レイ・チャールズ
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レイ・チャールズ(Ray Charles Robinson, 1930年9月23日 - 2004年6月10日)はアメリカ合衆国・ジョージア州出身のR&B歌手。
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[編集] バイオグラフィ
6歳の頃仲の良かった弟のジョージ・ロビンソンを亡くした。その9ヵ月後緑内障のために失明した。目が見えないというハンディを背負いながらピアノを学び、黒人霊歌やジャズなど、黒人である自らのルーツを遡っていくような音楽活動の中で、自分の魂を歌うという「ソウル」音楽の形を自らで実証し、「ソウルの神様」と呼ばれるほど、その方面でのカリスマとなった。また、彼独特の、満面の笑みで、体をのけぞらせて、ゆらしながら歌う姿は、非常に印象的であった。1959年の『What'd I Say』が自身初のミリオンセラーである。
代表曲は1961年の『Georgia On My Mind (わが心のジョージア)』(ミリオンセラーを記録)。
一方で、ヘロインをはじめとする様々な麻薬に手を出し、17年間にわたって常用し続けた麻薬中毒者でもある(眼が見えない事で注目される事からくる、計り知れないストレスの為)。1965年に3度目の逮捕後、ロサンゼルスの更生施設に入所、ヘロインを絶つことに成功した。
1979年4月24日、ジョージア州議会は『Georgia On My Mind (わが心のジョージア)』を正式な州歌と定めた。
日本でも、サザンオールスターズの『いとしのエリー』のカバーEllie My Loveがヒットしていたこともあり(桑田自身もレイのファンであるらしく、彼の曲の中にレイの名が登場する)、2004年の死去時には新聞やニュース、一般紙がその死を伝えた。また、彼をリスペクトするアーティストによる「音楽葬」が行われたことも話題となった。2005年2月13日、第47回グラミー賞授賞式では、ノラ・ジョーンズとのデュエット曲「ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン」が最優秀レコード賞となったほか、最優秀アルバム、ポップス・ボーカルやゴスペルなど計8部門で受賞した。
2004年にはテイラー・ハックフォード監督の伝記映画『Ray/レイ』が公開され、彼を演じたジェイミー・フォックスはアカデミー主演男優賞を受賞した。また同時におよびアカデミー音響賞を受賞した。 本人はこの映画の完成直後なくなったため、見ることはなかったが、製作中に撮影現場で演技指導を行った際にジェイミーのあまりの演技力から「あんたは俺の後継者だよ!」と賞賛の言葉を送っている。
[編集] 作品リスト
- 『Georgia On My Mind(わが心のジョージア)』
- 『I Can't Stop Loving You(愛さずにはいられない)』
- 『Unchain My Heart(アンチェイン・マイ・ハート)』
- 『You Are My Sunshine(ユー・アー・マイ・サンシャイン)』
- 『Hit The Road Jack(旅立てジャック)』
- 『In The Heat of The Night(イン・ザ・ヒート・オブ・ザ・ナイト)』
- 『Let's Go Get Stoned(レッツ・ゴー・ゲット・ストーンド)』
- 『Busted(打ちのめされて)』
- 『Don't Set Me Free(ドント・セット・ミー・フリー)』
- 『Hide Nor Hair(ハイド・ノア・ヘアー)』
- 『That Lucky Old Sun(ザット・ラッキー・オールド・サン)』
- 『Makin'whoopee, PARTS 1&2(メイキン・ウーピー、パート1&2)』
- 『You Don't Know Me(ユー・ドント・ノー・ミー)』
- 『Crying Time(クライング・タイム)』
- 『Here We Go Again(ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン)』
- 『You Don't Know Me(ユー・ドント・ノー・ミー)』
- 『What'd I Say, PARTS 1&2(ホワット・アイ・セイ、パート1&2)』
- 『Ruby(ルビー)』
- 『Sticks And Stones(スティックス・アンド・ストーンズ)』
- 『One Mint Julep(ワン・ミント・ジュレップ)』
- 『Your Cheating Heart(ユア・チーティング・ハート)』
- 『Bone To Lose(ボーン・トゥ・ルーズ)』
- 『Careless Love(ケアレス・ラブ)』
- 『Take These Chains From My Heart(泣かずにいられない)』
- 『No One(ノー・ワン)』
- 『My Heart Cries For You(マイ・ハート・クライズ・フォー・ユー)』
- 『Baby Don't You Cry(ベイビー・ドント・ユー・クライ)』
- 『Smack Dab In The Middle(ピタリ命中)』
- 『Together Again(トゥギャザー・アゲイン)』
- 『I Don't Need No Doctor(アイ・ドント・ニード・ノー・ドクター)』
- 『Yesterday(イエスタデイ)』
- 『Eleanor Rigby(エレノア・リグビー)』
- 『America The Beautiful(アメリカ・ザ・ビューティフル)』
- 『Mess Around(メス・アラウンド)』
- 『I've Gog A Woman(アイヴ・ガット・ア・ウーマン)』
- 『Hallelujah, I Love Her So(ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソー)』
- 『Ellie My Love(エリー・マイ・ラブ)』 - 「いとしのエリー」(サザンオールスターズ)のカバー曲。日本独自ヒット
- 映画『ブルース・ブラザーズ』にも楽器店の店主で出演し、『Shake Your Tailfeather』を演奏している。
[編集] こぼれ話
- 日本では「いとしのエリー」をカヴァーした大物歌手として有名であるが、この曲をカヴァーするに至る経緯は元々CMソングとして日本の楽曲をカヴァーして欲しいという依頼がレイに舞い込んだことによる。幾つか提示されていた日本の楽曲の中で唯一気に入ったとされるエリーがCMソングとして起用され、日本でヒットを記録することとなる。尚、現在においても日本で逆輸入邦楽がヒットすることは「SUKIYAKI」と「ELLIE MY LOVE」が最も有名な作品として挙げられる。