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1982 FIFAワールドカップ（1982 フィファワールドカップ）は、1982年にスペインで開催されたサッカーの世界大会である。芸術の国にふさわしく、大会ポスターはパブロ・ピカソと並ぶ巨匠・ジョアン・ミロが作成し、開会式はミロの絵をピッチに人文字で描くというものであった。
イタリアが西ドイツを3対1で破り、3度目の優勝を遂げる。この優勝でイタリアはブラジルと優勝回数で並び、ジュール・リメ・トロフィーの永劫所有権を獲得した。得点王は、イタリアのパオロ・ロッシであり、6得点を決めた。 大会のMVPに贈られるアディダスゴールデンボール賞にもパオロ・ロッシが選ばれた。
1978年大会から、大会の方式は変えられた。招待される国の数は24チームに増やされ、4チームずつ6グループに分けられた。各グループの1位と2位が第2ラウンドに進出し、再び3チームずつ4グループに分けられた。各グループの1位チームが決勝トーナメントに進出し、トーナメント方式で戦う。この方式は、唯一この大会のみで使われた。
この大会のブラジル代表は、第2戦以降ジーコ、ファルカン、ソクラテス、トニーニョ・セレーゾという、当時世界でトップレベルのミットフィルダーを4人揃えた布陣で挑み、その豪華さ故「黄金の中盤」と呼ばれることとなった。しかし、二次リーグのイタリア戦ではイタリア得意のカウンター攻撃の餌食となり、ロッシのハットトリックで敗戦、姿を消すことになった。結局、この大会では南米勢は全チームが二次リーグまでに姿を消し、ベスト4は全て欧州勢となった。一方イングランドは3大会ぶりの出場となり、前評判はけして高くはなかったものの、一次リーグではフランスを含む3チームに全勝、二次リーグでも無失点ながら勝利を得ることが出来ず、西ドイツの後塵を拝し、準決勝行きを逃した。決定力不足に泣いたイングランドは、その後エバートンの若きエース、ゲーリー・リネカーを中心としたチーム作りを行った。
この大会を象徴する試合は、準決勝の西ドイツ対フランス戦である。西ドイツのGK、ハラルド･シューマッハが、シュートを放とうとしていたフランス代表のパトリック・バチストンと交錯し、バチストンは気絶し、負傷で退場を余儀なくされた。後に脊髄を折る重傷であることが判明する。このシーンではPKどころかカードの提示すらなかった。しかし、これを除けばゲームは好試合であり、1対1で迎えた延長戦で一時は3対1と離された西ドイツが3対3に追いつき、結果的にPK戦で5対4で勝者は西ドイツとなった。まさに西ドイツ伝統の「ゲルマン魂」を見せ付けた試合である。この大会で初めてPK戦が導入され西ドイツは最初のPK戦勝利チームになった。これ以降西ドイツはワールドカップのPK戦はすべて勝利している。逆にイタリア代表は全て負けていたが2006年のドイツ大会の決勝で初勝利したが、今度はイングランドが全て敗れている。しかし西ドイツは、準決勝の死闘で力を使い果たしてしまい、決勝戦はロッシ擁するイタリアに完敗を喫する。
一方では、予選ラウンドの西ドイツ対オーストリア戦では八百長ぎりぎりの試合が行われ、大会の開催方式まで変更させることとなった。アルジェリアに第1戦で負けている西ドイツは対オーストリア戦で勝つことが絶対条件であったが、1対0で勝利すれば両チームそろって次のラウンドに進むことになっていた。アフリカ勢であるアルジェリアはすでに最後の試合を終えており、次のラウンドの進出に影響を与えることはできなかった。西ドイツは試合開始早々1点を決め、その後両チームはロングボールの応酬を行い、結果的にアルジェリアが脱落することになった。このため、後のワールドカップではラウンド突破の有無にかかわらず、一次リーグ同一組の最終戦は同時刻・別会場で開催されることになった。
開催国のスペインは、チーム状態が整わず、何とか一次リーグは突破したものの最後まで精彩を欠き二次リーグで敗退し、「史上最低の開催国」といわれるほど、地元ファンに大きな失望を与えることになってしまった。
- 優勝 : イタリア
- 準優勝 : 西ドイツ
- 3位 : ポーランド
- 4位 : フランス
[編集] 出場国
ヨーロッパ
南米
北中米カリブ海
アフリカ
アジア
オセアニア
[編集] 第1ラウンド
[編集] グループ A
| チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
 ポーランド |
4 |
3 |
1 |
2 |
0 |
5 |
1 |
 イタリア |
3 |
3 |
0 |
3 |
0 |
2 |
2 |
 カメルーン |
3 |
3 |
0 |
3 |
0 |
1 |
1 |
 ペルー |
2 |
3 |
0 |
2 |
1 |
2 |
6 |
|
| イタリア |
0 - 0 |
ポーランド |
| ペルー |
0 - 0 |
カメルーン |
| イタリア |
1 - 1 |
ペルー |
| ポーランド |
0 - 0 |
カメルーン |
| ポーランド |
5 - 1 |
ペルー |
| イタリア |
1 - 1 |
カメルーン |
|
[編集] グループ B
| チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
