FOMAハイスピード
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FOMAハイスピード(フォーマ・ハイスピード)はNTTドコモのIMT-2000(HSDPA)サービス。
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[編集] 概要
2006年8月31日にNTTドコモが開始。最高受信通信スピード3.6Mbps/最高送信通信スピード384Kbpsの第三・五世代携帯電話サービス。通信規格にFOMAで用いているW-CDMA方式と完全上位互換性を持つHSDPA方式を用いている。
FOMAハイスピードが開始された理由は、NTTドコモのFOMAが最高受信通信速度384Kbpsと、最高受信通信速度2.4Mbpsのau(KDDI)のCDMA 1X WINに比べ非常に低速であり、パケットあたりのコストが高くなり営業上不利であった点、2004年6月1日に開始したパケット定額制サービス「パケ・ホーダイ」によりパケット通信のトラフィックが増大している点、iモード上での着うたフルやiモーションなどのデータ容量の大きいヘビーコンテンツの増加に伴い通信速度の高速化が急務である点などが挙げられる。
FOMAハイスピードのサービスは、ミュージックチャネルや最大サイズ10Mバイトの大容量iモーションなど、高速通信を活かしたリッチコンテンツが多い。また、対応端末はすべて着うたフル対応。
2007年冬モデルFOMA905iシリーズから、FOMAハイスピードはワンセグ、GSMとともにFOMA90xiシリーズに全機種標準搭載される予定である。
2007年度中にHSUPA方式にも対応し、送信時の通信スピードの高速化も行われる予定。
2008年から2009年頃、HSDPAカテゴリー8に対応し、下り最高通信スピードが約7.2Mbpsに高速化される新3Gプラットフォームを搭載した端末が発売予定。新3Gプラットフォームは、OSにSymbian OSを採用し、NTTドコモ、ルネサステクノロジ、富士通、三菱電機、シャープ、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが共同開発している。
[編集] 他社の動向
ソフトバンクモバイルも同じHSDPA方式の第三・五世代移動体通信サービス3G ハイスピードを2006年10月に開始した。
au (KDDI) もNTTドコモ、ソフトバンクモバイルのHSDPA方式導入に対抗し、2006年12月13日にCDMA2000 1xEV-DO Rev.A方式を導入し、最大送信速度1.8Mbps、最大受信速度3.1Mbpsの第三・五世代移動体通信サービスを開始した。
また、イーモバイルも2007年3月31日からHSDPA方式を用い、最高受信速度3.6Mbpsの移動体通信サービスを開始するが、2008年春頃まで音声通話サービスには対応しない予定。音声通話サービス開始後は、2010年頃までNTTドコモへローミングする予定。
[編集] 沿革
- 2006年8月31日 - 商用サービス開始。N902iX HIGH-SPEEDを発売。iモーションの最大容量を5MBに機能拡張。
- 2006年9月29日 - M2501 HIGH-SPEED 発売。
- 2006年10月12日 - F903iX HIGH-SPEEDとP903iX HIGH-SPEED の開発を発表。
- 2007年2月20日 - F903iX HIGH-SPEEDを発売。iモーションの最大容量を10MBに機能拡張。
- 2007年4月19日 - P903iX HIGH-SPEEDを発売予定。
[編集] 料金
すべてFOMAと同様の料金プランが適用され、「パケ・ホーダイ」や「パケ・ホーダイフル」も利用可能である。ただし、パソコン等と接続して使用した際のパケット通信料は定額の範囲外。
[編集] エリア
FOMAハイスピードエリアを参照。
[編集] 対応端末
- 902iシリーズ
- N902iX HIGH-SPEED (2006年8月31日発売)
- 903iシリーズ
- F903iX HIGH-SPEED (2007年2月20日発売)
- P903iX HIGH-SPEED (2007年4月19日発売予定)
- データ通信カード
- M2501 HIGH-SPEED (2006年9月29日発売)