横山ホットブラザーズ
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横山ホットブラザーズ(よこやま ほっとぶらざーず)は、お笑い芸人グループ。ケーエープロダクション所属。
ダイマル・ラケット、いとし・こいしに始まる「しゃべくり」を基本とした漫才が大勢を占める現在、楽器を用いた「音楽(音曲)漫才」を行っている数少ないグループの一つである。
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[編集] メンバー
現在は三兄弟で演奏している。
- アキラ(1932年8月7日 - ) - 大阪府出身。ミュージックソー・ギターを担当。ただし、殆どはギターを叩いて音頭を取ったりするくらいで、きちんと弾くようなことは滅多にない。
- マコト(1934年6月19日 - ) - 兵庫県出身。アコーディオンを担当。
- セツオ(1946年4月3日 - ) - 愛媛県出身。エレキギターを担当。
同じ横山姓である横山エンタツや横山ノックらが彼らの師匠であると思い込んでいる者もいるが、エンタツ・ノックの横山は芸名で、ホットブラザーズの方は本名。したがって彼らに師弟関係はない。
[編集] 略歴
- 1954年 - 結成。当時のメンバーはアキラ、マコトと、二人の父・東六、弟子のレイジ。
- 1971年 - 第6回 上方漫才大賞 奨励賞受賞。
- 1974年 - 東六からセツオにメンバー変更、現在のメンバーに。
- 1985年 - 第9回 日本パロディ展 優秀賞受賞。
- 1991年 - 第20回 上方お笑い大賞 審査員特別賞。
- 1994年 - 第29回 上方漫才大賞 審査員特別賞受賞。
- 1996年 - 平成8年度 第51回 文化庁芸術祭 大賞受賞。
[編集] ネタの特徴
- 初めと締めは「歌って笑ってホットブラザーズ~♪」で締める。
- 出だしのネタは固定で、マコトが歌を唄い、アキラがそれに「ヤッコラマタ、ドッコイマタ」と頬を痙攣させるような唄い方で合いの手を入れるが、徐々に合いの手の声と顔の動きが大きくなってマコトの歌を食ってしまい、マコトが「やかましわい!」とツッコミをいれて中断させるというものである。
- そのあとは、掛け合い~歌合戦系のネタと、楽器演奏系のネタに分かれる。
- 通常の掛け合いの部分はそのほとんどがアキラとマコトの間で行われる。基本的にはアキラがボケ役、マコトがツッコミ役である。セツオが絡むことは多くない。セツオが絡む場合は、セツオがツッこむが、さらにそれにアキラとマコトがツッこむという役割になる。アキラとマコトにセツオがいじられ、会話から弾き出される、というパターンが多い。
- 歌合戦系のネタの場合は、何かのテーマ(季節ネタや時事ネタ、地方巡業の場合はご当地ネタなど、演じる場にあったテーマが選ばれる)に沿った歌を互いに出し合うという形と、しりとりなどで歌をつないでいくという形があり、この場合、マコトが仕切り役となり、アキラとセツオが対戦、という役割になることがほとんどである。テーマ型の場合、最初は普通にテーマに沿った歌を唄うが、対戦が進むにつれて語呂合わせだけの歌やむりやりにひねった歌を出し、最終的に破綻するというパターンが多く、しりとり型の場合は、マコトが、セツオにはわりとやさしく、アキラには難しくなるように仕切っていき、アキラが苦し紛れに出す歌にマコトがツッこむ、というパターンが定番である。どちらの型も、マコトによるツッコミにアキラがオチをつけて下げとなる。
- 楽器演奏系の場合は、のこぎりなど、通常では楽器として利用しないものを使っての演奏を披露する。楽器の種類や演奏方法については後述する。こちらのネタの場合は、観客もネタ運びというよりは、彼らの楽器演奏の芸を楽しむことになる。
[編集] 使用楽器
- ミュージックソー(のこぎりの形をした楽器)
- 大工が使用する木材を切るためののこぎりではなく、あくまでも演奏用の楽器である。横山ホットブラザーズの場合は、椅子に座り、取っ手の部分を太ももではさんで固定し、先端を左手で持ち、右手に持ったバチで叩くことによって音を出す。普通に叩くと「バンバン」としか鳴らないが、叩き方を工夫すると打音とともに「びょぉ~ん」という音が鳴る。左手の操作で音程の操作ができる。操作者はアキラで、7拍叩いて「お~ま~え~は~ア~ホ~か~」と聞かせるギャグと、マコトのアコーディオン、セツオのギター伴奏によって「荒城の月」を演奏するという2つの芸がある。特に「おまえはアホか」については「横山ホットブラザーズといえばコレ!」とすぐに連想できるほどの認知度を誇る。欧米でもこのタイプののこぎりで音楽を演奏する方法は存在するが、バイオリンのように弓で弾いて音を出すのが一般的で、叩いて音を出す方法を持ち芸としているのは世界でも横山ホットブラザーズだけである。関ジャニ∞の横山裕はこの技を直伝で教えてもらい、見事習得した。
- 地方の余興に出演するために飛行機に搭乗しようとしたところ、所持していたミュージックソーが空港の金属探知機に引っかかったことがある(「月亭八方の楽屋ニュース」で暴露された)。
- ちなみに「おまえはアホか」を音声認識式のコンピュータに入力すると、何故か「米陸軍」と出る(『探偵!ナイトスクープ』の小ネタより)。
- 箒とはたき
- 家庭用の竹箒とはたきであるが、箒の柄の部分には弦、モップには弓が張ってあり、バイオリンのように演奏する。また、箒の柄の先には吹き込み口と穴があいており、フルートのように演奏できる。操作者はアキラがバイオリン部、マコトがフルート部で、セツオのギター伴奏で「お手々つないで」を演奏する。
- ガラクタパーカッション
- 子供用のおもちゃの木琴を中央にして、周りに左からうちわ太鼓、ひしゃく、ちりとり、ホーン、小型のフライパン、などを装備したパーカッションセット。操作者はマコト。小さいため台が必要だが、舞台には台がないので、アキラを座らせて肩と頭部に乗せて演奏する。この場合のアキラはクラリネットを吹く。セツオのギターの伴奏で「ドレミの歌」を演奏する。楽器演奏のネタの場合、たいていはこれが最後のネタとなる。「♪シは幸せよ、さあ唄いましょう…」の後でこれをマコトが乱打して、台のアキラが「えーい、うるさい!」とこのセットを放り出して下げとなる。
[編集] 以前使用していた楽器
- 壊れるヴァイオリン
- 父・東六のネタ。モーニング姿でヴァイオリンを持ち、舞台に登場。「これは辻久子の持っているヴィバルディよりもさらに高い・・・」という前振り後、弾き始める。マコト、アキラが「うるさい」とヴァイオリンを叩くと、ネックが根元から折れて泣きながら舞台を降りる。言うまでもなく、ネックは最初から根元が固定されていない。
[編集] トピックス
- 2005年11月現在、NHKラジオ第1放送の番組『上方演芸会』に170回超出演しており、現役のコンビ・グループとしては最多の出演回数を誇る(史上最多は夢路いとし・喜味こいしの230回超)。
[編集] 出演番組
- 上方演芸会(NHKラジオ第1放送) - 3~4ヶ月に1度の割合で出演。
- 笑点(日本テレビ系列) - 不定期で出演。
- バラエティー生活笑百科(NHK大阪放送局)
- ホットのしゃべって当てましょう(毎日放送ラジオ) - 放送終了。
[編集] 外部リンク
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