林義郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

林義郎（はやしよしろう、昭和2年（1927年）6月16日 - ）は、日本の政治家、自由民主党衆議院議員。第1次中曽根内閣の厚生大臣、宮沢改造内閣の大蔵大臣を歴任した。祖父の林平四郎は醤油製造を営む商家に生まれ、衆議院議員、貴族院議員等を務めた。父の林佳介は実業家で日本進歩党の衆議院議員を務めた。長男の林芳正は自民党参議院議員である。妻、万里子の祖父は初代宇部興産社長の俵田明。

[編集] 来歴・人物

山口県下関市貴船町出身。旧制第一高等学校を経て、昭和25年（1950年）東京大学法学部を卒業。同年通商産業省に入省する。通産省では、通産大臣秘書官、官房審議官、通産省重工業局産業機械課長を歴任。

昭和44年（1969年）に通産省を退官し、同年末の第32回衆議院議員総選挙に自由民主党公認で旧山口1区から立候補し当選。以後当選回数11回。田中派に所属し、経済企画政務次官、大蔵政務次官、自民党経理局長などを経て、昭和57年（1982年）第1次中曽根康弘内閣の厚生大臣として入閣する。林は、国際金融政策を中心に自民党内有数の政策通として知られていた。一方で田中派内の竹下登、金丸信らとは、通産官僚出身ということもあり肌合いの違いもあり、宮沢喜一が派閥横断的に組織した政策集団・平河会に参加し事務局長を務めた。田中派分裂に際しては、竹下、金丸と袂を分かち二階堂グループに参加している。

平成元年（1989年）、宇野宗佑首相が第15回参議院議員通常選挙に敗北した責任を取って退陣すると、後継総裁選挙に平河会のつながりから宏池会の支持を得て立候補し120票を獲得した。その後、二階堂グループ消滅後、宏池会に参加した。海部俊樹内閣では衆議院税制改革特別委員長、宮沢内閣で衆議院国際平和協力特別委員長にそれぞれ起用された。

平成4年（1992年）、宮沢改造内閣で大蔵大臣に就任。その後は、自民党税制調査会の幹部として、小委員長、税制調査会長を歴任し、いわゆるインナーの一人として自民党税調に影響力を維持した。また、小選挙区比例代表並立制が導入されて以後は、安倍晋三と調整の上、比例代表中国ブロックから選出された。

平成12年（2000年）勲一等旭日大綬章を受章する。平成15年（2003年）の第43回衆議院議員総選挙には立候補せず、政界を引退した。