文の家かしく
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文の家 かしく(ふみのや かしく)は、落語の名跡。江戸と上方の二流あるが、2代目の死後は、いずれも空き名跡となっている。なお、上方初代は主に艶文亭かしくを名乗ったが、便宜上、この項に含める。
ちなみに、「かしく」は女筆で手紙の文末に書く決まり言葉で、「かしこ」と同じ。
[編集] 江戸
- 初代 文の家かしく(1859年 - 1923年3月1日)は、3代目春風亭柳枝の門。しゃっくり都々逸、音曲を得意とした。享年64。
- 2代目 文の家かしく(1898年5月28日 - 1980年2月22日)は、本名: 柳沢成行。初め5代目柳亭左楽門で柳亭喜楽、柳亭左鶴。後に2代目桂小文治門に移り、桂小文吾、桂やの治。1928年11月、2代目文の家かしくを襲名。1956年頃、文の家可祝に改字。初代同様に音曲を得意としたが、晩年は喉を潰し、専ら下座を務めたという。享年81。なお、漫才師で三遊亭柳枝の相方であった文の家久月は屋号、活動時期からして弟子であったと思われる。
[編集] 上方
- 初代 艶文亭かしく(1858年 - 1930年4月16日)は、後の2代目桂文之助。本名: 山田萬太郎。享年72。
- 2代目 文の家かしく(1883年 - 1962年10月25日)は、後の3代目笑福亭福松。本名: 山田福太郎。享年79。
[編集] 参考文献
- 『落語系圖』(月亭春松編)
- 『古今東西落語家事典』(平凡社、1989年)
- 『ご存じ古今東西噺家紳士録』(CD-ROM、APP、2005年)