宵闇眩燈草紙
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『宵闇眩燈草紙』(よいやみげんとうそうし)は、メディアワークスの月刊コミック電撃大王に連載されていた八房龍之助の漫画作品。単行本は全7巻。同氏の作品『仙木の果実』『塊根の花』(ジャック&ジュネシリーズ)と内容がリンクしている。
目次 |
[編集] 概要
大正時代の日本を思わせる場所(詳細は後述)を舞台に、もぐりの医者「木下京太郎」、荒事の得意な「長谷川虎蔵」、古道具屋を営む妖しい女性「麻倉美津里」を中心に繰り広げられるオカルト・ホラー・アクション作品。
大きく分類すると、全巻通して1話単発から3話で構成される短編と「寄群編」「シホイガン編」に分けられる。1~2巻まではキャラクターも単発出演が多かったが、3巻以降は全体通してつながりが見て取れるようになる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
[編集] レギュラー
- 木下 京太郎(きのした きょうたろう)
- 中肉中背・特に目立った特徴の無い顔立ちで近眼、美津里謹製の四角の眼鏡を愛用する一般人代表(?)のモグリの医者。元は真面目な医者見習だったようだが、血を見るのが苦手でまともな医者を諦めた経歴があり、コミック序盤~中盤は医者というよりも単なる幇間でしかない。父の遺産で古家を相続し、近所を散策中に美津里の「眩桃館」を見つけて眼鏡を作ってもらったのを縁として以降知り合いとなる。ちなみにその眼鏡は「見えすぎた」為に、京太郎は父と兄弟(隠喩)になる破目に。性格は凡そ小心で真面目だが、自分の小物っ振りに切れる事も多々在り。虎蔵や美津里の人外の力を羨ましく妬ましく感じる事もあるが、終盤では「なるようにしかならない」と悟ってしまったようだ。とりあえずこの漫画で数少ない「普通」な人である。
- 「寄群編」以降は美津里に師事することで医者としての腕は上がったようが、「表沙汰になったら後ろに手が回るような治療法(どう見てもこの時代の医療ではない)」を扱うため相変わらずモグリのままである。
- 長谷川 虎蔵(はせがわ とらぞう)
- 京太郎の家に居候している隻眼に黒ずくめの青年で、何事にも大雑把な発言・行動を見せるナイスガイ。多数の日本刀(両手両足で使用)や方術を使う腕っ節担当(ただし射撃は苦手)で、中盤の話から天狗の力を持つと推測される。ちなみに雷を撃つ際に唱えているのは道教の雷法。また忍術にも通じていると思われ、隠匿術(相手に気づかれないように物を隠し持ち、あたかも何も無いところからそれを取り出したように見せる技術)や身代わりの術・分身の術等も多用する。
- 女には優しいがフェミニストではない。口絵のキャラクター紹介曰く「“女は家の中でおとなしくしている弱い生物”という男尊女卑思考の延長」とのこと。話の中で良く女郎屋通いをするシーンがあり、最終話で美津里に強制召喚された時も「取り込み中」であったようだ。
- 「飛烏龍(フェイ・ウーロン)」「エドワード・ロング」「スクリーミングクロウ」などとも呼ばれる。
- 曰く「木気の人」。渡来系の大天狗(いわゆるマレビト)から大団扇を継いでおり、普段は眼帯の下の右目に封印している。大団扇の力を借りることで羽を生やして飛ぶことができる。また、大掛かりな方術を陰陽五行を使って組むこともある。
- 物語終盤、低気圧として顕現した異形のものを取り込むことで、巨大な右目(台風の目の比喩? )を持ち羽が生えて右腕が大団扇と一体化したかのような姿(低気圧モード)に変身するようになる。「力尽く」で物事を解決する(というよりぶちこわす)ことができるようになったためか、呑み込んだ低気圧の帰省本能の影響か、性格・行動は更に大雑把になった様子。
- 麻倉 美津里(あさくら みつり)
