久世星佳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
久世 星佳(くぜ せいか、1965年7月8日)は女優。東京都出身。本名・星野 紀子(ほしの・のりこ)。愛称ノンちゃん。身長169センチ、血液型B型。
目次 |
[編集] 来歴・人物
北海道の札幌市で出生、1歳で東京都へ転居、同大田区で育つ。東京女学館中等部卒業後、1981年宝塚音楽学校に入学。1983年に69期生として宝塚歌劇団入団。月組公演『春の踊り~南蛮花更紗~/ムーンライト・ロマンス』で初舞台を踏む。芸名の由来は「姓は好きだった久世光彦さんにちなみ、名前は自分の誕生日が暦で「せいか(盛夏)」にあたるから(本人談)。」
同期には、高嶺ふぶき(元雪組男役トップ)、麻路さき(元星組男役トップ)、出雲綾(宙組2代目組長,'06秋より月組組長)、神奈美帆(元雪組娘役トップ)、美月亜優(元雪・花組娘役・名脇役として活躍)らがいる。
1984年月組配属後、早くから新人公演でも大きな役を与えられ期待されたが、4期下の天海祐希配属・抜擢で新人公演でも2番手の役に回る。
1989年『天使の微笑・悪魔の涙』の新人公演では海外公演参加で抜けた若央・天海の穴埋めで転がり込んだファウスト博士で新人公演最初で最後の主演を果たす。。1990年宝塚バウホール初主演作『BLUFF-復讐のシナリオ-』も評判を呼び、天海に次ぐポジションとなる。
涼風真世のトップ時代は脇役として主に芝居部分の役割を担う。1992年の大劇場公演『PUCk』の狡猾な令息ダニー、1993年にはブロードウェイ・ミュージカル・『グランドホテル』でガイゲルン男爵を好演。
『グランド~』は本来原作の主役は男爵であるが、宝塚版ではワキのオットー(配役・涼風)とフラムシェン(同・麻乃)が主役となり、ガイゲルン男爵はワキ、と役の主傍関係が変更された。天海のトップ就任後は2番手で活躍。1994年に『風と共に去りぬ』ではアシュレ(月組)、バトラー(雪組特出)の2役を経験。[1995年]]の天海・麻乃のサヨナラ公演となった『ミー・アンド・マイガール』では1987年再演時の新人公演で演じたジョン卿を熱演した。
天海の退団を受けトップ就任。宝塚大劇場でのトップ披露公演に先立ち、中日劇場の『ミー・アンド・マイガール』が実質トップ初仕事となった。相手役になった風花舞とは、素晴らしいコンビぶりを見せた。 久世はビル(主役・この中日公演)・ジョン卿(1987年再演の新人公演・1995年3度目の本公演)・ジェラルド(1987年初演の新人公演)と『ミー&~』で在団中主要な男役を三つ演じた記録を残す。
1996年の宝塚大劇場公演、『CAN-CAN』(トップ披露作)、『チェーザレ・ボルジア』(二公演目)はいずれもと久世の実力・個性が存分に余す所なく発揮された公演となり評判となった。同年のバウホール公演『銀ちゃんの恋』の倉岡銀四郎(銀ちゃん)役も出色、小夏役・風花、ヤス役・汐風幸共々好演。1997年4月東京公演『バロンの末裔/グランド・ベル・フォリー』を最後に退団。
退団後は、主に舞台をメインに活動中。テレビ・映画出演歴も多数。
[編集] スター像
- 涼風・天海・一路真輝のような華・カリスマ性はなかったが、演技と情感豊かな歌唱・男らしさ・格調の高さ・ニヒルさを表現しえた久世の個性は、ユニークで稀有な存在であった。
- 宝塚の歴代トップ男役スターの中では、在任期間が一年強(本公演数にして3公演)と短期間ではあったが3番手・2番手時代には逆に当たり役が多く、それが久世の人気・評判を築き、短くはあったがトップ就任を実現させる力となった。
- R・バトラー、ガイゲルン男爵、ジョン卿…と宝塚男役トップ就任経験者でこれほど口髭のある役をこなしかつ絵になったものはいない。
[編集] 主な作品
[編集] 宝塚在団中の主な出演作品
- 「BLUFF」ドノヴァン
- 「グランドホテル」ガイゲルン男爵
- 「WANTED」ニコル
- 「CAN-CAN」フォレスティエ判事
- 「銀ちゃんの恋」倉岡銀四郎
- 「チェーザレ・ボルジア」チェーザレ
- 「バロンの末裔」エドワード/ローレンス(二役)
[編集] 退団後の出演作品
[編集] 舞台
- マッチ売りの少女(ジョン・クローリー演出)
- ラヴ・レターズ(青井陽治演出)
- 勝利(柳田伊久子演出)/楽屋(鈴木裕美演出)
- 春のめざめ(串田和美演出)
- リチャード三世(蜷川幸雄演出)
- 橋からの眺め(A・アッカーマン演出)
- ニジンスキー(ジョン・ティリンジャー演出)
- グリークス(蜷川幸雄演出)
- OUT(鈴木裕美演出)
- 観客席2001(J.A.シーザー演出)
- 欲望という名の電車(鈴木勝秀演出)
- 蜘蛛の巣(山田和也演出)
- さよならの城(J.A.シーザー演出)
- MOZART!(小池修一郎演出)
- 頭痛肩こり樋口一葉(木村光一演出)
- KASANE~鶴屋南北「かさね」より~(鐘下辰男作・演出)
- ハロー・アンド・グッドバイ(栗山民也演出)
- 円生と志ん生(鵜山仁演出)
- ドレッサー(鈴木勝秀演出)
- セパレート・テーブルズ(マキノノゾミ演出)
- ハゲレット(山田和也演出)
- プライベート・ライヴズ PRIVATE LIVES(山田和也演出)
- グッドラック、ハリウッド(山田和也演出)
- 魔法の万年筆(鈴木聡脚本・演出)
[編集] TV
[編集] 映画
- 踊る大捜査線 THE MOVIE(本広克行監督)
- KEEP ON ROCKIN'(両沢和幸監督)
[編集] 外部リンク
宝塚歌劇団 | |
---|---|
劇団統括団体:阪急電鉄 |