欲望という名の電車
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『欲望という名の電車』(A Streetcar Named Desire)は、テネシー・ウィリアムズによる戯曲。ニューヨークにおいて1947年に初演された。1951年に映画化、1998年に歌劇化。
目次 |
[編集] ストーリー
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
舞台はニューオリンズ。粗野な工場労働者とその妻の下に、過去を持つ妻の姉が居候し、そこで巻き起こる事件を描いている。
主人公は名家出身の女性ブランチ。ブランチは没落し、故郷を追われて妹のステラの下に身を寄せる。しかし、ステラの夫で粗野な工場労働者スタンリーの暴言・罵倒によって傷つけられ、挙句に隠していた過去を晒され、暴行される。ブランチは心を病み、精神病院に入れられる。
以上で、作品の核心的な内容についての記述は終わりです。
[編集] 映画化
1951年にエリア・カザン監督で映画化された。出演はヴィヴィアン・リー、キム・ハンター、マーロン・ブランド、カール・マルデンなど。
詳しくは欲望という名の電車 (映画)を参照。
[編集] 歌劇
アンドレ・プレヴィン作曲の歌劇。1998年にサンフランシスコ歌劇場で初演。
[編集] 日本での上演
- 日本では最初に文学座で上演され、ブランチは杉村春子の当たり役のひとつとなった。後年高齢となった杉村自身はじめ文学座の多くの関係者がブランチ役を太地喜和子に譲りたいと熱望していたというが、その矢先太地が水難事故死、かなわぬ夢となったというエピソードも残っている。
- T・ウィリアムズは本作の上演・映画化などについて『女役は女優、男役は男優を必ず配役する(女形・男役はダメ)』旨遺言していた。その遺言を覆したのが2001年、ブランチに篠井英介を擁した公演である。
この数年前に篠井をブランチに配役しての公演が予定されていたが当時の著作権所有者のクレームでそのときは中止になった。しかし篠井ら多くの公演関係者は諦め切れず、著作権所有者を訪ね自分たちの演技を見せ、承諾を貰い上演にこぎつけた。数年来の関係者全ての執念が結実したこの公演が好評・盛況だったのは無論である。 - ほかには、水谷八重子 (2代目)(当時は良重)、岸田今日子、東恵美子、栗原小巻、樋口可南子、大竹しのぶなどがブランチを演じている。
[編集] TVドラマ
アメリカではTVドラマ化が2回行われている。
- 1985年ABC放映1時間59分
- 主演アン・マーグレット(ブランチ)、トリート・ウィリアムズ(スタンリー)、ビヴァリー・ダンジェロ(ステラ)、ランディ・クエイド(ミッチ)。演出はジョン・エルマン、音楽はマーヴィン・ハムリッシュ。
- 1995年CBS放映2時間30分
- 主演ジェシカ・ラング(ブランチ)、アレック・ボールドウィン(スタンリー)、ダイアン・レイン(ステラ)、ジョン・グッドマン(ミッチ)。演出はグレン・ジョーダン、音楽はラルフ・ボード。
2.は日本のNHK-BSでも2000年12月18日に放映された。日本語吹替え版で本編ノーカットの模様(キャストは全員、舞台上演に携わった文学座の所属)。
- 吹替え版キャスト
- 吹替え版制作スタッフ
- 翻訳:宇津木道子 演出:壺井正 効果:高橋久義
[編集] タイトルについて
「欲望という名の電車」という象徴的なタイトルだが、これは執筆当時ニューオーリンズを走っていた路面電車の名前である。ニューオーリンズには「欲望(Desire)」「極楽(Elysian Fields)」といった変わった名前の通りがあり、「欲望という名の電車」は、「欲望通り」を走っていた電車である。この電車には「Desire」という表示がされていた。つまり「欲望という名の電車(A Streetcar Named Desire)」というのは、「都電荒川線」というようなものではあるが、作品の内容を暗示する効果的なタイトルとなっている。
なお、作品の舞台となった「極楽通り(Elysian Fields Avenue)」は、ウィリアムズが住んで執筆活動を行なった場所でもある。
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