090円(税込) S!アプリ:210円(税込) iアプリ:210円(税込) |
『フィロソマ』(PHILOSOMA)はソニー・コンピュータエンタテインメントが1995年7月28日以降に発売しているプレイステーション向けの強制スクロールシューティングゲームである。演出担当は福永莞爾、音楽担当は大谷幸。
ムービーの評価は一定に高く、ゲームとしての評価は低い。エンディングのムービーは、難易度の高いモードになるにつれてストーリーの核心に迫る内容となっている。
目次 |
[編集] 概要
横スクロール(空中戦と地上戦、空中での隣接戦)、縦スクロール、3D奥(または手前)スクロールが各ステージに混在する。3D部は、ステージ自体はポリゴン、敵キャラクタやプレイヤーキャラクタ、弾丸等はビルボード(二次元画像)である。
シールド制と機数制で、2重に張られているシールドが無くなり、実機のみになってダメージを受けると自機が爆発して一機を失い、その場で復活する。残機がゼロになると、ゲームオーバーとなり、ステージの最初からやり直しとなる。
本作品において、「フィロソマ」は、生体システム又はメカニズムの総称を指す。大きく分けて、「媒体」にガメトサイト遺伝子を移植するゾエア期、サナギ状態のファージ期、ファージ期を終えたフィロソマが脱皮して進化するプラヌラ期(プラヌラ成体)の3つに分かれる。
[編集] 特徴
ステージ単位で区切られており、仮に途中でゲームオーバーとなっても、クリアした次のステージからゲームを始めることが可能となっている。故に、シューティングが苦手であっても、1ステージずつ進めればなんとかエンディングまで辿り着ける仕様となっている。
最初から数種類の武器を装備しており、それを使い分けることでステージを攻略していく。前方と後方からの攻撃があり、それをいかに武器を切り替えて切り抜けていくかがゲーム攻略の鍵となっている。
「突然のミッション、それはプラネット220のサーチ&レスキュー」で始まるオープニングが印象的で、ムービーシーンにこだわって作られている。ジャンルも「シネマティックシューティング」。ステージ中での各シーンの切り替えには、違和感の無いように必ずムービークリップが挿入されている。各編隊をフォネティックコードで呼び合っている、見方をフレンドリーと呼ぶ、敵味方不明機をボギーと呼ぶ等、雰囲気へのこだわりをもって制作されている。
[編集] 難点
ゲームバランスが悪く、最初はあまり敵が出て来なかったのに途中から敵の数が増えかなり難易度が上がってくる、ボスは相当程度難易度が他の箇所に比べて高い等の欠点を抱えている。
また、この種のゲームとしては珍しく、当たり判定はシビア。機体の速度も遅く、難易度を上げる結果となっている。
[編集] 登場する機体
[編集] F/A-37 STREGA
- 建造費480億ドル(2097年当時レート)
- キャノピーは透明アルミニウムの二重構造
- 単独での大気圏離脱が可能
- 水中での作戦行動が可能
- バルカン、レーザー、荷電粒子砲等々、さまざまな兵装を標準装備し、オプションとして中距離対空ミサイル・ランサー、短距離誘導ミサイル・ウッドペッカーを装備可能
- 超低空侵攻用にグランド・モード形態
- サポートAIとして、ボイス対応タイプ人工知能の凍項電子新社製祥雲LLN68(通称アリス)を7台搭載(開発期間10年)
- 名門航空機メーカー、ブラッドフォード・アズミ・アエロスペース(BAA)社が制作した宇宙戦闘攻撃機
- ディスプレイには、双星電子社製多目的CRT・美麗五式を使用
- エンジンには、BAA重工社製飛龍FAS.909Dbis2可変サイクルエンジンを4基搭載。推力はアフターバーナー使用時で80トンを超える
[編集] メインウェポン
- バルカン
- 口径20ミリの劣化ウラニウム弾を発射する。単純な破壊力の点では他の武器に劣るが、連射性がそれをカバーしている。武器の中では一番射撃範囲が広い。
- レーザー
- 敵を貫通する威力の高い武器。発射中に機体を移動させれば、攻撃有効範囲も広がる。障害物を超えて敵を攻撃できる利点を持つ。
- アサルトブレイカー
- 荷電粒子ビームを放つ武器。連射することも可能だが、その本来の威力は、エネルギーを最大までチャージした時に発揮される。ある程度チャージすると、敵を貫通するショットを打つことができる。
- レイブレッド
- 本来は対地攻撃用のパラグレネード。本作品では、後方の敵を攻撃するために利用される。命中すると爆風を発生させ、それに触れる敵にもダメージを与えられる。
[編集] サブウェポン
- MRM
- ダルドフ社製 中距離対空ミサイル。通称ランサー。目標選択アルゴリズムにより、ランサー同士は、同じ目標を狙わないという機能を持ち、複数の敵を効率よく倒せる。攻撃力もかなりのもの。
- SRM
