月下の棋士
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月下の棋士(げっかのきし)はビッグコミックスピリッツで連載していた能條純一の漫画作品。監修は河口俊彦。テレビ朝日系列でドラマ化もされた(2000年1月17日-3月13日放送。月曜ドラマ・イン最終作品)。
目次 |
[編集] 概要
将棋漫画ではあるが、普通に対局しながら最終局図をあぶり出しのように駒で絵を表現するなどの荒唐無稽な面が見られる。又、漫画の対局は実際のプロ棋士の対局の棋譜が元になっている。対局中に吐血したり、小便を漏らしたり、死亡したりと現実の将棋界にはありえない描写と、あまりにも強烈で個性的な棋士達の印象深い台詞で読者を惹きつけてやまない。タイトルは基本的に名人戦しかないが、早指し選手権やお好み対局なども行われ、又、一度だけであるが王竜戦というタイトルが創設された事がある(モデルは竜王戦)。しかし氷室が初代王者となった後、2回目以降も行われた旨のことが記載されていないことや、第1期において初代王竜が不祥事により除名寸前までいったこと、この後に予定されていた名人×王竜戦が公式に実現しなかったこと等の運営責任のこともあり、消滅したものと思われる。 「将棋って勝つことだけがすべてじゃないんだよね」という名言も生まれた。 順位戦や三段リーグにおいては、主人公以外の棋士の降級・残留・プロ昇級などの葛藤が描かれている。
テレビドラマ版ではアニメのドラえもんにて主人公役の森田剛が本人役で宣伝をした。
[編集] あらすじ
子どものころから高知で祖父と将棋を指していた氷室将介が上京し、宿命のライバル滝川幸次名人との対局、勝利をめざす。
[編集] 登場人物
登場人物の多くは、実在の棋士をモデルとしているとされる。ただしデフォルメによるあまりにも強烈なキャラクターなため、当然本人達とのイメージとはかけ離れている。カッコ内はドラマでの俳優。
- 氷室将介(演・森田剛)
- 高知出身の将棋棋士。幼少から祖父・御神三吉と将棋を指していた。上京して名人位をめざす。服装は常に帽子をかぶり、ラガーシャツにジーパン。洗濯していない可能性もある。性格は豪快で目上の人物であろうが呼び捨て・暴言を堂々と吐く。このような態度のため、将棋会で多くの者に疎まれ、孤立した存在となっている。初手に端歩を突くのが特徴(この戦法は昔、祖父御神三吉が村木武雄との対局時に使用したもの。その対局は初手は端歩の時点で村木が激怒し無効対局とされた)。また、対局途中で盤面の最終図までを一気に読みきる『猖獗』(しょうけつ:静かに荒ぶるの意)を使う。ただしこの技は著しく体力を消耗し命の危険すらある。書類上の師匠は虎丸竹千代。後に初代王竜となる。名前の元ネタは氷室京介。風貌や性格はオリジナルだが、その圧倒的強さや対局中のオーラは羽生善治を取材した時のカルチャーショックを元にしている。原作版最終回(10年後の世界)では、名人として、大原巌の孫、鉄太を挑戦者に迎え対局を行う。
- 滝川幸次(演・田辺誠一)
- 神戸出身。史上最年少名人。圧倒的な強さを誇る。将棋の神が名人を選ぶという考えを持つ人物であったが、後に自身が『名人』という唯一の生物・"神"になろうとした。名人位を獲得してからは特に奇行や突飛な発言が目立つ「変人」として描かれ、周囲をやきもきさせることもしばしばである。滝川と氷室との運命的な対決が、この漫画のテーマである。師匠は村木武雄。モデルは谷川浩司。
- 大原巌(演・中尾彬)
- 十五世名人。日本将棋連盟会長。長年にわたり名人に君臨し続けていた将棋会の巨人。棋風は「受けの大原」と呼ばれるほど受けの名手で、名人戦で滝川と戦った時も絶妙の受けで滝川を追い込んだ。また盤外戦も得意とし、対局相手の動揺を誘うような発言を行う。病気を患っている。モデルは大山康晴、一部に中原誠も含まれると思われる。ドラマでは石丸と関係を迫ろうとする。氷室との対局中に容態が悪化し死亡。原作版では鉄太という孫がおり、角の駒とともに祖父の棋風を受け継いだ鉄太が巌の死から13年後、名人となった将介に挑んでいる。
