本四備讃線
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本四備讃線(ほんしびさんせん)は、岡山県倉敷市の茶屋町駅から瀬戸大橋を渡り、香川県綾歌郡宇多津町の宇多津駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)・四国旅客鉄道(JR四国)の鉄道路線(幹線)である。
宇野線・予讃線の一部を合わせた岡山~高松間に瀬戸大橋線の愛称がつけられている。
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[編集] 路線データ
- 管轄・路線距離(営業キロ):全長31.0km
- 軌間:1067mm
- 駅数:6駅(JR西日本5駅、JR四国1駅。起終点駅含む、JR四国は児島駅除く)
- 複線区間:全線
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:複線自動閉塞式
- 最高速度:茶屋町~児島間は120km/h
- 運転指令所:
- 茶屋町~児島間 岡山輸送指令室
- 児島~宇多津間 高松指令所
※瀬戸大橋橋上の鉄道施設は日本高速道路保有・債務返済機構が所有しているが、鉄道事業法第59条の規定で同機構は第三種鉄道事業者として認定されておらず、四国旅客鉄道が第一種鉄道事業者となる。
※西日本旅客鉄道が保有する区間は同岡山支社の直轄である。岡山支社管内で独自に設定されているラインカラーは青(宇野線と共通)。
[編集] 概要
1988年に開通した6つの橋梁からなる瀬戸大橋を渡り本州と四国を結ぶ。瀬戸大橋は道路(瀬戸中央自動車道)との併用橋となっており、本四備讃線は道路の下部を通る。アプローチ区間は本州側が高架とトンネル、四国側が高架線となっている。四国側橋梁下には工場が立ち並んでいるのに対し、本州側橋梁下には人家が立ち並んでいる。そのため本州側橋梁を通過する際は、騒音を抑えるよう速度を落として運行している。 JR四国の内部規定では、一部区間を除き風速が30m/s以上になると列車の運転を見合わせるとしているが、海上を走行することから、瀬戸大橋上での風速規制値は25m/s以上と厳しくしている。瀬戸大橋に設置されている風速計は信号機と連動しており、風速規制値を検知すると自動的に信号機は停止信号を現示し、風が弱まるまで列車を一時安全な場所に停車させる。また、閉塞信号機の配置によって、橋上に3列車以上(同じ橋の同じ線路に列車があること)入れないようになっている。
瀬戸大橋の各橋梁は4線分の線路が通せるようになっており、中央部の2線を本四備讃線が使用しているが、計画中の四国横断新幹線が建設されることになれば、さらに2線が増設され西側2線を新幹線、東側2線を在来線の本四備讃線が使用する予定である。
[編集] 運行形態
本四連絡列車として以下の列車が運行されている(定期列車のみ掲げる)。
- 特急「しおかぜ」:岡山~伊予西条・松山・宇和島間
- 特急「南風」:岡山~高知・中村・宿毛間
- 特急「うずしお」:岡山~徳島間
- 寝台特急「サンライズ瀬戸」:東京~高松間
- 快速「マリンライナー」:岡山~高松間
- 普通:岡山~観音寺・琴平間
本四備讃線の終点は宇多津駅だが、高松方面と直通する快速マリンライナーは、宇多津駅構内にある短絡線(通過線)を通って坂出駅方面と行き来するため宇多津駅のホームは経由しない(ポイントは多度津方にスルーしているので、速度制限がかかる)。但し、特急うずしおは岡山~宇多津間で特急南風と併結運転するため、宇多津駅ホームを経由する。運賃はいずれの場合も宇多津経由で計算される。
[編集] 歴史
瀬戸大橋開通に先立ち開催された「瀬戸大橋博覧会」(1988年3月20日~8月31日)の観客輸送のため、児島駅以北を先行開業している。
瀬戸大橋架橋の経緯については瀬戸大橋および本州四国連絡橋を参照のこと。
- 1988年(昭和63年)3月20日 茶屋町~児島間開業(西日本旅客鉄道・第一種鉄道事業)。
- 1988年(昭和63年)4月10日 児島~宇多津間と坂出への短絡線が開業(四国旅客鉄道・第一種鉄道事業)。与島にて瀬戸大橋開通式を開催。
[編集] 駅一覧
茶屋町駅 - 植松駅 - 木見駅 - 上の町駅 - 児島駅 - 宇多津駅
- 瀬戸大橋線も参照