- 古道具屋「眩桃館」の妖艶な女主人で、長い黒髪と終始口元に怪しい微笑を持つ年齢不詳の眼鏡美人。因果律を良く知っているようで、直接的な干渉は控えて基本的には横からちょっかいを出してニヤニヤしている人。他のどのキャラクターにも一目置かれ、多種多様の深い知識を持つ「魔女」である。
- 『仙木の果実』収録の短編「魔法使いの弟子」によると農家の末娘であったが、間引かれて魔法使いの元にやられたらしい。そこである程度の修行をしたのち、殺して脳を食べるという方法で「師の薀蓄」(=知識)を手に入れた。ちなみに、(おそらく『現代』以降に)弟子になるものがいないからと使い魔を召喚しようとして、出てきた天使(ガブリエル)の脳も食べた(罰当たりな)経歴あり。だだ甘で不味かったそうだ。
- 短編では不老不死の法を完成させたことになっているが、本作ではある特殊な若返りを行っている。(「みつつぼ」参照)
- 別名「ご老体」「ワルプルギスの魔女」「麻倉屋」。
[編集] 準レギュラー
- 馬 呑吐(マー トンツー)
- 元とある大陸マフィアの道士で殭屍使いで、語尾に「~アル」と付ける怪しい中国(?)人。極端に明るい物言い・太い短矩・黒丸サングラス・普段からトレンチコート&ソフト帽&葉巻というステレオタイプな中国人マフィアの格好をしている。本人が死人使いという「土気」の属性を強く持つ為、天狗と言う「木気」属性を強く持つ虎蔵とはとことん相性が悪い(相克の関係)。実は八百年余り存在し、真祖とまで言われるほどの吸精鬼であり、虎蔵いわく「健康のために日光浴をする」「灰にして七つの海に撒いたが一ヶ月で復活」「倒すには封殺するしかないがそれができるほどの道士は本人のみ」との事。ただ、長寿ではあるが我欲がかなり強力で「我を通しながら人生を楽しむ」を常としている。
- 物語終盤、特殊な形で封印(?)される事になる。
- 林 潤花(リン ルンファ)
- 大陸マフィアの女幹部(香主)でショートの髪の似合うアジア系美人。真面目にシマを増やす為に活動しているようだが、馬や虎蔵に係った挙句に大体酷い目にあうのが定石。「腹上にて飼う」では美津里から買った本に因り更に苦境を味わう。もともと虎蔵とは取引をつぶされたり脅迫を受けたりと敵対関係にあったが、馬 呑吐がいなくなった後用心棒を頼むことになる。性格は多少抜けたところはあるようだが、平気で拷問したり仕事の為なら策を選ばなかったりと立派にマフィアの面は持っている様子。
- 大澤 操(おおさわ みさお)
- 「ひとかたの」の一件において、従兄弟である由貴彦の治療を京太郎に頼みに来た娘。とある名人形師の孫娘で、祖父は美津里と馴染みらしく「離れからくり」に定評があったようだ(美津里談)。この一件にて色々とあったが、最終的に祖父の技術を継いで「由貴彦さん」を作り上げる。その後は縁にて美津里に様々な用事を持ち掛けられ、一行と良く行動を共にする。
- 和風の切髪を後で結った所謂「大正浪漫」的な外見を持つ娘だが、事件前は塞ぎがちであった性格も事件後はかなり吹っ切れたようで、どんな事も「由貴彦さん」と共に微笑みながらこなすようになる。
- 大澤 由貴彦(おおさわ ゆきひこ)
- 操の従兄弟で、線の細い感じの美男。操が両親を亡くして以来彼女の後見人として共に暮らしていたが、ある時謎の刀傷を負って京太郎の元に担ぎ込まれる。生前は操に懸想しており、何とかして操を自由の身にしてやろうと画策していた。「おもいおもて」で胴を真っ二つに寸断されたが、その後操の手で「由貴彦さん」として復活する。
- ちなみに、『布団の向きを変えたら助かるはずのない怪我から持ち直した』というのは落語の「死神」という演目が元ネタ。
- 笹森 房八(ささもり ふさはち)
