鳥飼行博
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鳥飼 行博(とりかい ゆきひろ、男性)は、茨城県生まれの経済学者。1988年、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。東海大学教養学部人間環境学科社会環境課程助教授。中央大学経済学部兼任講師。持続可能な開発を目指す「開発と環境の経済学」、草の根民活論を研究教育する。
地球温暖化対策、熱帯林および生物多様性の保全、廃棄物処理、人口など環境問題について、南北問題の視点から扱っている。そして、経済主体のモラルハザードやフリーライダーなど機会主義的行動を抑制できるように、インセンティブを内包する経済政策を重視し、ローカル・コモンズ管理、環境ODAなどの環境政策を議論。後発開発途上国を中心とした難民問題に関して、人間の安全保障も研究教育している。
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[編集] 業績
開発途上国の地域コミュニティに滞在し、労働、所得・収穫、薪炭採取などに関するフィールドワークを行う。その結果、現地住民が利用する共有地や共有資源は、地域コミュニティのメンバーに限って利用できる「ローカル・コモンズ」であり、収奪的利用が抑制されていること、そのためにコモンズの悲劇は成り立たないことを示した。
ローカル・コモンズは、薪炭をもたらす森林、河川、道路脇や公有地の牧草、沿岸の水産資源など、バイオマスを中核にして、様々な形態で広範に存在する。そこで、持続可能な開発な社会を形成するためには、貿易、直接投資、政府開発援助,NGOだけではなく、地域コミュニティにおけるローカル・コモンズの持続可能な利用と適正管理に着目して、社会開発を進めつつ、環境を保全することが有効であると考えられる。これは、現地住民を、開発と環境保全の担い手として位置づける「草の根民活論」である。
[編集] 経歴
1988年、東京大学大学院経済学研究科修了。経済学博士。その後、日本学術振興会特別研究員。
1990年、東海大学教養学部生活学科専任講師。1998年から1999年にかけて、タイ王国モンクット王工科大学(KMITL)農業技術学部客員研究員。 現在、東海大学教養学部人間環境学科社会環境課程助教授。中央大学経済学部兼任講師。
web上では、日本とアジアの問題として、アジア太平洋戦争のページを人権・人間の安全保障に注目して作成。個別ページを公開している。
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』(東海大学出版会、1998年、ISBN 4486014197)
- 『環境問題と国際協力-持続可能な開発に向かって』(青山社、2001年、ISBN 4883590585)
- 『社会開発と環境保全-開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』(東海大学出版会、 2002年、ISBN 4486015851 )
- 『地域コミュニティの環境経済学-開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』(多賀出版、2007年、ISBN 9784811571317)
[編集] 共著
- (宇沢弘文・田中廣滋)『地球環境政策』(中央大学出版部, 1999年)
- (田中廣滋)『環境ネットワークの再構築-環境経済学の新展開』(中央大学出版部, 2001年)
- (丸尾直美・益村眞知子)『ポスト福祉国家の総合政策-経済・福祉・環境への対応』(ミネルヴァ書房, 2001年)