日立の樹
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日立の樹(ひたちのき)は、日立製作所を初めとする日立グループを代表するCMソングである。視聴者には「この木なんの木」のフレーズで親しまれている(「この木なんの木」は、CMソングの別名でもある)。
本項では、それを使用しているテレビCM、および登場する木(モンキーポッド)についても記述する。
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[編集] 楽曲について

長期に渡って使用されている大樹「モンキーポッド」がよく知られているが、1973年の最初の「日立の樹」CMでは映像にアニメーションが採用され、また別の木をあしらったCMも存在する。現在のバージョンは9代目(楽曲のアレンジとしては3代目)だが、以前のバージョンは公式サイトである「日立の樹オンライン」で見ることができる。1989年10月21日にはCM曲の刷新にあわせて日本コロムビアからシングルCDとして発売された。一時期、日立製の携帯電話に着信メロディとして収録されていた事もあったが(au C407H・C451Hまで)、最近でもワンセグ放送対応のW41Hなどに収録されている模様だ。
日立グループをイメージする楽曲として、イベント等のパレードに日立が参加する際にも使用される。愛・地球博の日立グループ館の紹介映像にも、この日立の樹が使われた。日立の樹の中国語バージョンも存在する。
なお、メインスポンサーが日立製作所であるサッカーJリーグ・柏レイソルのサポーターは試合前に「この木なんの木」を歌うことがある(日立の樹のCMの最後にも「日立グループは柏レイソルを応援しています」と表記されている)。
[編集] CMソング『日立の樹』
- 作詞
- 伊藤アキラ
- 作曲・編曲
- 小林亜星
- 歌
- 朝コータロー、ヒデ夕木、シンガーズ・スリー(初代~6代目)
- ヒデ夕樹、朝礼志、杉並児童合唱団、伊集加代子、和田夏代子(7代目~8代目)
- INSPi(9代目)
- 初代CMは朝コータロー、2~6代目は朝コータローが1番、ヒデ夕樹が2番・3番を、7・8代目はヒデ夕樹がメインボーカルと推測される。
- 公式サイトでは楽譜が紹介されているが、これは初代~6代目までのキーであるイ長調によるもの。7・8代目は初代~6代目より長2度下げたキー(ト長調)に、9代目は逆に初代~6代目から短3度上げたキー(ロ長調)にそれぞれ移調されている。
- 8代目まではギターのみの伴奏による合唱曲だったが、9代目はア・カペラにアレンジが大きく変更されている。
- 椎名林檎や池澤春菜らの歌唱による音源も存在するが、CMへの使用やCD発売はされていない(一部のユーザによるファイル交換ソフトでの伝播により広まったらしい。椎名のものは1コーラス分の歌詞しか歌われておらず、おそらくスタジオライブの録音が出回ったものと思われる)。
[編集] 日立の樹
最も有名な「日立の樹」は、ハワイ・オアフ島にあるモンキーポッドの大樹である。ワイキキから車で30分ほどのホノルル国際空港に程近いモアナルア・ガーデン(Moanalua Garden)という公園にある。同公園には「日立の樹」と同種の木が多数ある。2006年現在、実際は個人所有地だが、無料開放され、CMの撮影場所やハワイの観光名所としてツアー客等が訪れる。2007年にも身売りないし州政府に移管される計画があったが、いまや日立のイメージブランドにもなっていることから、日立が公園を管理する地元企業と年間約40万ドル(約4800万円)で営業目的での独占的撮影権を締結した(ちなみに今までかかっていた年間の維持費は2000万円程度)[1]。この木は一つの大樹に見えるが、実際には複数の木が寄り添って大樹のように見えている。
- 種類:モンキーポッド
- 樹齢:約120年
- 高さ:25m
- 幅:40m
また日立の樹事務局によると歴代の日立の樹(マンゴー、バニヤンツリー、カリフォルニアオーク)は現在正確な場所は不明。