- 名前はもろに和風だが、外見は欧州人ぽく、洋装の似合う髭に丸眼鏡のダンディ。抜け忍であったが逃亡中に美津里と出会い、整形による新しい外見と婿入りによる新しい名前を得て現在に至る。いつもニコニコしている反面、性格は淡白で薄情でビジネスライクな面強し。一応旅館「古那屋」の主人という事になってはいるが、追っ手の目に止まらないことと美津里の義理で使い走りをしている所為でめったに店には居ない。主に徒手での体術を使い、また「四六の蝦蟇」や「隠遁の術」等の忍術も得意とする。
- ぬい
- 房八の妻で、旅館「古那屋」の女将。セミロングの髪と口元の黒子が色っぽい和装の美人だが、留守がちの房八に代わり殆ど一人で旅籠を切り盛りしている。面の皮以外は普通の人である。
- アーノルド・ラスキン
- 医者にして魔法使い(というよりは錬金術師か)にして剣士の、スキンヘッドと顎鬚と片眼鏡の似合う老紳士。美津里とは古い知り合いらしく、外国(見た感じはロンドン)で人魚に関わることになったために一行と絡むことになる。できるだけ物事への介入を避ける美津里と違い、「特異な技術者が負うべき責任がある」と進んで因縁・因業の帳尻を合わせようと動く正義感の強い性格をしている為、美津里を半ば敵対視している。言葉通り刀を「消費」する虎蔵と違い、真っ当に刀や剣を振るうのを得意とする。また、巨大な八本腕の鎧姿の女神像(というよりロボット?)である「偶神クスィ・アンバー(つづりは「剣の女王キシオムバーグ」と同じ)」を操り戦うことも多い。
- ジャック・S(セトフォード)・カーライル
- 好事家で魔法使い。ジャック&ジュネシリーズの中心人物その1。
- ジュヌビエーヴ・コトフォード
- 「ジャックの友人」で助手。ジャック&ジュネシリーズの中心人物その2。
- 椎名さん(しいなさん)
- 「寄群編」より登場するブロンド(肌は黒め)美人。年齢は詳しくは不明だが大凡10代後半らしい。馬 呑吐によって西蔵からさらわれてきたが、紆余曲折を経て京太郎のところに下宿することになる。名前は本名では無いが、方言が強く主人公達には発音できない言葉であったため、聞き取れる範囲で「しーな」と呼ばれる事となる。別名「マコトちゃん」。性格は至って常識的なものであるが、住んでいた村が馬 呑吐によって殺戮された事が多少トラウマ的に残っている様子。一族の血統的な遺伝体質を強く継承しており、満月前3日間に限って「黄金色の鎧装サイ」に変身する事が出来る。その膂力は馬 呑吐やジャックが欲しがるほどのもので、ジャックが「とある宗教団体を背景にした組織」の仕事によって継続的に研究しているらしい。
- 朱乃(あけの)
- 虎蔵がひいきにしている遊女。あまり話に絡むことは無い。
[編集] ゲスト
- 人魚娘
- 「汐曇り」「汐待ち」「汐溜まり」に登場する、金髪碧眼の可愛らしい少女。さらわれたところから逃げ出し彷徨っていたところを京太郎に保護され、彼になつく。件の人魚姫伝説と同様に口が利けない反面、魅了(チャーム)を自然に使用する事ができる。「買い受け元」から追われ、追い詰められた京太郎を庇って顔を撃たれ、海へ落ちて行方知れずとなる。話の端々を見れば人魚であった事は容易に推測され、「人魚の涙」を残して海に帰ったと思われる。
- 河村
- 初出は「人魚編」でブローカーとして「買い受け元」に少女を売り込む。トレンチコートにソフト帽といういでたちで猪首の老人顔だが、体術は虎蔵かそれ以上の力量を持つ。亀の化身らしく「寄群編」で「海神様(如何見てもクトゥルフ神話のダゴン)」に仕えている事が判明。
- 出海
- 河村と同じく、「海神様」に仕えるペンギン(?)の化身。モーニング姿でいつもにこやかな表情をしているが、河村と同様に体術を良く使う。
- 鮫島
- 河村と同じく、「海神様」に仕える鮫の化身。支那服にオールバックという姿であったが、馬 呑吐との取引の最中に乱入してきたラスキンによって首を飛ばされる。
- 司書
