誠仁親王

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

誠仁親王（さねひとしんのう、1552年 5月16日(天文21年4月23日) - 1586年 9月7日(天正14年7月24日)）は、安土桃山時代の皇族。院号は陽光院。追尊として陽光太上天皇が贈られた。

[編集] 系譜

正親町天皇の第五皇子。母は内大臣万里小路秀房の娘、准三宮藤原（万里小路）房子。妃は勧修寺晴右の娘、藤原晴子。

妃：勧修寺晴子（新上東門院）
- 第一王女：永邵女王
- 第一王子：和仁親王（後陽成天皇）
- 第二王子：空性法親王（四天王寺別当）
- 第三王子：良恕法親王（天台座主）
- 第四王子：四宮
- 第五王子：邦慶親王（五宮）
- 第六王子：智仁親王（初代八条宮）

典侍：冷泉為益女（後に故あって退出し、興正寺顕尊に嫁ぐ）
- 第三王女：心月女王

[編集] 系図

(102)
後花園天皇

(103)
後土御門天皇

(104)
後柏原天皇

(105)
後奈良天皇

(106)
正親町天皇

誠仁親王
(陽光院)

(107)
後陽成天皇

良恕法親王

智忠親王

(桂宮)
智仁親王

(広幡)忠幸

[編集] 略歴

永禄11年(1568年)12月に親王宣下され元服、天正12年(1584年)1月三品に叙せられる。織田信長から屋敷を献上されたり、信長は天皇関係を優位にしようとしていた。しかし、立太子から譲位する間際に病没してしまい、子である和仁親王（後陽成天皇）を正親町天皇は猶子として、譲位した。後陽成天皇は後に病没した父（誠仁親王）へ陽光太上天皇の尊号を贈った。

本能寺の変の際、信長の嫡子織田信忠守る二条御所(二条城の前身)に滞在していた。信忠は明智光秀軍に二条御所が包囲される直前、休戦協定を結び誠仁親王を脱出させたため、難を逃れた。

なお、邦慶親王は織田信長の、智仁親王は羽柴秀吉の猶子となっている（なお、誠仁親王が信長の猶子となったという説があるが、これは誠仁親王も邦慶親王もいずれも「五宮」と呼ばれていたことから来た誤伝である）。