- 村木武雄(演・仲谷昇)
- 十四世名人。滝川幸次の師匠。かつて御神三吉と名人位を争い勝利した。物語開始の時点ではすでに引退し、神戸市御影で妻と隠棲している。記念対局で御神と対局したときの御神の「初手端歩」に対局後も怯え続け、徐々に精神が破綻。滝川幸次の名人位獲得は自分が名人も同じと考え、滝川を支配し続けようとする。モデルは木村義雄。
- 佐伯宗光
- 横浜出身。新人類といわれるコンピューター少年で学生にしてプロという天才棋士。師匠は古葉健。将棋はあくまでも「ゲーム」でありその人物の感情や気迫、生き様等は無意味と考えている。氷室に執着しており、氷室が滝川との対局のことしか考えていないことに激しく嫉妬している。モデルは佐藤康光。
- 刈田升三(演・寺田農)
- 東京出身。実力制第四代名人。A級棋士。かつては御神三吉に師事していた。「プロは勝ちこそがすべて」という大原の理念に真っ向から反する「プロは面白い手を指してナンボ」という理念を持つ。禁煙を公言しながらもタバコを吸い続けたり、引退すると言いながらまったくしない等、非常に人間臭い男。モデルは升田幸三。本作登場人物の中でもっともモデルに近いとされている。作中の終盤で、氷室の実父であることが明らかになる。
- 鈴本永吉(演・高嶋政伸)
- 北海道出身。師匠は刈田升三。三段リーグにて氷室・幸田と昇段争いを繰り広げるが惜しくも昇段ならず、三段止まりで奨励会を退会。その後も将棋を続け、アマチュア名人になる。モデルは鈴木英春。
- 大和岬(演・雛形あきこ)
- 唯一の女性棋士(女流棋士ではなく、正式の棋士。ただし本編では「女流棋士」と表記されている)。父は真剣師の小池十兵衛。養父は大和天空。幼少期から真剣師である父の後ろから父の対局を見守り続けるが、父が少年時代の滝川幸次に敗れた後、大和天空に養女に出される。自分に異常な愛を求めてくる大和天空や、自分の人生を狂わせた将棋を憎んでいる。この状況を救ってくれるのは氷室であると考えており、氷室に父親の姿を重ね、愛するようになる。対局に勝利すると、対局相手から戦利品を奪い取るのが趣味。氷室将介からは氷室自身を得ようとした。後に、ある男性と結婚して将棋連盟を退会。モデルは高橋和(?)。
- 御神三吉(演・高松英郎)
- 氷室の祖父。氷室と似て豪快な性格で「棋界の暴れん坊」の異名をとっていた。名人位に挑戦し、名人位まで後一歩だったことがある。その対局中、アクシデントから村木名人に「目隠し将棋」を挑むが、村木名人の策略にはまり屈辱的な負けをする。その後に行なわれた記念対局で村木武雄に「初手端歩」を指すが、これに村木が激怒し、後に将棋連盟から除名処分を受け、故郷の高知に戻る。この「初手端歩」は孫の氷室将介に受け継がれる。モデルは阪田三吉。
- 石丸千代子(演・川島なお美)
- 氷室が居候している将棋クラブのオーナー。ドラマオリジナルキャラクター。
[編集] スタッフ
- 原作:能條純一(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
- 脚本:尾崎将也
- 音楽:寺嶋民哉
- 原案協力:笹原博、安達健裕、坪内崇 (小学館「ビッグコミックスピリッツ」編集部)
- チーフプロデューサー:桑田潔(tv asahi)
- プロデューサー:杉山登(tv asahi)、遠田孝一(MMJ)
- 協力プロデューサー:東城祐司(MMJ)、両沢和幸
- 演出:塚本連平、小松隆志(MMJ)、六車俊治(tv asahi)
- 製作:tv asahi・MMJ
- 主題歌
テレビ朝日系 月曜20時枠 | ||
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