科学的方法
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科学的方法 (かがくてきほうほう) とは、科学者が世界を調査し、世界に関する知識を生み出す方法である。
科学的方法は、制御された実験の使用、および実験の再検証の可能性の要求(再現性)により、知識に至る他の方法とは区別される。
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[編集] 要素
科学的方法について理解するには、科学の現場では以下のような要素があることを知っておく必要がある。
[編集] プロシージャ
上記の要素を踏まえた上で、近年において、科学的方法の典型的(あるいは理想的)なプロシージャ(一連のステップ)と考えられているものを以下に示す。
- 観察 (Observation)
- 現象を観察する、あるいは読み取ること。観測、調査、測定。
- 仮説 (Hypothesis)
- 観察事象について思索を巡らし、仮説を考案すること。(仮説とは、推測ではあるが、観察した現象や事実の束を説明できるもの)
- 予測 (Prediction)
- 仮説の論理的結果を使い、新しい現象や新たな実験の測定結果を予測すること。
- 確認
- 予測が正しく生じるかどうかを検証するために予測の検証実験を実施すること。
- 評価
- 推測が確実な説明であると確信が示せるまで、観測結果に対する可能性がある別の説明を探すこと。
- 公表
- 結果を他者に伝えること。良質の科学雑誌では、論文の査読を第三者(専門分野での独立した科学者)が論文を出版する前に行う。このプロセスはピア・レビューという手法(2000年イギリスで行政の業績評価手法として採用)として知られる。
- 追証
- 他の科学者が、公開された論文を調査し、結果が再現することを確認すること。追証できないときは元の論文は認められない。
[編集] 関連
- Portal:Scientific method (英語版のポータル)
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