佐倉市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
佐倉市(さくらし Sakura.City)は、千葉県北西部の市である。東京のベットタウンとして知られており、千葉県内では人口第8位の市である。
目次 |
地形
- 千葉県北西部に位置する。都心から約40km、千葉市からは約10km。
- 地価高騰のおりは都心50km圏まで通勤圏が拡大したことにより、都内へ通勤する人が増加した。成田国際空港にも近いので空港勤務者も多く居住する。最近では志津地区・根郷地区の発展・人口増加が著しい。高級住宅団地として染井野地区があり、パイロットや医者、上場企業会社員等が比較的多く居住している。
歴史
佐倉市を構成している旧町村
鎌倉時代・室町時代を通じて下総守護として発展した下総千葉氏は、戦国時代になると本佐倉城(国指定史跡、現・酒々井町本佐倉)を拠点とし、ここに佐倉千葉氏が成立した。戦国時代末期になると後北条氏の配下となり安房の里見氏の侵攻に対抗している。千葉親胤は鹿島城(のちの佐倉城)の建立に着手するが、暗殺され、一族の鹿島幹胤が引き継ぐも建設途上で死去。完成を目指した千葉邦胤は家臣に殺害される。後北条氏が豊臣秀吉の小田原攻めで滅亡すると、鹿島城は建設途上で焼かれ、千葉氏も滅亡してしまう。その後近くの臼井城に徳川四天王の一人酒井忠次の息子である酒井家次が(臼井藩、後に佐倉藩領に編入)、同じく弥富城には北条氏一族の北条氏勝が(岩富藩、後に転封により収公)入城している。
江戸時代初期には土井利勝が鹿島城を改造して佐倉城を築き、その後、堀田氏の居城となり、老中首座となった堀田正亮が11万石とし、佐倉は城下町として繁栄した。佐倉藩は、武田(徳川)家、松平家等、老中や大老となる幕格の中心人物が入封する重要な藩であった。幕末の老中堀田正睦は蘭学を奨励し、佐藤泰然に順天堂(現・千葉県指定史跡佐倉順天堂)を開かせた。また、「西の長崎、東の佐倉」として西洋医学の街としても栄えた。現在では、国道296号(新町周辺のみ)を通称蘭学通りとして、その名を残している。
明治4年(1871年)7月15日に廃藩置県により佐倉県が置かれ、同年11月13日に佐倉県は印旛県と改められた。また明治6年に城跡に軍隊がおかれた。
平成16年(2004年)10月4日に「佐倉市・酒々井町合併協議会」が設置されたが、平成17年(2005年)3月13日に酒々井町で実施された「佐倉市との合併の是非を問う住民投票」(投票率61.17%)では合併賛成4,016票、合併反対6,535票の結果となり、反対が賛成を上回ったため、酒々井町長綿貫登喜男は合併協議会の離脱を申し入れた。3月19日に開催された第9回合併協議会ではこの案件が協議され、その結果廃止することが決定し、3月29日に酒々井町議会、翌3月30日には佐倉市議会で合併協議会廃止議案が可決されたため4月30日をもって合併協議会は解散した。
- 1954年4月1日 佐倉町、臼井町、志津村、根郷村、和田村、弥富村が合併し佐倉市になる。
- 1957年1月1日 四街道町(現・四街道市)の生谷、畔田、吉見、飯重、羽鳥の各一部を編入。
- 1969年6月1日 千葉市宇那谷町、内山町(現・花見川区)の一部を編入。
- 1980年3月 人口10万人突破。
- 1985年6月1日 下志津原、上志津原、上志津、下志津の各一部を千葉市(現在の稲毛区、花見川区)に編入。
- 1990年11月 人口15万人突破。
地区
志津地区
佐倉市の商業の中心である。都市化が最も急速に進んだこの地区には新交通システムが走り、ショッピングセンター、シネマコンプレックスなどの商業施設や100m級の超高層マンションが数棟あり、夜になると高層マンションの航空障害灯が点滅している。この高層マンション群からは幕張新都心、千葉都心は勿論のこと、良く晴れている日には、新宿副都心なども見ることができる。また、佐倉市の住民の約半分がこの地区の住民である。人口密度も佐倉市の中では最も高い。面積は2番目に小さい。
臼井地区
江戸時代には城下町、のちに宿場町として栄えた。現在は駅の移転などの大規模な区画整理により生まれ変わったこの地区は、自然資産などにも恵まれ、隣接する印旛沼と相まって、自然豊かな住宅地が形成されている。
