ラジェンドラ号
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ラジェンドラ号は、アニメ作品『宇宙戦艦ヤマト』に登場する架空の宇宙戦艦で、ボラー連邦の流刑地であるバジウド星系第4惑星バース星の艦隊旗艦。艦長はラム。
ガルマン・ガミラス帝国東部方面軍第18機甲艦隊のダゴン将軍との艦隊戦(この艦隊戦で発射された惑星破壊プロトンミサイルのうち1発が太陽に突入した)で壊滅した艦隊の中から単身、満身創痍のままワープで地球連邦勢力圏内に逃れる。ここで第二の地球探しに発進したヤマトと遭遇。地球防衛軍司令長官の許しを得て、海王星の宇宙船ドックで武器弾薬補給以外の艦体修理と食料の補給を受ける。
このとき、ラム艦長はヤマト艦内に招待され、古代艦長らと共に食事をする。その後、ラジェンドラ号を追ってきたダゴン艦隊が地球連邦の勢力圏内に侵入する。ダゴン将軍はラジェンドラ号の引き渡しを要求するが、補給がすむまで待って欲しいとのラム艦長の依頼を受け待機する。ヤマトとコスモタイガーIIは応急修理を終えたラジェンドラ号を公海まで護衛するが、ダゴン艦隊はラジェンドラ号がワープ準備に入ったのを見て、地球連邦の勢力圏内で攻撃を開始する。またヤマトに対しても攻撃が始まり交戦状態に入る。(野望に駆られるダゴン将軍としては、このまま地球を攻め落とそうと考えていたようで、ヤマト及び地球連邦の申し入れを聞き入れる心算はなかったとみられる。)ラジェンドラ号はすぐにワープをすれば戦線から逃れる事も可能であったが、自分たちのために戦っているヤマトを残して立ち去ろうとはせず撃沈された。修理に関わった真田志郎によると健在な武器は副砲のみであったという。
全体に堅牢かつ重装甲の大型艦で、火力も比較的強力と見られるが、鈍重な割に旋回砲塔を持たない(前方集中火力タイプに近い)等、ガルマン・ガミラスの高機動戦闘艦と単艦で渡り合えるものではなかった。
ボラーの戦闘艦艇は「集団で敵を指向して集中砲火を浴びせる」という戦法を基本コンセプトに構築されてきたもののようで、後のスカラゲック会戦においても、その傾向ははっきりと見て取ることが出来る。このため、有利に闘うには相手を数で圧倒する勢力を要し、それが出来ない状態で孤立した戦艦ラジェンドラの末路は悲壮なものであった。また勇将、かつ紳士的人格者でもあったラム艦長の戦没が惜しまれる場面であった。