ラズベリー
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ラズベリー | ||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Rubus idaeus L. (1753) 他 |
ラズベリー(英語:raspberry)は、バラ科キイチゴ属 Rubus の低木。フランボワーズ(フランス語:framboise)とも呼ぶ。
目次 |
[編集] 概要
キイチゴ属の植物は果実に甘みと酸味があり、世界各地で人間の食用にされてきたが、特にヨーロッパ人の嗜好に合い、ヨーロッパ原産、及び彼らが進出した先、特に北米大陸原産の野生種がヨーロッパ系を中心とする人々によって、盛んに交配、品種改良を施されて果樹としての栽培品種群を生み出してきた。raspberry や framboise とは本来はヨーロッパに自生するキイチゴ属の総称であったのであろうが、果樹としては特にヨーロッパキイチゴ Rubus idaeus L. subsp. idaeus を原種や交配親とする栽培品種を指すことが多く、また広義には果床が木質化し、熟すと果床上に形成される集合果と果床が分離するキイチゴ属および栽培品種群全体を raspberry や framboise の名で呼ぶ。
この観点に立てば、日本に自生するキイチゴ属の植物は全てがラズベリーに分類されることになる。現に、日本にもヨーロッパキイチゴの亜種であるエゾイチゴ R. idaeus L. subsp. melanolasius Focke やミヤマウラジロイチゴ R. idaeus L. subsp. nipponicus Focke、エゾイチゴの変種のカナヤマイチゴR. idaeus L. subsp. melanolasius Focke f. concolor (Kom.) Ohwi、ミヤマウラジロイチゴの変種のシナノキイチゴ R. idaeus L. subsp. nipponicus Focke f. marmoratus (H.Lév. et Vaniot) Kitam.、イシヅチイチゴ R. idaeus L. subsp. nipponicus Focke var. shikokianus (Ohwi et Inobe) Kitam. et Naruh. が分布する。
果樹としてはヨーロッパキイチゴを原種とするもの以外に、北米大陸原産のアメリカイチゴ(アメリカンレッドラズベリー) R. strigosus Michx. やクロミキイチゴ(ブラックラズベリー) R. occidentalis L., agg. を原種とするものが重要である。これらの選抜や交配で生み出された品種群は、果実の色で赤ラズベリー、黒ラズベリー、紫ラズベリーに大別されるが、黒ラズベリーをキイチゴ属のもうひとつの重要な群であるブラックベリーと混同しないように、注意が必要である。
[編集] 食用
品種により鮮やかな赤色や紫、黒紫色で直径1~2センチメートル程度の果実をつけ、優れた風味・甘味・酸味がありジャムや洋菓子、ハーブティー、リキュールなどによく用いられる。
果実は小さな球形の実の集合体で、一つ一つに種子が入っている。種はゴマ程度の大きさで、種ごと食べられるが、種は固くてやや口当たりが悪い。この集合果は木質の果床からまとまった状態で外れるため、球状の集合果の内側に果床の跡の空洞がある。
日本では生の果実が店頭に並ぶことは少ないが、ケーキの飾りなどでよく見られる。店頭ではジャム、シロップ煮の缶詰、生の果実を冷凍したものなど、主に輸入品が入手可能である。
また、日本国内でも園芸・ガーデニングで栽培されることがある。
[編集] ラズベリーケトン
2002年、カネボウがキイチゴの香り成分(ラズベリーケトン)に脂肪燃焼効果があることを発見した。唐辛子に含まれるカプサイシンに分子構造が似ており、効能はカプサイシンの3倍程度とも言われる。ラズベリーケトンを配合したダイエット用補助食品が人気を集めた。
[編集] 関連項目
- イチゴ
- ブルーベリー
- ゴールデンラズベリー賞
- RASPBERRY DREAM - レベッカ (バンド)の 6th シングル