菖蒲池駅
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菖蒲池駅(あやめいけえき)は、奈良県奈良市あやめ池南2丁目2番1号にある、近畿日本鉄道奈良線の駅。近鉄が開発したあやめ池遊園地、ならびにOSK日本歌劇団の劇場へのアクセス駅として長年にわたって親しまれてきた。
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[編集] 駅構造
相対式2面2線のホームを持つ地上駅。
改札は上下線で分離されている。1番ホームの改札口は遊園地の正面に位置しており、現在も臨時発券所の跡が残っている(但し現在は板で塞がれている)。また、傾斜面上に駅があるため、1番ホーム側改札口とホームへは段差がある。近年、車いす利用者のためにスロープが設置された。
- のりば
- 奈良・天理・京都・大和八木・伊勢志摩・名古屋方面
- 生駒・布施・鶴橋・上本町・難波方面
かつては遊園地の利便性を図るため、一部のシーズンを除いた土休日の朝から夕方の時間に快速急行と急行(天理臨含む)を臨時停車させていた。
[編集] 利用状況
- 2005年11月8日の調査結果では、1日の利用客は11408人。この数字は…
- 近鉄の全調査対象駅の中では323駅中71位。
- 奈良線・難波線の駅(大阪線複々線区間や他線接続駅含む)としては24駅中21位。
- 奈良県内の近鉄の駅としては90駅中18位。
[編集] 駅周辺
- 近鉄あやめ池遊園地跡(2004年6月6日をもって閉園)
- 東洋民族博物館
- 奈良あやめ池郵便局
駅周辺の道路は非常に狭く、近隣の自動車学校の教習コースにも含まれている。
昭和の始め頃まで、秋になると駅周辺でマツタケ狩りが行われた。
[編集] バス(奈良交通)
駅南口にバス乗り場がある。
[編集] 歴史
近鉄によるあやめ池の開発は前身の大阪電気軌道時代にさかのぼり、乗客の誘致を図るため、大阪から芸者を迎え、この地に住まわせ茶屋等を開かせたことが始まりとされる。いわば近鉄の沿線開発のルーツとも呼べるであろう場所である。
以後、地域住民等の行楽場所として、多くの人々に思い出を与えてきた「あやめ池」だが、近鉄のリストラ策により、劇団は解散、次いで、巨大テーマパークの台頭で利用客数の回復が見込めない等の理由で、2004年、遊園地は78年の歴史に幕を閉じた。同じ年、同じく近鉄の文化事業で、上本町ターミナルの核の一つであった近鉄劇場も閉鎖されている。遊園地跡へは2008年をめどに近畿大学の付属幼稚園・小学校が移転を予定している。