- ヒューズ・エアクラフト社製 短射程空対空ミサイル。通称ウッドペッカー。赤外線とCCDイメージセンサを併用した誘導方式により、高い命中率を誇る。撃ち放しタイプのミサイルである。
- BGR
- バスターグレネード。発射後に、凄まじい閃光と爆発を起こす高性能爆弾。弾数が限られているので、連続的な使用はできないが、ストレガの装備する武器の中では、攻撃範囲、威力ともに最高の性能を持つ。
[編集] その他
- ヴァリュートシステム
- 大気圏突入用の装備。外見は黒い風船のようなもので、大気の摩擦熱からストレガを守る。ストレガ専用の装備というわけではなく、ボーイングエアロスペース社が実用化した、この頃広く使われている標準的な装備である。
- アサルトウイング
- 機首前方に、腕のように突き出ている。この中に各種武器弾薬、その他の装備(ヴァリュート等)を収納している。
- グランド・モード
- 後部メインエンジン2基と、アサルトウイングを、機体下部に移動させる事で行う、超低空進入モード。戦闘機でありながら、地上戦も行なえる。安定したホバリングも可能。
- ロケット弾
- おそらく、対地または大型目標に対する武器と思われる。ゲーム中では、プレイヤーが使用する事はなく、ムービーでのみ、使用が確認できる。
- EMP耐性
- ガンマ線や電磁波に対する防護処置。これにより、核爆発で発生する電磁嵐でも、機能を失なうことがない。
[編集] SCV-13 ギャラント
UNF第7独立任務部隊の母艦。退役間近の老朽艦だが、UNF最新鋭戦闘機である。ストレガを定数一杯、予備機も含めて20機を配備している。巡洋艦等無い独航艦。
[編集] グレインジャー
空中補給機。ストレガ3機分の同時補給能力を持つ。補給システムは自動化されており、空中にいながら燃料や弾薬等の補給が可能。ストレガの補給は、グレインジャーの胴体上部に設けられた甲板に着艦して行なう。全長約300メートル、重量2,000トンの巨大な無尾翼機。近接迎撃用として2門のバルカンを持つが、最大の武器は、フルステルスと呼ばれる光学迷彩等も利用したステルス能力である。これにより、グレインジャーを探知するのは遠距離からではまず不可能とされる。
ギャラントに搭載されているグレインジャーのコードネームは、「スターリン」。
[編集] 登場人物
[編集] 母艦
- SCV-13 ギャラント
- スタンレー・キナバル大佐(艦長)
- アイバン・コックス少佐(副長(エア・ボス兼任))
- グレインジャー
- ハイウッド中尉
[編集] ストレガ
- アルファ・フライト
- パイロット名不明
- ブラボー・フライト
- フィル・ターナー(フライトリーダー)
- チャーリー・フライト
- ニコラ・ミショー大尉(フライトリーダー)
- カート
- クラウス
- ハント中尉
- デルタ・フライト
- アイザック・ラング大尉(フライトリーダー)
- カレン・レイノックス中尉
- D-3
- エコー・フライト
- ウィリー・バートン大尉(フライトリーダー)
- トム・ロルフ中尉
- フォックストロット・フライト
- バジル・ボールドウィン中尉
- ボリス・アレクセーエフ中尉
[編集] キャスト
[編集] 開発版オープニングムービー声優一覧
[編集] その他
- エイリアン2から多大な影響を受けており、大気圏突入シーン等、オープニングに類似シーンを確認できる。
- 「It's not a movie. It's a shooting game.」というキャッチフレーズのもとに開発された。
- ディスク内には、ゲーム中には使用されていないムービーシーンの音声が存在する。
- 福永莞爾氏はボイス録音時に、プロデューサーから「アニメっぽい声にはしたくない、でも洋画の吹き替えのような演出も避けて欲しい」と言われ、苦慮の末、「アメリカ人が喋るようなイメージ」で演出をしたとされる。ちなみに、没になったオープニングムービーは公式ガイドブック付属のCDに収録されている。
- プレイステーション2で発売されたフェイズパラドックスは、本作品の続編とされる。本作中のストレガ、母艦ギャラント等が登場する。
- 2004年4月1日には、ボーダーフォン(新ソフトバンクモバイル)のボーダーフォンライブ!のS!アプリにて携帯ゲームとしてリメイクされた。iアプリ版も開発されている。携帯電話版では、ムービーシーンはまったく無いようだ。
- フィロソマとは、イセエビなどの幼生プランクトンの名称である。その他、関連の生態名や敵に存在するミラキディウム等も幼生の名前から採っている。
- アリスという略称(?)は、ルイス・キャロルの小説に由来する。ルイス本人が数学者で論理学者であり、AIに繋がる論理の功績を残したので、その業績を記念して付けられたものとされている。
- その他、本編には登場しない設定や没ムービーが存在する。CD付きの攻略本で一部公開されている模様。
- キー操作を使った裏技が存在する。
[編集] 外部リンク
(未稿)