フェアライトCMI
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フェアライトCMI (Fairlight CMI) は、オーストラリアのフェアライト社が1979年に発表した電子楽器。
この時期、音楽製作の場においてディジタル技術やコンピューター技術が急速に導入されたが、その中心となっていたのがこのフェアライトCMIである。サンプラーとシーケンサー両方の機能を有しており、CRT画面にライトペンを当てて波形を直接書き込む事が出来るなど、ユニークな機能を有していた。これらの機能は現在のDTMのベースとされている。又、英文ワープロとしても使用出来た。
サンプリング・レートは現在のサンプラーと比較すると低いものであるが、アート・オブ・ノイズはそれを逆手にとって独特の音を作り出していた。この楽器で最も耳なじみのあるサウンドは、俗に言う「オーケストラル・ヒット」という音で、トレヴァー・ホーンを初め電子楽器を得意とする数々の音楽家や音楽プロデューサーが好んで使用していた。
日本で輸入販売が始まったのはシリーズⅡからで、松下電器貿易が輸入を、販売は大阪のナニワ楽器(現・イーフロンティア)が担当していた。 発売当時の価格は1200万円。
日本人アーティストで所有しているのは東海林修、坂本龍一、久石譲、東祥高、PSY・Sの松浦雅也など。また、異色な存在として、ローカルタレントであるジャガーも所有していたことがある。
例として、坂本龍一の「未来派野郎」、久石譲が音楽を手がけた映画「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」に多用されている。