ベスタ (小惑星)
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歴史 | |
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発見者 | ハインリッヒ・オルバース |
発見日 | 1807年3月29日 |
仮符号 | |
軌道の種類 | 小惑星帯(ベスタ族) |
軌道要素 元期 2004年7月14日(ユリウス日 2453200.5 ) |
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離心率 (e) | 0.089 |
軌道長半径 (a) | 2.362 AU |
近日点 (q) | 2.152AU |
遠日点 (Q) | 2.571AU |
公転周期 (P) | 3.63年 |
平均軌道速度 | 19.38km/s |
軌道傾斜角 (i) | 7.133度 (deg) |
昇交点黄経 (Ω) | 103.936度 (deg) |
近日点引数 (ω) | 150.271度 (deg) |
平均近点角 (M) | 69.905度 (deg) |
物理的性質 | |
直径 | 468.3 km |
質量 | 2.701×1020kg |
密度 | 5.0g/cm3 |
表面重力 | 0.30 m/s2 |
脱出速度 | 0.39 km/s |
自転周期 | 5h 34m |
スペクトル分類 | V |
絶対等級 (H) | 3.20 |
アルベド | 0.423 |
平均表面温度 | ~223 K |
ベスタ (4 Vesta) は、メインベルトに位置する太陽系の小惑星の一つ。1807年3月29日にドイツの天文家ハインリヒ・オルバースによって発見され、古代ローマの女神ウェスタにちなんで名付けられた。ベスタの発見は1801年のケレス以来4例目であるが、以後1845年にアストラエアが見つかるまで小惑星の発見は途絶えることとなる。ベスタの直径は468~530kmと、メインベルトでは3番目の大きさであり、四大小惑星の一つに数えられる。ベスタの表面は他の小惑星に比べて格段に明るいため、条件さえそろえば小惑星の中では唯一、肉眼で見ることができる。
ベスタと他の小惑星を分ける特徴の一つとして、内部に地球のような層状構造を持つ点が挙げられる。中心部には鉄とニッケルからなる核があり、その外側にカンラン石からなるマントルを持つ。表面は溶岩流に起因する玄武岩からなり、かつて小規模ながら火山活動が存在したと考えられている。これらの特徴は、太陽系の歴史の初期においてベスタ内部が相当の熱量によりどろどろに融けていたためであると考えられる。
ベスタのような層状構造を持つ小惑星は、かつては複数存在していたと考えられており、このような小惑星が衝突などによって破壊されたことが、太陽系に存在する小惑星の組成の違いの原因になっていると考えられている。金属質の小惑星は、古代のベスタ状小惑星の核に由来し、岩石質の小惑星はマントルや地殻に由来すると考えられる。
もっとも、ベスタも太陽系形成期の姿のまま残っているわけではないと考えられている。ハッブル宇宙望遠鏡による観測により、ベスタが形成してから10億年ほどたった時期に作られたと考えられる、直径430kmのクレーターが発見されている。このクレーターが他の小さなV型小惑星の起源になっているかもしれないと考えられており、(1929)コッラー(Kollaa)という小惑星が、そのような天体の候補として挙がっている。
ベスタには2010年に、ドーン計画 (Dawn Mission) の探査機が訪れる予定である。
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