島田雅彦
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島田 雅彦 (しまだ まさひこ、1961年3月13日 - ) は、東京都生まれで神奈川県川崎市育ちの、小説家である。近畿大学文芸学部助教授を経て、法政大学国際文化学部教授。
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[編集] 人物
自称「サヨク」。軽妙かつ不可解な、唯一無比の特異な文体が特徴で、随所に、読者を馬鹿にする捻くれたユーモアと、エスプリが散りばめられている、とも評される。 「村上春樹は下らないファンタジーだ」と、彼を全否定している。
文壇随一の美男子と言われており、脇役として映画に出演したことも何度かある。2007年には、初主演映画となる『東京の嘘』(井上春生監督)が公開される。
[編集] 来歴
1961年、東京に生まれる。1965年に川崎市に引っ越す。神奈川県立川崎高等学校を経て、1984年に東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業。冷戦の中で、ソ連に強く引かれたためロシア語を専攻した。
大学在学中の1983年、『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー。新世代作家の登場と注目を集める。芥川賞候補になるが、落選。以後、1984年に『亡命旅行者は叫び呟く』と『夢遊王国のための音楽』、1985年に『僕は模造人間』、1986年に『ドンナ・アンナ』、1987年に『未確認尾行物体』と、計6回候補になるが全て落選。これはなだいなだ、増田みず子と並ぶ、史上最多落選タイ記録である。島田を評価する人々は、「なぜこれ程の鬼才が受賞していないのか」「ミスジャッジを下した選考委員の罪は重い」と口を揃えて言う。島田に批判的な文藝評論家・福田和也ですら、島田の落選をいぶかしんでいるほどである。『文学賞メッタ斬り』でのトークショーの際、「選考委員で名前が‘や行’の人が手を回したらしい」と本人が発言している。
1984年に『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞を受賞。
1991年にソビエト、チベット、ケニア、ジャマイカと、世界各地を放浪。
1992年に夏目漱石の『こころ』のパロディとも言える『彼岸先生』で、泉鏡花文学賞を受賞。
詩のボクシング第4回・第5回世界ライト級王座決定戦で王者となる。
近年、大作『無限カノン』三部作を完成させる。『彗星の住人』を原作としてオペラ『Jr.バタフライ』が創作され、その台本を担当する。作曲は三枝成彰。2006年に『退廃姉妹』で伊藤整文学賞(小説部門)を受賞。
[編集] 著作
[編集] 小説
- 『天国が降ってくる』
- 『自由死刑』
- 『夢使い』
- 『忘れられた帝国』
- 『僕は模造人間』
- 『ドンナ・アンナ』
- 『未確認尾行物体』
- 『流刑地より愛をこめて』(文庫版では『やけっぱちのアリス』と改題)
- 『預言者の名前』
- 『彼岸先生』
- 無限カノン三部作
- 『彗星の住人』新潮社 ISBN 4106006677 2000年
- 『美しい魂』新潮社 ISBN 4103622059 2003年
- 『エトロフの恋』 新潮社 ISBN 4103622067 2003年
- 『溺れる市民』
- 『退廃姉妹』
[編集] 戯曲
- ルナ
- ユラリウム
[編集] オペラ台本
- ジュニア・バタフライ
[編集] 共著
[編集] 主な出演作品
- 『トパーズ』(1992年)
- 『るにん』(2005年)
- 『東京の嘘』 (2007年)
[編集] 関連人物
(知人、友人)