三段空母
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三段空母(さんだんくうぼ)は、SFアニメ作品『宇宙戦艦ヤマト』に登場する架空の兵器であり、ガミラス帝国の宇宙空母のひとつ。発着甲板が三層に重なっている姿からそう呼ばれる。但し正確には艦体後半部に着艦専用と思われる甲板がもう1層、全体で計4層あり、多層式宇宙空母と呼ぶのが正しい。
最上位の飛行甲板は、側面の一部が欠き取られたデザインのように見え、アニメ本編でもそのように描写されているが、これは設定資料が不明瞭なため生じたミスで、本来はアングルド・デッキ(斜め着艦用飛行甲板)を意図したデザインである。このため、PS版・PS2版ゲームの宇宙戦艦ヤマトでは本来のアングルド・デッキスタイルで登場している。
当初は、対ヤマト戦において失敗を犯したドメル将軍の起死回生策を活かす新鋭艦として描かれたが、その後も、ガミラス帝国の機動戦力の象徴として各続編作品に登場している。
「七色星団の戦い」では、ガミラス帝国が作戦展開する4つの戦線(オメガ・サファイヤ・ルビー・ダイヤ)から戦闘空母1隻と三段空母3隻が招集され、まるで第二次世界大戦の戦艦大和の運命をトレースするかのような「戦艦対艦載機」の闘いが展開した。
三段空母部隊の構成は
- 第1空母(ルビー戦線):指揮官はゲットー・搭載機はガミラスファイター(艦上戦闘機)
- 第2空母(サファイア戦線):指揮官はバーガー・搭載機は急降下爆撃機
- 第3空母(ダイヤ戦線):指揮官はクロイツ・搭載機は雷撃機
戦闘は終始ドメル艦隊有利で進められたが、波動砲を封じたドリルミサイルの逆回転に成功したヤマト側の機転により、密集隊形をとっていた4艦全てが返り討ちで一瞬にして誘爆被弾する失態を演じている。
なお、『宇宙戦艦ヤマトIII』においても、ガルマン・ガミラス世代型の三段空母が設定された(画面に登場せず)ほか、この発展型である「二連三段空母」が生みだされ、ヤマトとの新たな決戦を演じている。
「ヤマト2」時に作られた設定では全長200m、全幅62.5m、自重48000tであったが、「新たなる旅立ち」では全長180mに改められている。 またガルマンガミラスの三段空母は全長が500mを超える大型艦である。