橘家圓蔵 (8代目)
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8代目橘家 圓蔵(1934年4月3日 - )は、東京都江戸川区平井生まれの落語家。1970-1980年代の大スター。本名は大山 武雄(おおやま たけお)。概ね1960年代以前に生まれた人には前名の月の家円鏡(つきのや えんきょう)で知られていることが多い。出囃子は『虎退治』。
- 1953年 - 紙芝居の職業を体験後、4代目月の家圓鏡(7代目橘家圓蔵)に入門。大師匠8代目桂文楽(黒門町)の薫陶も受ける。前座名は橘家竹蔵。
- 1955年 - 二つ目昇進。橘家舛蔵と改名。
- 1965年 - 真打昇進。5代目月の家圓鏡を襲名。立川談志、三遊亭圓楽、古今亭志ん朝(故人)とともに、落語四天王とも呼ばれた。
- 1982年 - 8代目橘家圓蔵を襲名。
圓鏡時代、演芸ブームで脚光を浴び1970年代から1980年代を中心に活躍。別名「ヨイショの円鏡」。その名のとおり徹底的に明るく面白い芸風で、知名度は抜群。お座敷(お旦を前にしてヨイショで稼ぎまくっていた)のみならず、テレビ、CM、ラジオで大活躍。一週間のうち、円鏡の声が聞こえない日はなかったほど。
なぞかけを得意とし、TBSテレビ「お笑い頭の体操」、テレビ朝日「日曜演芸会」、文化放送「午後2時の男」、ニッポン放送「お昼だヨイショ」「円鏡(圓蔵)のハッピーカムカム」「円鏡(圓蔵)の歌謡曲一直線」等マスコミで一躍人気の落語家になる。得意のなぞかけから円鏡宅の表札をめくると、「そのココロは?」と書いてあるとも噂された。頭の回転が早く、特になぞかけでもクイズでも答えるのが早く、その才能を惜しみなく発揮し「早いのが取り柄 月の家円鏡」の名セリフでも有名。「早いと言えば円鏡か新幹線か」とも賞賛された。
兄弟子にあたる林家三平が「ヨシコさん」で売ったのに対抗し、愛妻の節子夫人をネタにした「ウチのセツコが」というフレーズが大いにウケた。また、立川談志との当意即妙、いやその域を遥かに越えたイリュージョン的世界観に渡る掛け合いぶりで湧かせた「談志・円鏡歌謡合戦」(ニッポン放送)は今や伝説的番組となっている。
圓蔵襲名後の現在は寄席を中心に活躍し、6代目月の家圓鏡をはじめ多数の弟子を抱える大御所的存在である(この一門は本人にちなんで「ヨイショの一門」と呼ばれている)。とにもかくにも、現在でも当意即妙のマシンガントークでただ早口なだけでなく内容があり面白い点については、名人を超えた域に達している。
落語のみならず、かつての「エバラ焼肉のたれ」(エバラ食品工業)や「メガネクリンビュー」(タイホー工業)のCMキャラクターとしても、お茶の間に知られている。
得意ネタは火焔太鼓、堀ノ内、反対俥、大山家の人々(自作)など。
[編集] 外部リンク
- 八代目・橘家圓蔵プロフィール - 社団法人・落語協会のサイト