熱力学・統計力学の年表
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- 1761年 - ジョゼフ・ブラックが、氷は融解する間熱を吸収しても温度を変えないことを発見する。(潜熱の発見)
- 1798年 - ランフォード伯爵(ベンジャミン・トンプソン) が熱はエネルギーのひとつの形であるという着想を得る。
- 1810年 - ジョン・レスリーが人工的に水を凍らせた。
- 1822年 - ジョゼフ・フーリエが、著書『熱の解析的理論 (Théorie Analytique de la Chaleur)』で、物理量の次元の利用を取り入れる。(次元解析)
- 1824年 - サディ・カルノー が蒸気機関の効率を分析した。(カルノーサイクル)
- 1827年 - ロバート・ブラウン が花粉などが水中で動くブラウン運動 を発見した。
- 1834年 - ベノワ・クラペイロンが熱力学第二法則について明確に述べる。
- 1843年 - ジョン・ジェームス・ウォーターソンw:John James Waterstonが気体分子運動論を創始したがウォーターソンの名は忘れられている。
- 1843年 - ジェームズ・ジュール 実験的に熱と力学的仕事の等価性を見出す。
- 1848年 - ケルヴィン卿ウィリアム・トムソンが温度の絶対零度を発見する。
- 1852年 - ジュールとケルヴィン卿が、急速に膨張する気体の冷却を説明する。(断熱過程)
- 1859年 - ジェームズ・マクスウェルがマクスウェル分布を発見する。
- 1870年 - ルドルフ・クラウジウスがビリアル定理を導く。
- 1872年 - ルートヴィッヒ・ボルツマンが、位相空間における分布関数の時間発展についてのボルツマン方程式を発表する。
- 1874年 - ケルヴィン卿が熱力学第二法則を形式的に表現する。
- 1876年 - ウィラード・ギブズが、相平衡、化学反応を引き起こすものとしての自由エネルギー、および一般の熱化学についての、二年に及ぶ論文の発表を始める。
- 1879年 - ヨーゼフ・シュテファンが、黒体からの電磁放射の総量が 温度の4乗に比例することを観測し、シュテファン=ボルツマンの法則を示す。
- 1884年 - ボルツマン がシュテファン=ボルツマンの法則を熱力学理論で解析した。
- 1888年 - アンリ・ルシャトリエ が平衡状態にある物質系が外部の作用によって変化をうけるとき、その変化は外部の作用に反抗する結果になるような方向におこるということを述べた。(ルシャトリエの原理)
- 1893年 - ヴィルヘルム・ヴィーンが 黒体の最大放射強度についてのウィーンの変位則を発見する。
- 1905年 - アルベルト・アインシュタインがブラウン運動を数学的に解析する。
- 1906年 - ヴァルター・ネルンストが熱力学第三法則について明確に述べる。
- 1910年 - アインシュタイン とスモルコフスキーw:Marian Smoluchowski find the Einstein-Smoluchowski formula for the attenuation coefficient due to density fluctuations in a gas
- 1916年 - シドニー・チャップマン とディヴィド・エンスコッグが 気体分子運動論であるチャップマン・エンスコッグ (Chapman・Enskog)理論をたてる。
- 1919年 - ジェームズ・ジーンズ discovers that the dynamical constants of motion determine the distribution function for a system of particles
- 1920年 - メグナード・サハ がサハの電離式を提出する。
- 1923年 - ピーター・デバイとエーリヒ・ヒュッケルが電解液の溶解度に関する統計的取扱を行った。(デバイ-ヒュッケルの式)
- 1928年 - ジョン・ジョンソン が 抵抗のジョンソン・ノイズ(熱雑音)を発見する。
- 1928年 - ハリー・ナイキストが ジョンソン・ノイズを熱のゆらぎで説明する。
- 1942年 - J.L. Doobがマルコフ過程に関する定理を発表する。
- 1957年 - A.S.カンパニエーツがコンプトン散乱についてのフォッカー・プランク方程式を導く。
- 1957年 - 久保亮五が輸送係数に対するグリーン・久保の公式(Green-Kubo relations)を初めて導く。