 西ドイツ |
4 |
3 |
2 |
0 |
1 |
6 |
3 |
 オーストリア |
4 |
3 |
2 |
0 |
1 |
3 |
1 |
 アルジェリア |
4 |
3 |
2 |
0 |
1 |
5 |
5 |
 チリ |
0 |
3 |
0 |
0 |
3 |
3 |
8 |
|
| 西ドイツ |
1 - 2 |
アルジェリア |
| チリ |
0 - 1 |
オーストリア |
| 西ドイツ |
4 - 1 |
チリ |
| アルジェリア |
0 - 2 |
オーストリア |
| アルジェリア |
3 - 2 |
チリ |
| 西ドイツ |
1 - 0 |
オーストリア |
|
[編集] グループ C
|
|
| アルゼンチン |
0 - 1 |
ベルギー |
| ハンガリー |
10 - 1 |
エルサルバドル |
| アルゼンチン |
4 - 1 |
ハンガリー |
| ベルギー |
1 - 0 |
エルサルバドル |
| ベルギー |
1 - 1 |
ハンガリー |
| アルゼンチン |
2 - 0 |
エルサルバドル |
|
[編集] グループ D
|
|
| イングランド |
3 - 1 |
フランス |
| チェコスロバキア |
1 - 1 |
クウェート |
| イングランド |
2 - 0 |
チェコスロバキア |
| フランス |
4 - 1 |
クウェート |
| フランス |
1 - 1 |
チェコスロバキア |
| イングランド |
1 - 0 |
クウェート |
|
[編集] グループ E
|
|
| スペイン |
1 - 1 |
ホンジュラス |
| ユーゴスラビア |
0 - 0 |
北アイルランド |
| スペイン |
2 - 1 |
ユーゴスラビア |
| ホンジュラス |
1 - 1 |
北アイルランド |
| ホンジュラス |
0 - 1 |
ユーゴスラビア |
| スペイン |
0 - 1 |
北アイルランド |
|
[編集] グループ F
|
|
| ブラジル |
2 - 1 |
ソ連 |
| スコットランド |
5 - 2 |
ニュージーランド |
| ブラジル |
4 - 1 |
スコットランド |
| ソ連 |
3 - 0 |
ニュージーランド |
| ソ連 |
2 - 2 |
スコットランド |
| ブラジル |
4 - 0 |
ニュージーランド |
|
[編集] 第2ラウンド
[編集] グループ 1
| チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
| ポーランド |
3 |
2 |
1 |
1 |
0 |
3 |
0 |
 ソビエト連邦 |
3 |
2 |
1 |
1 |
0 |
1 |
0 |
 ベルギー |
0 |
2 |
0 |
0 |
2 |
0 |
4 |
|
| ポーランド |
3 - 0 |
ベルギー |
| ベルギー |
0 - 1 |
ソ連 |
| ポーランド |
0 - 0 |
ソ連 |
|
[編集] グループ 2
| チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
| 西ドイツ |
3 |
2 |
1 |
1 |
0 |
2 |
1 |
 イングランド |
2 |
2 |
0 |
2 |
0 |
0 |
0 |
 スペイン |
1 |
2 |
0 |
1 |
1 |
1 |
2 |
|
| 西ドイツ |
0 - 0 |
イングランド |
| 西ドイツ |
2 - 1 |
スペイン |
| スペイン |
0 - 0 |
イングランド |
|
[編集] グループ 3
| チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
| イタリア |
4 |
2 |
2 |
0 |
0 |
5 |
3 |
 ブラジル |
2 |
2 |
1 |
0 |
1 |
5 |
4 |
 アルゼンチン |
0 |
2 |
0 |
0 |
2 |
2 |
5 |
|
| イタリア |
2 - 1 |
アルゼンチン |
| アルゼンチン |
1 - 3 |
ブラジル |
| イタリア |
3 - 2 |
ブラジル |
|
[編集] グループ 4
| チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
 フランス |
4 |
2 |
2 |
0 |
0 |
5 |
1 |
| オーストリア |
1 |
2 |
0 |
1 |
1 |
2 |
3 |
 北アイルランド |
1 |
2 |
0 |
1 |
1 |
3 |
6 |
|
| オーストリア |
0 - 1 |
フランス |
| オーストリア |
2 - 2 |
北アイルランド |
| フランス |
4 - 1 |
北アイルランド |
|
[編集] 決勝トーナメント
[編集] 準決勝
[編集] 3位決定戦
[編集] 決勝
1982ワールドカップ
優勝国: |
イタリア
3回目 |
[編集] 会場一覧
ハンガリー（2大会連続8度目）
チェコスロバキア（3大会ぶり7度目）
ユーゴスラビア（後のセルビア・モンテネグロ）（2大会ぶり7度目）
スコットランド（3大会連続5度目）
クウェート（初出場）
ニュージーランド（初出場）
