吉備線
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吉備線(きびせん)は、岡山県岡山市の岡山駅から岡山県総社市の総社駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
2007年夏より、全区間でICOCAが使用可能になる予定。
目次 |
[編集] 路線データ
- 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):20.4km
- 軌間:1067mm
- 駅数:10駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:自動閉塞式(特殊)
- 運転指令所:岡山輸送指令室
※全区間、西日本旅客鉄道岡山支社の管轄である(支社直轄である岡山駅を除き備中鉄道部の管轄)。岡山支社管内で独自に設定されているラインカラーはオレンジ。
[編集] 運行形態
吉備線は普通列車のみの運転で、全線を通して運転される列車のほか岡山~備中高松間の区間運転もあり、毎時1~2本程度の運行になっている。また、一部の列車は津山線の法界院駅まで直通する。ワンマン運転を実施している。吉備線の岡山~総社間は20.4kmで山陽本線・伯備線経由の26.6kmよりも短いが、所要時間は長くかかる。
沿線には吉備津神社や最上稲荷などがあることから、大晦日~元日にかけては初詣客のために終夜運転が行われ、大いに賑わう。この終夜運転は戦前の中国鉄道時代から行われていたという。
[編集] 歴史
- 1904年(明治37年)11月15日 - 中国鉄道吉備線として岡山~湛井間が開業。三門駅(現在の備前三門駅)、一宮駅(現在の備前一宮駅)、吉備津駅、稲荷駅(現在の備中高松駅)、総社駅(現在の東総社駅)、湛井駅開業。
- 1908年(明治41年)4月5日 - 服部駅開業。
- 1911年(明治44年)5月1日 - 稲荷~稲荷山間の稲荷山線が開業。稲荷山駅開業。
- 1914年(大正3年)2月25日 - 大安寺仮停留場開業。
- 1915年(大正4年)7月1日 - 大安寺仮停留場を大安寺停留場に格上げ。
- 1916年(大正5年)2月1日 - 一宮駅を備前一宮駅に改称。
- 1925年(大正14年)2月17日 - 総社~湛井間が廃止。湛井駅廃止。
- 1925年(大正14年)8月7日 - 総社~西総社間が開業。国鉄西総社駅(現在の総社駅)に乗り入れ。
- 1931年(昭和6年)2月9日 - 稲荷駅を備中高松駅に改称。
- 1944年(昭和19年)1月10日 - 備中高松~稲荷山間の稲荷山線が廃止。
- 1944年(昭和19年)6月1日 - 中国鉄道の鉄道部門が国有化され、吉備線となる(中国鉄道はバス事業者の中鉄バスとして現存)。三門駅を備前三門駅に改称。大安寺停留場を大安寺駅に格上げ。
- 1959年(昭和34年)10月1日 - 総社駅を東総社駅に改称。
- 1959年(昭和34年)11月1日 - 西総社駅を総社駅に改称。
- 1968年(昭和43年)9月30日 - CTC化。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継。全線の貨物営業廃止。
- 1991年(平成3年)4月1日 - ワンマン運転開始。
[編集] 駅一覧・接続路線
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|
岡山駅 | 0.0 | 西日本旅客鉄道:山陽新幹線・山陽本線・津山線・宇野線(瀬戸大橋線) 岡山電気軌道:東山本線(岡山駅前駅) |
岡山県 | 岡山市 |
備前三門駅 | 1.9 | |||
大安寺駅 | 3.3 | |||
備前一宮駅 | 6.5 | |||
吉備津駅 | 8.4 | |||
備中高松駅 | 11.0 | |||
足守駅 | 13.4 | |||
服部駅 | 16.2 | 総社市 | ||
東総社駅 | 18.8 | |||
総社駅 | 20.4 | 西日本旅客鉄道:伯備線 井原鉄道:井原線 |
[編集] 過去の接続路線
- 備中高松駅:中国鉄道稲荷山線
[編集] 将来的な展望
2003年、西日本旅客鉄道は将来的に吉備線のLRT化(路面電車化)を検討していると発表した。これは吉備線が岡山市内を走っており、LRT化して駅数を増やせば乗客の増加が望めるというものである。
岡山電気軌道との相互乗り入れ案など様々な構想も浮かんでいる一方、JRからの経営切り離しを危惧する意見もある。