ABCセンター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
朝日放送 > ABCセンター
ABCセンター(えいびーしーせんたー)とは、大阪府大阪市北区大淀南二丁目(JR大阪駅、阪急・阪神・大阪市営地下鉄梅田駅の北西側、福島駅北方)に位置し、なにわ筋に面している朝日放送の本社社屋や隣接する関連施設を含めた場所をABCセンターと呼んでいる。敷地面積は16,745平方メートル。
中核施設には、4つのテレビスタジオ・4つのラジオスタジオ、公開放送用ホール「ABCホール」などがあり、中核施設の取り囲むように関連施設が立地しており、北側には、南側には広場を挟んでホテルプラザ、西側には大阪タワーが設置されている。この他、センター周辺には、朝日放送の別館ビルや関連会社が入居するビルが点在している。
1989年からしばらく使われたテレビのオープニング・エンディング映像でもABCセンターをCGで映していた。
現在では、在阪準キー局では一番老朽化の進んでいる社屋である。その為、現在新社屋の建設が進められている。2008年には大阪市福島区の新社屋に移転するため、ザ・シンフォニーホールを残して施設は全て解体される。また、朝日放送は既に現本社用地の売却を済ませており、新社屋完成まで借地契約を結ぶ形となっている。跡地は商業施設か住宅施設になる。
目次 |
[編集] スタジオ
[編集] テレビスタジオ
- Aスタジオ(HD/SD切替、190坪)
- ごきげん!ブランニュ〔隔週金曜日収録〕、朝だ!生です旅サラダ、パネルクイズアタック25
- Bスタジオ(HD対応、100坪)
- Cスタジオ(SD、100坪)
- Nスタジオ(HD対応、30坪)
- ABCニュース
- 甲子園スタジオ
- 全国高等学校野球選手権大会開催期間中、甲子園球場の1塁側内野スタンド脇に設けられる期間限定の特設スタジオ。全国高等学校野球選手権大会実況中継の放送本部となるプレハブ小屋の2階に設置。試合と試合のインターバルの時にここから放送される。
[編集] ラジオスタジオ
- 第1スタジオ(録音用、約140㎡)
- 公開放送で使用することが多い
- 全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)で、試合途中や試合終了後流れる校歌は、大会前、このスタジオで録音されている。
- 第2スタジオ(生対応)
- 「ABCパワフルアフタヌーン」、「ABCミュージックパラダイス」など
- 第3スタジオ(生対応)
- 「おはようパートナー」、「おはパソ」、「全力投球!!」、「元気イチバン!」、「ABCフレッシュアップベースボール」、「ABCミュージック21」、「もうすぐ夜明けABC」ほか
- 第5スタジオ(録音用)
- 「キングコングのほにゃらじお」など
- ダイヤルスタジオ(電話・FAX受付ルーム)
- 「ABCミュージックパラダイス」のスタッフが占領して、スタッフルーム化している。
- また、かつては主調整室のアナウンスブース(2室)で生放送を行っており、当時は「キースタジオ」と呼ばれていたが、生放送の雑然とした雰囲気を伝えるために、ブースの外の主調整室側で放送するようになった。この部屋は窓に面していて、出演者が喋るテーブルを窓側に設け、外の天気などがわかるようになっていた。
[編集] 施設
- ABCホール(SD、75坪)
- ABCの社屋内にあり、観客席が600席ある。
- 探偵!ナイトスクープ(隔週金曜日収録)、ABCお笑い新人グランプリ、映画の試写会などを開催。
- 現在のABCホールは2代目で、初代は大阪市北区中之島にある、現在のリサイタルホールであった。
- 朝日放送の電波塔。ラジオ(高石)、テレビ(生駒山)送信所への中継電波を送信をするほか、タクシー、新聞社等の電波中継地点となっている。
- 地上102メートルのところに2層の展望台があった。
- 1997年展望台・スタジオを閉鎖、2008年以降撤去予定
- 1999年閉鎖
- IDC大塚家具梅田ショールーム
- ABCポケットパーク
