橘高文彦
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橘高文彦(きつたか ふみひこ、1965年12月27日 -)は、大阪府枚方市出身のギタリスト、作曲家、音楽プロデューサーである。
1984年にヘヴィメタルギタリストとしてデビューし以後様々なバンドを渡り歩く。現在加入し活動しているバンドは、筋肉少女帯、X.Y.Z.→A、大槻ケンヂと橘高文彦(ユニット)の3組である。 家族構成は妻と3人の男児の4人家族である。実兄の橘高正彦は競技麻雀のプロ雀士である。
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[編集] 来歴
- 1984年、当時18歳の橘高文彦はバンド名を「AROUGE(アルージュ)」と改名し、ギタリストとしてメジャーデビューする。デビューアルバム「AROUGE ~暴逆の貴公子~」においてはギタリストとしてのみならずセルフプロデュースも行った。
- 1986年、「AROUGE」解散。
- 1989年、音楽スタジオにてアルバイトしていた頃、当時の中核メンバー三柴理とサポートギタリスト横関敦の両名が脱退し一時的に活動を休止していた「筋肉少女帯」ボーカルの大槻ケンヂから電話にて加入の誘いを受ける。オーディションを経て第22期メンバーとして加入。当初橘高文彦はピアニストの三柴理と共にプレイ出来ると思っており、脱退したのが三柴理本人とは知らなかった。後に「三柴君と一緒にやれると思ってたら、彼が辞めちゃって」と語っている。その後在籍期間中は編曲と共にサウンドプローデュースも行い、バンドの発展に貢献する。
- 1994年、ソロ活動に際し、バンド「Euphoria(ユーフォリア)」を結成。ユニバーサルビクターよりアルバム1枚をリリースした。
- 1999年、前年にドラマーの太田明が脱退をした事、リーダーの大槻ケンヂがメンバーの一新により新たな活動をしたい旨を告げた事などを受けて脱退を決意。5月17日、脱退を表明した。橘高文彦は「死ぬまで筋肉少女帯にいたかったが、大槻が新しいギタリストを望んでいるから」とコメントを残す。
- また「筋肉少女帯」から脱退する直前に二井原実、和佐田達彦、ファンキー末吉と共に、ヘヴィメタルバンド「X.Y.Z.→A」を結成。脱退後は「X.Y.Z.→A」に身を置き、こちらでもギタリスト、サウンドプローデューサーとして活動する。なお脱退後も大槻ケンヂらとは交流があり、大槻のバンド「特撮」とは対バンライブを行ったりもしている。(「イワンのばか」など筋肉少女帯時代の曲をセッションして披露している)
- 2005年、デビュー20周年を記念してソロプロジェクトを始動。記念アルバム「NEVER ENDING STORY」をリリース。このアルバムは橘高が過去及び現在までに在籍したバンドのボーカル二井原実、大槻ケンヂなどがゲストとして顔を揃え、最後の曲「THANK YOU 」では自らボーカルを行った。
- 2006年、大槻ケンヂと共に「大槻ケンヂと橘高文彦」の名でユニットを結成し、シングル「踊る赤ちゃん人間」をリリース。レコーディングとその年の7月に行ったライブにて念願の三柴理と競演を果たした。またライブのゲストに筋肉少女帯メンバーの内田雄一郎と本城聡章が登場。筋肉少女帯再結成を宣言し、大槻ケンヂと共に再加入を果たす。なお「大槻ケンヂと橘高文彦」は当初期間限定のユニットかと思われたが、現在でもライブを開催したり、イベントなどに参加してはアンプクラウド形式のライブを行っている。
[編集] 人物
音楽面ではクイーン、キッス等のロックバンドやマイケル・シェンカーと言ったギタリストから影響を受けている。またレコーディングやライブではギブソン社が販売しているエレクトリックギター「フライングV」をメインに使用しているが時には台にセットした12弦ギターなども使用する(90年代初期にはジャクソン社のランディV、X.Y.Z.→A加入後にはキャパリソンの橘高文彦モデルのフライングVを使用している)。また筋肉少女帯の4thアルバム「サーカス団パノラマ島へ帰る」ではマンドリンを弾いている。
ギターの腕に関しては卓越したテクニックを持っており、本人曰く「お城を立てる」ような様式美に溢れたギターソロには定評がある。橘高の作曲はファンの間でも人気が高く、特に「詩人オウムの世界」、「イワンのばか」、「再殺部隊」の3曲が人気が高い。また「詩人オウムの世界」は筋肉少女帯加入前に作曲した曲で橘高自身にとっては思い入れがある曲で、いつもギターソロはアドリブで弾いている橘高はこの曲だけはきちんと譜面に起して弾いた、と語る。
衣装に関してはロングブーツに網タイツなどに加え、エナメルやフリルをあしらったゴシックロリータに似た衣装を着用している。しかしある日ライブの打ち上げで居酒屋で飲み会をしている最中、「橘高さんは靴下がダメです!」とファンの子に指摘された。また筋肉少女帯時代、ライブ中にメイクが崩れると、大槻の長いMCの最中に舞台の裏にサッと戻り楽屋で直していた。