佐倉地区
佐倉市の中心で、京成佐倉駅周辺には市役所などのほか、オフィスビルなどが林立する。この地区は急激な都市化の発展と、今も残る歴史的風景が混在し、近代的な高層ビルと歴史的風景という少し変わった都市風景である。また佐倉城址に国立歴史民俗博物館があり、歴史と文化の象徴となっている。人口密度は2番目に高い。面積は最も小さい。
根郷地区
寺崎などの区画整理事業が始まっており、今後、新しい商業集積、企業集積が期待される地区である。2005年頃からベイシアなどをはじめ、商業施設の開店が相次いでいる。また、人口も若年者を中心に増加傾向にある。平均年齢は、最も若い、35.4歳である。因みに最も平均年齢の高い地区は、弥冨、和田地区の45.7歳である。新佐倉市庁舎もこの地区に建てることを明らかにしている。場所はこの地区の中心地である寺崎に建てる予定。
千代田地区
1990年代より造成された染井野団地がある。
弥富・和田地区
農業が盛ん。市内で最も人口の少ない地区であり、面積が最も大きい地区でもある。市の面積の4分の1を占めている。人口密度は最も低い。
国際交流
- オランダ王国
- 1987年に佐倉日蘭協会を設立し、草の根の国際交流を続けている。日蘭修好380周年佐倉記念事業として、印旛沼のほとりにある、佐倉ふるさと広場に、本格的なオランダ風車が建てられ日蘭親善のシンボルとなっている。
人口
佐倉市と全国の年齢別人口分布図(比較) | 佐倉市の年齢・男女別人口分布図 |
■暗紫色は佐倉市 ■緑色は全国 |
■青色は男性 ■赤色は女性 |
総務省統計局 平成17年国勢調査より |
行政
市長
行政機関
警察
- 佐倉警察署 (佐倉市、八街市、酒々井町を管轄)
消防
佐倉市八街市酒々井町消防組合-昭和47年に設立された一部事務組合で、佐倉市、八街市、酒々井町の2市1町で運営されている。
- 佐倉消防署
- 神門出張所
- 臼井出張所
- 角来出張所
- 志津消防署
- 志津南出張所
消防団(全7分団)
- 第1分団 佐倉地区
- 第2分団 志津地区
- 第3分団 臼井地区
- 第4分団 根郷地区
- 第5分団 和田地区
- 第6分団 弥富地区
- 第7分団 千代田地区
国の機関
県の機関
- 千葉県印旛合同庁舎
- 千葉県印旛健康福祉センター(印旛保健所)
- 千葉県佐倉県税事務所
- 千葉県北総県民センター
- 千葉県農林振興センター
- 千葉県印旛地域整備センター
- 千葉県教育庁北総教育事務所
- 千葉県水産総合研究センター内水面水産センター
産業
- 農業
- 印旛沼や、印旛沼へ流れる鹿島川・新川・手繰川・高崎川周辺を中心にほぼ全域において稲作が盛ん。また、和田地区では大和芋(ヤマトイモ)の栽培も行われている。
- 工業
- 観光業
- 後述の「観光」の欄を参照。
主な商業施設
教育
小学校
全23校
- 佐倉市立佐倉小学校
- 佐倉市立内郷小学校
- 佐倉市立臼井小学校
- 佐倉市立印南小学校
- 佐倉市立千代田小学校
- 佐倉市立上志津小学校
- 佐倉市立志津小学校
- 佐倉市立下志津小学校
- 佐倉市立南志津小学校
- 佐倉市立根郷小学校
- 佐倉市立和田小学校
- 佐倉市立弥富小学校
- 佐倉市立井野小学校
- 佐倉市立佐倉東小学校
- 佐倉市立西志津小学校
- 佐倉市立小竹小学校
- 佐倉市立間野台小学校
- 佐倉市立王子台小学校
- 佐倉市立青菅小学校
- 佐倉市立寺崎小学校
- 佐倉市立山王小学校
- 佐倉市立染井野小学校
- 佐倉市立白銀小学校
中学校
全11校
- 佐倉市立佐倉中学校
- 佐倉市立志津中学校
- 佐倉市立上志津中学校
- 佐倉市立南部中学校
- 佐倉市立臼井中学校
- 佐倉市立井野中学校
- 佐倉市立佐倉東中学校
- 佐倉市立臼井西中学校
- 佐倉市立西志津中学校
- 佐倉市立臼井南中学校
- 佐倉市立根郷中学校
高等学校
大学
交通
鉄道
中心駅:京成佐倉駅
バス
道路
有料道路
国道
主要地方道
一般県道
- 千葉県道136号佐倉停車場千代田線
- 千葉県道155号四街道上志津線
隣接する自治体
観光
- 市北部に印旛沼、その沿岸に自転車道(自転車歩行者専用道路)千葉県道406号八千代印旛栄自転車道線=通称「印旛沼自転車道」があり、散策に適している。また、観光用の屋形船が市を南北に流れる鹿島川から出ている。
