夏の夜の夢 (メンデルスゾーン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
ポータル - プロジェクト |
カテゴリ |
『夏の夜の夢』(なつのよのゆめ、独語:Ein Sommernachstraum)はフェリックス・メンデルスゾーンが作曲した演奏会用序曲(作品21)および劇付随音楽(作品61)。いずれもシェイクスピアの戯曲『夏の夜の夢』が元になっている。
目次 |
[編集] 序曲
『夏の夜の夢』序曲 ホ長調 作品21は1826年に作曲された。もとはメンデルスゾーンが姉のファニーと楽しむためのピアノ連弾曲として書いたものであったが、すぐにこれをオーケストラに編曲した。この作品を完成したとき、メンデルスゾーンはわずか17歳であったが、作品は驚異的な完成度と豊かな創意を誇っている。
ロマンティックで表情豊かな作品ながらも、古典的なソナタ形式を踏まえた序曲として構成されている。神秘的な序奏に続いて、第1主題の跳ね回る妖精たちや、第2主題群に聞こえるクラリネットによるロバのいななきの描写は有名である。さまざまな特徴的な音型や、あらゆる楽器の音色効果を用いて、妖精たちや動物(獣人)の住む幻想的な世界を描写している。
[編集] 楽器編成
フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、オフィクレイド1(現在ではテューバで演奏する)、ティンパニ1人、弦五部
[編集] 劇付随音楽
序曲に感銘を受けたプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の勅命により、メンデルスゾーンは1843年に、序曲の主題も再利用して劇付随音楽『夏の夜の夢』作品61を作曲することとなった。作品21は劇の上演のための序曲として転用された。作品21と作品61は、従って別々の時期の作品であるが、作品61の全曲または抜粋が演奏される際には、作品21も共に演奏されることが多い。
作品61の劇付随音楽は、次の12曲である。
- スケルツォ
- 情景(メロドラマ)と妖精の行進
- 歌と合唱「舌先裂けたまだら蛇」(ソプラノ、メゾソプラノ独唱と女声合唱が加わる)
- 情景(メロドラマ)
- 間奏曲
- 情景(メロドラマ)
- 夜想曲
- 情景(メロドラマ)
- 結婚行進曲
- 情景(メロドラマ)と葬送行進曲
- ベルガマスク舞曲
- 情景(メロドラマ)と終曲(ソプラノ、メゾソプラノ独唱と女声合唱が加わる)
オーケストラの楽器編成は序曲とほぼ同じであるが、オフィクレイドは「結婚行進曲」でのみ用いられる。「結婚行進曲」ではまた、トランペット1、トロンボーン3、シンバルが加わる。
「スケルツォ」、「間奏曲」、「夜想曲」、「結婚行進曲」を抜粋し、序曲と組み合わせて組曲の形で演奏することがしばしば行なわれる。
[編集] 題名について
シェイクスピアの戯曲の原題“A Midsummer Night's Dream”が、日本でいう真夏ではなくmidsummer dayすなわち夏至の夜のことであるため、題名の訳語については近年『真夏の夜の夢』から『夏の夜の夢』に変わりつつある。ただし、こうした変更はクラシック音楽の分野では、文学や演劇の分野に比べて遅れがちなのが常であり、『夏の夜の夢』も例外ではない。
カテゴリ: 序曲 | メンデルスゾーンの楽曲 | 劇付随音楽 | シェイクスピア