[編集] モンキーポッド
- 学名:サマネア・サマン
- 俗名:アメリカネム(合歓)、サマンの木、レインツリー(Rain tree)
モンキーポッドとは、猿がその実を好んで食べることから付いた名。podはえんどう豆などの「さや」の意味を表す英語である。 ネムノキに似た花をつけ、ネムノキ同様に光によって葉が閉じたり開いたりするため俗にアメリカネムとも呼ばれる(モンキーポッドはマメ目サマネア属、ネムノキはマメ目ネムノキ属)。主な産地は中南米、西インド諸島など。日の陰る雨降りの日には葉が閉じることから、レインツリー(雨降りの木)の異名もある。
日本でも栽培キットの入手が可能である。
[編集] 『日立の樹』CMが放映(された)している提供番組
- 日立ドキュメンタリー すばらしい世界旅行(日本テレビ):1973年4月 - 1990年9月
- 日立 地球トライアル(日本テレビ):1990年10月 - 1991年
- 紳助の日立地球トライアル(日本テレビ):1991年 - 1991年12月
- 日立 あしたP-KAN気分!(日本テレビ):1992年1月 - 1994年3月
- 投稿!特ホウ王国(日本テレビ):1994年5月 - 1996年12月
- 1億3000万人の投稿!特ホウ王国2(日本テレビ):1997年1月 - 9月
- だんとつ!!平成キング(日本テレビ):1997年10月 - 1998年3月(但し、「技術の日立の提供でお送りします(しました)」と言っていた。)
- 日立 世界・ふしぎ発見!(TBSテレビ):1998年4月 -
- HITACHI 3TOURS CHAMPIONSHIP 2005 IMPACT!(テレビ朝日):2005年12月10日
[編集] CMの歴史
[編集] 『日立の樹』の変遷
- 初代
- 2代目
- 3代目
- 4代目
- 5代目
- 6代目
- 7代目
- 8代目
- 9代目
[編集] CM曲の編集
TVCMでは15秒や30秒、60秒などと時間枠が決められており、CMソングを制作する際はその要請に応じてフルサイズとは別にそれぞれの時間に対応したTV用の音源が用意される。「日立の樹」も例外ではない。
「日立の樹」の歌詞には様々な形態があるが、公式サイトには4コーラスからなる形がフルコーラスとして提示されており、ここでは各コーラスの歌詞の配列はこれに準拠する。
オリジナルの「日立の樹」は1973年4月24日に録音され、初代のCMには4番のみの30秒用が、2代目から6代目までは1番、2番、4番からなる60秒用の音源が使用された。
7、8代目では、Bメロやサビ、間奏などを含んだ新録音のフルサイズ音源からイントロと1番、3番、2番(繰り返し)に相当する部分、そしてコーダの末尾をそれぞれ抜き出して編集したものをTV用音源とした。現在のCMで間奏部分が聴けるものは存在しない。
9代目では、歌詞が16年ぶりにオリジナルの60秒用の形態に回帰した。
[編集] ナレーションの変遷
- 初代
- 「みんなが集まって、みんなが持ち寄って、新しい物を作ろうと思っています。あなたを取り巻く問題が、日立のテーマです。」
- 2~4代目
- 「みんなが集まって、みんなが持ち寄って、新しい物に取り組んでいます。『今日』が、日立のテーマです。」
- 5代目
- 「みんなが集まって、みんなが持ち寄って、新しい物に取り組んでいます。システムで考える日立グループです。」
- 6代目~2000年5月末
- 「みんなが集まって、みんなが持ち寄って、新しい物に取り組んでいます。システムとエレクトロニクスの日立グループです。」
- 2000年5月末~
- 「人に、社会に、次の時代に、新しい風を吹き込んでいきます。Inspire the Next 日立グループです。」
歌詞・楽譜や歴代CMの動画は、外部リンクの「日立の樹オンライン」を参照。
[編集] 関連項目
- 日立キドカラーの歌(同様に小林亜星の作曲による。日立製品の販売促進目的で作成されていた曲)