- 「地階の王国」に登場。美津里の書庫を管理する司書で、悪魔的な容貌をしているが物腰は丁寧である。ちなみに京太郎が返却しに来た本は「How to Hatha Yoga」。
- 拓
- 「でいがん」に登場。表の顔として面屋、裏の顔として口入屋を営む。虎蔵の知り合いで度々仕事を持ちかけていたが、京太郎に恨みを持つ母親に取り憑かれて虎蔵に首を刎ねられる。
- ムーチー・マーディガン
- 「まれびとのうた(シホイガン編)」に登場。愛称はムチュ。ドラマ「探偵物語」の工藤俊作のような髪格好をした黒人(但し服は白黒逆)で、何故かオカマ言葉を話す。何年か前に虎蔵と組んで「仕事」をしていたらしく、シホイガンを訪れた虎蔵と出会い行動を共にする。モーゼルを2丁両手で同時に使う凄腕のガンマンだが、「浮気はしない主義」と他の銃を使いたがらない性癖あり。カフェ・ミルストンの店主の娘ミシェルに惚れている為、献身的に彼女を守ろうとする。
- ビリー・ザ・キッド
- サンダラーの持ち主と決闘する事にこだわる老ガンマン。実は馬呑吐の殭屍であり、ビリーではなく保安官のパット・ギャレットである。
- 改造忍者
- 一時的に身体能力を強化できる特殊体質を持つ忍者の一族の中から、ジャックの施した改造手術により更に一段階上の能力を手に入れた者たち。マントヒヒをモチーフとしたものとカマキリをモチーフにしたものの二体が登場する。
- オリビア・ミルストン
- シホイガンで喫茶店(地下ではもぐりの酒場)を営む金髪ストレート碧眼の美人店主。ストダート社に攫われそうになった時分にシスター・ジョスリンに撃たれ、最後は店の奥でダイナマイトを使って自爆死する。
- マイケル(ミシェル)・ミルストン
- オリビアの娘だが、物語序盤では男装(?)をしておりマイケルと名乗る。オリビアに似た外見をしているが、普段は長い髪をバンダナで隠している様子。だがムチュはそれを見抜いており、彼女に惚れていると物語終盤で告白する。
- ピーター
- モヒカン・髭面・体半分に刺青を入れた筋骨隆々の老人で、ガンスミスショップ・シノーラの銃職人。白人だがネイティブアメリカン・ナイアート族の伝承を受け継ぐ最後の一人であり、「シホイガン編」終盤では斧で異形の者を切りまくるという豪傑振りを見せる・・・が、実は本物のビリー・ザ・キッドであり、自分をビリーと思い込んだパット・ギャレットと壮絶なサンダラーでの打ち合いを行う。実はミシェルの実父でもある。
- 神父
- シホイガン編の悪役の一人。(自分の信じる)神から毒電波を受信しているキ○ガイ神父。同じく狂信的なシスター達を従えている。その歪んだ信念故に終盤で巨大な異形と化すが、虎蔵と馬 呑吐にぶっ殺される。
- 管区長
[編集] キーアイテム
- 見えすぎる眼鏡
- 眩桃館謹製のメガネ。京太郎と房八がかけている。普通の人には見えないものが色々と見えるようになる。
- 数珠
- 虎蔵が方術の補助に使ったり、ばらしてビットのように飛ばしたりする、襷掛けできるほどの大きな数珠。刀にも変化する。
- 守り役
- 人間大の自動人形。操に近づくものを殺害してまわっていた。
- アタッシュケース
- 競売の目玉商品。なぜか見た目が同じものが3個あり、それぞれの中身は以下のとおり。
- サンダラーが入っていたもの。最終的に林の元へ。
- 椎名さんが入っていたもの。ジャック製の保冷装置が仕込まれているが、循環系が甘い。「見えすぎる眼鏡」で見ると暗証番号がデカデカと書いてあったために、京太郎が開けてしまう。
- 人魚の卵が入っていたもの。卵は馬の体を苗床に成長、海神にささげられる。
- 天狗の大団扇
- 気圧現象との翻訳機。
- 由貴彦さん
- からくり殺人人形。ぜんまいで動いているらしい。
- サンダラー
- 中折れ式4連装リボルバー拳銃。決闘用の銃として二丁が作られ、専用の強化炸薬弾によりデタラメな威力を誇る。