- 朝日放送社屋とIDC大塚家具梅田ショールーム(旧ホテルプラザビル)の間にある広場。
- ABCテレビ朝の情報番組「おはよう朝日です」で、最初のお天気のコーナーは、この広場から中継している。
- 東西に長く、広場東側はタクシー乗り場になっていて、広場西側、大阪タワー袂にはウッドデッキを設けている。
- おは朝のお天気の時に必ず映り込むようにウッドデッキ側面には朝日放送制作の番組のPRポスターが貼られいる。
- 日本で初めて建設されたクラシックコンサート専用ホール。1982年開館。
- 音響の素晴らしさで内外から高い評価を得ている。
- ABC公園
- 朝日放送社屋北側に位置し、ここで番組のロケなどがよく行われた。
- 2004年に敷地を売却。
- 跡地に近鉄不動産、オリックス・リアルエステートが販売する高層マンション「ローレルタワーサンクタス梅田」を建設。
[編集] 閉鎖された施設
- 大阪タワーの展望室2階に設けられていたスタジオ。全面ガラス張りで、セットや出演者の背景になる眺望が圧巻であった。おはよう朝日ですなどの制作スタジオとして使われていたが、大阪タワー老朽化に伴い1997年に閉鎖された。なお1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の発生時刻の午前5時46分は、当時スカイスタジオから放送していた情報番組「おはよう天気です」の生放送開始直後であった。しかしこの時期、大阪タワーはエレベーターの保守・点検工事の期間だったため、同番組も本社のAスタジオから放送していた。このため、地上102メートルの展望台で、生放送の番組が巨大地震に遭遇するという事態は、奇しくも逃れる事ができたというエピソードがある。
[編集] 幻の新社屋構想
朝日放送は1991年(平成3年)に社屋用地の再開発試案を発表していた。具体的には、センター用地の北側にあるABC公園部分に、22階建て規模の本社機能のある社屋を建設し公園などの施設を整備する、大阪タワーを取り壊し跡地に15階建前後のビルを建設し多目的ホール・アスレチックジム・美術館などが入居した文化ゾーンにするといった構想であった。
計画では1995年を頃に着工し、第一期は1997年、第二期は1998年、そして第三期は2000年に完成させる予定だった。しかし、資金問題(ホテルプラザの閉鎖なども関係した)やデジタル放送の準備などもあり、新社屋の計画は白紙となってしまった。2004年に改めて、大阪市福島区福島一丁目の大阪大学医学部付属病院跡地に移転する計画が発表された。
[編集] 新社屋の概要
2004年に大阪市福島区福島一丁目の大阪大学医学部付属病院跡地に完成する再開発計画地域(水都OSAKA αプロジェクト)に移転する計画が発表された。
現在地からなにわ筋を1km近く南下した同地に移転予定の新社屋は、敷地面積8,500平方メートル(現在のABCセンターの約半分)、地上16階、地下1階建て・高さ110m、延べ床面積約44,500平方メートルとなる予定。建物には大規模放送局で初めて免震構造を取り入れる予定。建物内にはテレビ4、ラジオ5つのスタジオが設置される。また、現在のABCホールの後継となる公開放送用ホール(300席)も1つ設けられる。設計は隈研吾建築都市設計事務所とNTTファシリティーズが手掛け、堂島川に面して広大なウッドデッキも設けられる。
隣接地には地上50階建ての高層マンション(オリックス・リアルエステート)をはじめ、1200席を持つ多目的ホールなどの文化施設が建設される。
同局が新社屋から放送を開始するのは2008年を予定している。新社屋に移転した後、ザ・シンフォニーホール以外の施設は解体される予定である。
[編集] 関連施設
- ABCエキスタ (1997年閉鎖、大阪駅ビル「アクティ大阪」内にあった)
- ABCアドベンチャーホール(2005年3月開設、和歌山マリーナシティ内)
- テレビ朝日・朝日放送が制作する特撮やアニメーション作品のキャラクターショーを上演する専用ステージ。
カテゴリ: 大阪市の建築物・観光名所 | 北区 (大阪市) | 朝日放送