フライングスタート

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フライングスタートは、和製英語であり、複数の意味で使われる。

[編集] 競走競技におけるフライングスタート

競走競技（主に陸上競技･競泳・モータースポーツ等。競馬で同様の場合はカンパイと呼ばれる）で、正しいスタートより先にスタートしてしまう事。どう言う状況がフライングスタートとみなされるかについては、それぞれの競技のルールあるいは慣習で定められている。昨今ではセンサー等の技術革新により正確にフライング判定出来る様になった事もあり、競技によっては「ヤマ対策の為、反応時間が極端に短い場合もフライング」とされる場合もある。因みに、英語では「false start」・「breakaway」・「jump start」等と呼ぶ。和製英語としては単に「フライング」と呼ぶ場合も多い。

[編集] 競艇におけるフライングスタート

競艇（モーターボートレース）においてのスタート方式のことである。選手が乗るボートにはクラッチやブレーキがなくレバーを使ってスピードを調整する。レバーを握ればエンジンの回転が上がり、離すと回転が下がる。しかしレバーを握ってなくてもブレーキなどがないので必然的にモーターが動いてしまっており、陸上競技や水泳などのような一斉に同じ場所からのスタートはできないからフライングスタートという形でスタートする。

しかし待機行動から規定のスタート時間よりも、

0.01秒でも速くスタートラインを超える（フライング、F）
1.00秒より後にスタートラインを超える（出遅れ、L）

のいずれかになると競走除外（スタート事故）となってしまい、その艇のからんだ勝舟投票券（舟券）は全額返還（払い戻し）になる。

スタート事故は一定の期間に1回でもあれば当該出場節の賞典レース除外（同一出場節2回目は即日帰郷）と30日の競走自粛となり，回数が増えれば自粛期間も増える。一般競走はもちろんSGのようなビッグレースも自粛となる。また、SG・G1レースの場合だと準優勝戦以上でスタート事故を起こせば、一定期間SG・G1レースの出走が出来なくなる。（G1レースでの場合はG1のみ対象となる）そうなれば競走成績や賞金獲得額に大きな影響を及ぼすので、スタート事故は選手にとっては死活問題になる。これはスタート事故が舟券の払い戻しを伴うため、開催の競艇場では大きな損失となるのでその罰ということで大きなペナルティとなっている。

もちろんスタート事故をしている選手はスタートが慎重になるので、舟券を検討する際の大きなファクターともなっている。なお、同様の方法によるモータースポーツのスタート方式についてはローリングスタートと呼ぶ場合が多い。

[編集] テレビ番組におけるフライングスタート

テレビ番組の定時放送の開始時間を毎正時（00分）や30分からといったちょうどの時刻から放送開始するのではなく、それよりも若干早い時刻（54分や24分といった具合）から開始する番組のことをいう。1970年にスタートした青森放送の「RABニュースレーダー」が最初。

日本の地上波放送では、1993年に放送されたよみうりテレビ・日本テレビ共同制作の「ザ・ワイド」、1994年からの日本テレビのクイズ番組「マジカル頭脳パワー!!」、同じく日本テレビの報道番組「NNNきょうの出来事」で、それぞれ月曜日から金曜日の13:55（以下全て日本時間で表記）、木曜日の19:54、月曜日から木曜日の22:54に繰り上げて視聴率という側面では好成績をあげたことから、現在は各放送局がこぞってそれを採用している。

しかしその一方で、「開始時間が分かりづらい」や「時報がないから困る」、「単なる視聴率獲得の為だ」など、フライングスタートに対する批判も多く、実施したものの取り止めた動きがある。この例として、テレビ朝日では2000年～2002年にかけて、「ニュースステーション」が裏番組「NHKニュース10」の放送開始に伴って対抗するため放送開始を21:54に引き上げた。これに伴い、月曜～金曜の20時台・21時台の放送がそれぞれ19:54・20:54にスタートし、19:00もしくは19:30に放送開始する番組を6分短縮した。結果として不評だったため、段階的に廃止された。

最近では激戦区のひとつ夕方のニュースワイド番組の開始時間が90年代後半から18時開始から5分早めて17:55開始にする局が増えだし、2000年以降17:00開始→16:55開始→16:53開始など1分・30秒と裏番組よりも早く開始しようと躍起になっている傾向にあり、その結果ネットしている系列局の事情を無視した格好になっており批判されている。

なお、NHKやラジオ番組では、プロ野球中継を除いては余り用いられていないが、2006年 1月14日からスタートしたNHK総合の「つながるテレビ@ヒューマン」は、21:58（左記の時間は、同年4月8日からで、3月末までは22:58）からスタートのため、この手法が用いられていたが、9月の特番放送期間を経て現在は22:00スタートになっている。また、かつて放送されていたNHKニュース11でも22:55からスタートしていた時期があった。ただし、NHKニュース7は公式には19:00スタートだが、実際は18:59:55からのスタートになっていて5秒のフライングスタートとなっている状態である。（NHKワールドでは19:00からの放送開始になっている。）

　'キー局夕方のニュース･ワイド番組'　

NHK
（17:00～17:10） NHKニュース 17:10～18:00 ゆうどきネットワーク（18:00～18:10） NHK18:00ニュース 18:10～18:59 首都圏ネットワーク
日本テレビ	NNN Newsリアルタイム
16:53～19:00〈金曜は17:00～〉（17:50～18:16）
TBS	イブニング・ファイブ
16:54～18:55 （17:50～18:16） JNNイブニング・ニュース
フジテレビ	FNNスーパーニュース
16:55～19:00（17:54～18:17）
テレビ朝日	スーパーJチャンネル
16:53～19:00（17:54～18:17）
テレビ東京	速ホゥ!
16:55～17:25（17:00～17:25）