多摩川花火大会 (世田谷区・川崎市)
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世田谷区たまがわ花火大会(せたがやくたまがわはなびたいかい)・川崎市制記念多摩川花火大会(かわさきしせいきねんたまがわはなびたいかい)は、東京都世田谷区・神奈川県川崎市高津区にある二子橋付近(東急田園都市線二子玉川駅・二子新地駅周辺)の多摩川河川敷で行われる花火大会である。通常は毎年8月第3土曜日に開催される。
両大会は別々の大会であるが、開催場所が隣接しており、また1994年以降は同日開催が行われている(ただし2004年から2006年は世田谷区側のみ休止している)。交通規制等で両大会が協力する点も多い。
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[編集] 概要
世田谷区たまがわ花火大会・川崎市制記念多摩川花火大会は、国道246号二子橋および東急田園都市線多摩川鉄橋付近を中心とした多摩川河川敷、世田谷区玉川・鎌田および高津区諏訪地域で各々開催される。1994年以降は同日開催になっており、そのため周辺住民は同一の大会とみなしている面もある。
開催日時は毎年8月第3土曜日の午後 7時頃から、ただし荒天時は翌日(日曜日)に順延。
打上数は両大会それぞれ約 6,000発、合計約 12,000発。観客数は両大会あわせて通年 60 ~ 70万人程度、最高で 100万人を数えた年もあるが、川崎市側単独開催となった 2004年〜2006年は 30万人前後になっている。
これらの大会は自治体による出資のほか、地元の商店・企業などからの寄付や、地域住民の募金活動や警備の応援、ボランティアによるごみの片付けや事後清掃活動などによっても支えられており、世田谷区南部、川崎市および多摩田園都市地域における夏の風物詩になっている。
[編集] 世田谷区たまがわ花火大会
主催は「世田谷区たまがわ花火大会実行委員会」。
打ち上げ場所は多摩川左岸の二子橋より上流、世田谷区鎌田一丁目の二子玉川緑地付近。
2004年から2006年までは、会場付近で多摩川と合流する野川の水害防止のための河川改修工事が行われていることから、観客の安全を図れないという理由で休止されていた。しかし、2007年3月に河川改修工事が完成する見込みであることから、2007年夏に再開される予定であることが発表されている。
- 花火の特徴
- 打ち上げ場所となる多摩川の河川敷が広いため、尺玉(10号)サイズの花火の打ち上げが可能。
- 2007年大会のテーマは「水辺」
[編集] 川崎市制記念多摩川花火大会
川崎市主催、地元企業や商店、地域住民などが後援して開催される。
打ち上げ場所は多摩川右岸の二子橋より下流、高津区諏訪地先の多摩川河川敷。
観覧場所となる花火会場は、川崎側の河川敷の本会場の他に、対岸の世田谷側にも東京会場が設けられる。
川崎市の多摩川花火大会は、昭和4年に第1回が開催され、80回以上を数える歴史ある花火大会である。当初は六郷橋付近で開催され、その後多摩川大橋付近での開催を経た後、昭和50年より現在の二子橋付近で開催されている。なお、太平洋戦争時および、多摩川大橋付近の交通事情に問題があった数年間は中止されている。
- 花火の特徴
- 打ち上げ場所となる多摩川の河川敷が川崎側では狭く住宅地に近接しているため、尺玉(10号)サイズの花火の打ち上げはできない。
- 多摩川の花火大会で良くみられる「ノンストップ打ちっぱなし」スタイル。
- 近年ではフィナーレに、コンピュータ制御で音楽に合わせて花火を打ち上げる「ハナビリュージョン」の演目が行われる。
[編集] テレビ放送
毎年、東急田園都市線沿線に展開するケーブルテレビ局イッツ・コミュニケーションズにおいて生中継放送されている。
[編集] 交通
[編集] 鉄道
左岸(世田谷区側)の最寄駅は東急田園都市線・大井町線二子玉川駅および大井町線上野毛駅。
右岸(川崎市側)の最寄駅は東急田園都市線二子新地駅だが、非常に混雑するため入場制限されることがあり、近隣の高津駅・溝の口駅、南武線武蔵溝ノ口駅から徒歩で会場に向かうことが推奨されている。各駅には誘導係員が配置され、大山街道(高津十字路〜二子橋間)を車両通行止めとして会場へ向かう観客の安全と利便を図っている。
なお、花火大会開催時には東急田園都市線・大井町線は臨時ダイヤで運転され、増発がなされるほか田園都市線は全列車各駅停車となる。また各駅前は大変混雑するため待ち合わせ等はしないよう呼びかけられている。
[編集] 路線バス
- 右岸(川崎市側)
- 向02系統は当日夕刻より二子玉川駅~新二子橋間が区間運休となり、上記区間での運行となる。このうち新二子橋バス停が花火大会会場の最寄りとなる。また 2006年から同系統では大会終了後に増発運行を行っており、南武線方面からの来場者の足としても利用されている。
- 左岸(世田谷区側)
- 当日夕刻より玉11系統は全面運休、渋12系統(二子玉川~高津営業所間)は区間運休となる。また二子玉川駅バスターミナルが利用できなくなるため、渋12・玉06・玉07・玉08の各系統は二子玉川(高島屋前)で折り返し運転となる(2002年以前の玉07・玉08系統は吉沢停留所での折り返し)。
[編集] 道路
当日16時以降、会場周辺道路では大幅な交通規制が行われる。概ね、多摩川両岸の第三京浜多摩川橋から新二子橋の間の道路は自動車通行禁止となり、違法駐車の取り締まりが強化される。当然ながら駐車場はなく、来場者は徒歩または公共交通機関を利用する必要がある。
また多摩川サイクリングコースは会場設営が始まる昼頃以降通行止めとなり、二子橋付近など特定の場所以外から河川敷への出入りが制限され、付近の歩道橋などは観客が集まると危険なため閉鎖される。
二子橋・新二子橋は開催中も通行可能だが大変混雑し、また当然ながら橋上・道路上での花火見物はできない。
[編集] 歴史
[編集] 川崎市制記念多摩川花火大会
- 1929(昭和 4)年 - 六郷橋付近で第1回開催
- 1949(昭和24)年 - 太平洋戦争に伴う中断を経て再開
- 1954(昭和29)年 - 以後、多摩川大橋付近にて開催
- 1968(昭和43)年~1971(昭和46)年 - 交通事情の問題から開催せず
- 1972(昭和47)年 - 政令指定都市昇格前夜祭として花火大会を実施
- 1973(昭和48)年 - 市制記念事業として花火大会を再開
- 1975(昭和50)年 - 以後、二子橋付近(高津区諏訪地先)にて開催
- 1994(平成 6)年 - 以後、世田谷側の大会と同日開催
- 1995(平成 7)年 - 大会最高の100万人を超える人出(両大会通算)
- 2003(平成15)年 - 荒天・増水のため中止
- 2004(平成16)年~2006(平成18)年 - 世田谷側の休止により単独開催
[編集] 世田谷区たまがわ花火大会
- 1994(平成 6)年 - 以後、川崎側の大会と同日開催
- 1995(平成 7)年 - 大会最高の100万人を超える人出(両大会通算)
- 2003(平成15)年 - 以後、2006年まで野川改修工事にともない休止
- 2007(平成19)年 - 同工事完了見込みにより、再開予定