ワシントン・タイムズ
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ワシントン・タイムズ (The Washington Times) は、「統一教会」(世界基督教統一神霊協会)系のアメリカの日刊新聞。
ワシントンDCに本部がある。発行部数は2005年3月31日現在、103017部で、『ワシントン・ポスト』紙(751871部)の約7分の1程度である。
現編集長は保守派ジャーナリストのウェズリー・プルーデン。
ニュース・ワールド・コミュニケーションズが発行元であり、同社の初代社長は統一教会の文鮮明側近だった朴普煕(パク・ポーヒー)。現在の社長も統一教会の有力幹部である朱東文(チュ・ドンムン)が務めている。同社は他にもヒスパニック向けのスペイン語日刊紙『ノーティシャス・デル・ムンド』のほか、週刊誌『インサイト』(2004年から電子版に移行)、月刊雑誌『ワールド・アンド・アイ』をはじめとした各種書籍を出版している。
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[編集] 創刊の経緯
1981年に米国で唯一の保守系新聞であった『ワシントン・イブニング・スター』紙が経営難で廃刊したことに危機感を覚えたロナルド・レーガン政権が、保守系日刊紙の創刊を財閥などに持ちかけていた。採算性の問題から引き受けるところがなかった中「自由主義世界の首都を代表する新聞社が容共リベラルの『ワシントン・ポスト』のみというのは報道の公正さに欠けるだけでなく、アメリカの健全な世論形成に悪影響を及ぼす」として、かねてよりアメリカの保守勢力への影響力確保を目指していた文鮮明が中心となって創刊した。
なお、創刊にあたっては『ワシントン・ポスト』と『ニューヨーク・タイムズ』と言う二つの有名新聞と似通った名前だったことから、両者がしばしば混同されるケースが起こるなどして『ワシントン・ポスト』からはクレームがついた(結局、タイムズは題字のロゴを変更)。ちなみにニュース・ワールド・コミュニケーションズは相前後してニューヨークで『ニューヨーク・トリビューン』という『ニューヨーク・タイムズ』と『ヘラルド・トリビューン』に混同され易い日刊紙を創刊。同様に『ニューヨーク・タイムズ』から訴訟を起こされた。ちなみにニューヨークでは『ニューヨーク・ポスト』が発行されているが、こちらはタブロイド紙なので『ニューヨーク・タイムズ』や『ワシントン・ポスト』との混同はされない。
[編集] 論調
『ワシントン・ポスト』が基本的にリベラルで民主党寄りであるのに対し、同紙は自ら「America's Newspaper」と標榜しているように、一貫して保守的で共和党支持を表明している。またレーガン大統領が、在任中は『ニューヨーク・タイムズ』などの有力紙よりも真っ先に読み、またベッドルームへ持ち込む唯一の新聞としても知られ、現在でもブッシュ政権に対して一定の影響力を持つと言われている。
その論調から日本では一部で「アメリカの産経新聞」とイメージを重ねる向きも一部にある。
[編集] 姉妹紙
- 世界日報(セゲイルボ)(韓国)
- 世界日報(日本)
- ティエンポス・デル・ムンド(アルゼンチン)
- ミドルイースト・タイムズ(エジプト) - 中東向け英文日刊紙
- ノーティシャス・デル・ムンド(米国) - ヒスパニック向けのスペイン語日刊紙
- ウルティマス・ノティシャス(ウルグアイ)
- 週刊インサイト(米国)
- 月刊ワールド・アンド・アイ(米国)
[編集] 関連項目
- 世界基督教統一神霊協会(統一教会、統一協会)
- 文鮮明
- 世界日報(セゲイルボ、韓国)
- 世界日報 (日本)
- UPI