- 宗州草薙
- 低気圧モードの虎蔵が使用する、ノコギリ状の刃を持った巨大な刀のようなもの。絵的には右手と融合しているようにも見える。
[編集] 特徴
- 画力は高レベルであるが、初期からすると徐々に線がやわらかくなっている。
- 内容はおおむねインモラルなものであり(たまに下品なものもある)、いわゆる「萌え漫画」の掲載比率が高い電撃大王内において、「隻眼獣ミツヨシ」(ベクトルはもちろん異なるが)などとともに独自の雰囲気を漂わせた作品であった。
- 3人のメインキャラを初めとして喫煙者比率が高く、当然のことながら喫煙シーン・タバコの書かれたコマが多い。
- 場所は日本とは明言されておらず、後書きなどにも「それっぽい場所」的に書かれていたりするものの、椎名さんに言葉を教える際にひらがなを使っていたりお金の単位が銭だったり「大陸の言葉のひとつも覚えられない」といった台詞があることから、普通に日本と考えるのが妥当と思われる。ただし、椎名さんがらみの台詞で「隣の国の文革」という言葉が登場するが、文革は1960~1970年代であるため、時代と雰囲気が合わないのは確かである。(それを言い出すと、ギャグ回に「珍走族」や「性感(マッサージ)」などという単語も出てくるのではあるが。)また、シホイガン編は禁酒法下であることが明文化されているため、20世紀初め頃のアメリカが舞台であることがわかる。
- ボードゲーム、テーブルトークRPG、特撮、古典文学、クトゥルフ神話などを元にしたネタやパロディも多い。
- 等々。
- 最終回までにいくつかの伏線は回収されているが、特に大団円的な終わり方はしておらず、非常にあっさりとした幕切れである。
- あとがき・なかがきが著者の趣味なのか拡大鏡が必要なほど小さく細かい。しかも多い。
- 「御負け」の内「其乃参」だけは単行本に収録されていない。これはメディアワークスより発行された同人誌「電撃大玉2号」に掲載されたものである。(レギュラーメンバーで登場するのは美津里だけであり、時代も現代に近いため外伝的なものと思われる。)また、「其乃壱」は「大玉創刊号」に掲載されたものであるが、そのときは「御負け其乃壱」ではなく「しもねたの一席」となっていた。
[編集] 単行本
- 第壱巻 1999年8月25日 初版・ISBN 4-8402-1263-5
- さかしまに映る/ぬばたまのけもの/腹上にて飼う/汐曇り/汐待ち/汐溜り/ゆきずりのからす/彼女の化石/あとがき
- 第弐巻 2000年6月25日 初版・ISBN 4-8402-1582-0
- やなりめ/でいがん/やせおんな/ますかみ/地階の王国/ひとかたの/かたけそう/おもいおもて/あとがき/御負け
- 第参巻 2001年6月25日 初版・ISBN 4-8402-1860-9
- つづらおれ/たちあがり/しおけぶり/みちいと/なかつぎ/がんどうがえし/しらかわよふね/まわりもの/あとがき
- 第四巻 2002年4月15日 初版・ISBN 4-8402-2090-5
- はまちどり/なみまくら/うずしお/むかしむかし/掻き散る事/つまおと/占め子の兎/破れ六方/あとがき
- 第五巻 2004年5月25日 初版・ISBN 4-8402-2672-5
- みになるはな/あさきめざめし(前編)/あさきめざめし(後編)/なかつぎ/ならずものうみをわたる/むかしなじみ/おにのこ/みつつぼ/つなぎ女/あとがき
- 第六巻 2005年6月25日 初版・ISBN 4-8402-3097-8
- ~まれびとのうた~
- 第七巻 2006年10月15日 初版・ISBN 4-8402-3596-1
- まれびとのうた/睦月/皐月/文月/神無月
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