佐倉地区
南部(佐倉市の中心部)
- 佐倉武家屋敷、旧堀田邸、佐倉順天堂記念館などの、佐倉藩だった頃の姿をそのまま保存した歴史的建造物。
- 佐倉城址公園
- 国立歴史民俗博物館 佐倉城址公園に隣接。
- 佐倉市立美術館
- 佐倉新町おはやし館
- 佐倉ふるさと広場
- 塚本美術館 平安時代から現在までの日本刀専門のユニークな美術館。
臼井地区
- 臼井城址公園
- 印旛沼サンセットヒルズ
- 野鳥の森
- 佐倉草ぶえの丘
- オランダ風車(佐倉ふるさと広場のシンボル)春には一面にチューリップ畑、秋にはコスモス畑が広がる。
- 佐倉印旛沼国際花火大会 1956年の「佐倉樋之口橋納涼花火大会」に始まり、1989年に現在の名前になった。日本のみならず世界各国の花火を集め、佐倉ふるさと広場近くから花火を打ち上げる。毎年8月の第一土曜日に行われていたが、市の財政難などを理由に2005年より中止となる。
根郷地区
- 大日本インキ化学工業の創業者である川村家が収集した美術品を展示。JR佐倉駅前、京成佐倉駅前より直通シャトルバスを運行。
また、市内在住の有森裕子や高橋尚子が小出義雄監督と共に走っていたコースがあり、現在は金メダルジョギングロードとして整備されている。
出身有名人
政治・教育
産業・実業
学者
スポーツ
芸能
佐倉市に縁のある人物 |
また、市内在住または元在住の著名人に有森裕子(マラソン選手、バルセロナ五輪銀メダリスト)、高橋尚子(マラソン選手、シドニー五輪金メダリスト)、千葉真子(マラソン選手)、原田知世(女優)、浅野温子(女優)、星野亜希(女優)、木村拓哉(SMAP)、モンキー・パンチ(漫画家)、車だん吉(タレント)、冨田洋之(体操選手、アテネ五輪金メダリスト)、鹿島丈博(体操選手、アテネ五輪金メダリスト)、福留功男(アナウンサー)、栗原まもる(漫画家)、幸なずな(漫画家)、横光利一(小説家)など。
名誉市民・市民栄誉賞
名誉市民
市民栄誉賞
- 小出義雄(平成12年表彰)
- 高橋尚子(平成12年表彰・シドニー五輪女子マラソン金メダリスト)
- 鹿島丈博(平成16年表彰・アテネ五輪体操金メダリスト)
- 冨田洋之(平成16年表彰・アテネ五輪体操金メダリスト)
関連図書
- 『電子図書館 満開佐倉文庫』内田儀久著・中央公論事業出版・2003年・ISBN 489514206X
- 『写真に見る佐倉』佐倉市・2004年
路上喫煙防止に取り組む佐倉市以外の市
その他
- 市内には有名建築家が設計した建物が多く存在する。
人口密度
佐倉市の人口密度は志津地区が最も高く、佐倉地区が次に高い。 しかし、全地区平均では、弥富、和田地区などを含めるため平均の人口密度は低い。
- 地区ごと
- 志津地区 5,206.05km²(2007年4月1日)
- 臼井地区 1,321.72km²(2007年4月1日)
- 佐倉地区 4,239.54km²(2007年4月1日)
- 千代田地区 1,343.16km²(2007年4月1日)
- 根郷地区 1,273.98km²(2007年4月1日)
- 弥富、和田地区 632.05km²(2007年4月1日)
関連項目
外部リンク
- 千葉県の自治体等
-
千葉市: 中央区 | 花見川区 | 稲毛区 | 若葉区 | 緑区 | 美浜区 その他市部: 銚子市 | 市川市 | 船橋市 | 館山市 | 木更津市 | 松戸市 | 野田市 | 茂原市 | 成田市 | 佐倉市 | 東金市 | 旭市 | 習志野市 | 柏市 | 勝浦市 | 市原市 | 流山市 | 八千代市 | 我孫子市 | 鴨川市 | 鎌ケ谷市 | 君津市 | 富津市 | 浦安市 | 四街道市 | 袖ケ浦市 | 八街市 | 印西市 | 白井市 | 富里市 | 南房総市 | 匝瑳市 | 香取市 | 山武市 | いすみ市 印旛郡: 酒々井町 | 印旛村 | 本埜村 | 栄町 香取郡: 神崎町 | 多古町 | 東庄町 山武郡: 大網白里町 | 九十九里町 | 芝山町 | 横芝光町 長生郡: 一宮町 | 睦沢町 | 長生村 | 白子町 | 長柄町 | 長南町 夷隅郡: 大多喜町 | 御宿町 安房郡: 鋸南町