一時期、大槻ケンヂ同様ノイローゼに悩まされ、レコーディングやインタビューの待ち合わせ時間に一時間程遅刻するなどの行動が目立った。精神的に限界に達しメンバーに迷惑をかけていけないと思い脱退を決意しメンバーに述べたが、メンバーから引き止められ、「一頑に頑張ってやろうぜ」と励まされ留任。
常々「ロックとは何か?」と自問自答などしており、よくメンバーにロックについて語っている。しかし大槻はこの事を疎ましく感じていたらしく、ライブの打ち上げで大槻とベースの内田雄一郎が漫画「アストロ球団」について語っていたところ、険しい顔した橘高が近づいてきて「君達!!ロックの話しをしろー!!」と叫び激怒した事件は2人を唖然とさせた。後日、楽屋で橘高が内田と共にファミコンソフトについて語っていたところ、目撃した大槻にすかさず同じセリフを言い返されたという。
またライブ中、大槻がぬいぐるみをグルグルと振り回すパフォーマンスをした際、終了後に橘高は「ロックとは思えないから止めてくれないか?」と注意した。この事を予測していた大槻は「これは俺のロックとしての表現だ」と言いくるめ、橘高は腑に落ちないものの納得させられる。後日橘高は大槻に「今度はコレを振り回したら?」と別のぬいぐるみをプレゼントした。(この事は1998年に発行した大槻のエッセイ集「わたくしだから」に記載されている。)
筋肉少女帯脱退後に「X.Y.Z.→A」に身を置きギタリストとして活動していく決意表明として、トレードマークだった金髪のロングヘアーを、黒髪のストレートヘアに変えボーカルの二井原実を驚かせた。
余談ではあるが、大槻の対談集「猫対犬」にてヘヴィメタルバンド「陰陽座」のリーダー瞬火は筋肉少女帯のファンで、中でも橘高が加入した後期の作品が好きだと語っており、その際大槻は「俺が猛烈に歌が巧くて、橘高がリーダーだったらは筋少はメタルバンドになっていた」と述べた。
[編集] ディスコグラフィー
筋肉少女帯在籍時代の作品は筋肉少女帯#全作品リスト、X.Y.Z.→Aでの作品はX.Y.Z.→A#ディスコグラフィと、それぞれ参照の事。
[編集] シングル
- SLEAZY LUSTER (1983年自主制作カセットテープ)
- 後にアルバム「AROUGE ~暴逆の貴公子~+11 RARE TRACKS」に収録
- ボヨヨンロック(「まんが道」シングル) (1989年4月25日)
- 大槻・内田のユニットを「ボヨヨン一号」の名でサポート。ニ号が本城、三号が大田。全員が筋少メンバーである。
- 踊る赤ちゃん人間 (「大槻ケンヂと橘高文彦」名義) (2006年7月20日)
- アニメ「N・H・Kにようこそ!」エンディングテーマ。
[編集] アルバム
- AROUGE ~暴逆の貴公子~ (1984年11月)
- Euphoria (1994年12月16日)
- AROUGE ~暴逆の貴公子~+11 RARE TRACKS (2004年12月24日)
- 「AROUGE ~暴逆の貴公子~」にリマスタリングを施し、ボーナストラックを付け2枚組にして再販売。
- NEVER ENDING STORY (2005年1月16 日)
DVD
- SACRED GARDEN ~FUMIHIKO KITSUTAKA'S EUPHORIA LIVE~ (2004年12月24日)
- 橘高文彦直伝 ハードロック・ギターの極致 (2004年)
- ギター教則DVD。
- 大槻ケンヂと橘高文彦ライブ ザ・仲直り!~そしてその後の展開は?~筋肉少女帯 復活!? (「大槻ケンヂと橘高文彦」名義) (2006年10月27日)
[編集] 書籍
- 橘高文彦魅惑のハードロックギター (1990年 立東社)
- 100%橘高文彦 (1996年 シンコーミュージック)
- 現在この2冊は絶版のため復刊ドットコムにて復刊のリクエスト投票がなされている。
[編集] 参加
- HEAVY METAL GUITAR BATTLE Vol.1(松本孝弘&松川敏也&北島健二&橘高文彦)(1985年4月21日)
- M7「FALCOM」、M8「JUSTICE OF BLACK」に個人名でギターとして参加。
- I STAND HERE FOR YOU(大槻ケンヂソロアルバム) (1995年8月23日)
- M2「モンブランケーキ」、M10「天使たちのシーン」に個人名でギターとして参加。M6「FOOLISH GO-ER 」にはEuphoriaとして参加している。
[編集] 参考文献
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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