JALカード
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 | 〒140-8656 東京都品川区東品川2-4-11JALビルディング |
設立 | 1984年10月30日 |
業種 | その他金融業 |
代表者 | 松山啓哲 (社長) |
主要株主 | 株式会社日本航空インターナショナル |
外部リンク | www.jalcard.co.jp |
JALカード(ジャルカード)は、株式会社ジャルカードが発行するクレジットカードである。ジャルカードが発行するハウスカード(現在は新規に発行していない)と、ジャルカードと提携するクレジットカード会社が発行する提携カード(こちらが現行のJALカードである)があるが、以下特に断らない限り提携カードについて記述する。
目次 |
[編集] 概要
JALカードは日本航空インターナショナルのJALマイレージバンク(JMB)カードの機能に加え、カードショッピング(クレジット決済)によってマイルが獲得できる「ショッピングマイル」をはじめ、各種ボーナスマイル制度、JALホテルズ・JALUXなどでの優待など、多彩な特典が備わっているのが特徴である。
JMBのマイルをより多く貯めたい者、JALグループを利用する者には有利なカードである。
JALカードにはJMB機能が一体化されており、JMBのサービス(フライトマイル・マイルパートナーなどのマイル積算、特典利用、JAL ICサービス)もJALカードで利用が出来る。
既にJMBカード・JMB提携カード・別種類のJALカードを所持している場合は、それぞれのJMB口座残高を統合・一本化することが可能である(本人名義に限る)。
クレジットカードとしては、提携するクレジットカード会社の与信枠とは別に、ジャルカード(JAL加盟店利用)として「JALグループでの国内航空券購入・JALカード国内加盟店」向けの限度額(10万円~100万円程度)と、「JALグループでの国際航空券購入・ジャルパック直営店(トラベルプラザ)での海外旅行商品購入」向け(30万~200万円程度)の限度額が設定されている。この為、比較的高額利用した場合でも利用枠に多少の余裕ができる。(→クレジットカード#限度額)
[編集] ショッピングマイル
JALカード最大の特徴が、この「ショッピングマイル」である。JALカード(クレジット)でショッピングすると、基本的に200円につき1マイル積算され(※JALカードSuicaなど、取り扱いが異なる提携カードもある。)、そのマイルはJALカードに一体化されているJMB口座へ、クレジット支払日以降に積算される。
[編集] JALカードの種類
JALカードの種類は次表の通り。
JALカードの名称・国際ブランド・種類 | 発行会社 | 提携会社 | IC乗車券 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
※ | JAL・VISAカード | 普通カード | 三菱UFJニコス | (なし) | (なし) | |
CLUB-Aカード | ||||||
CLUB-Aゴールドカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aゴールドカード | ||||||
navi | ||||||
※ | JAL・MasrerCard | 普通カード | ||||
CLUB-Aカード | ||||||
CLUB-Aゴールドカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aゴールドカード | ||||||
navi | ||||||
※ | JALカードTOP&ClubQ VISAカード | 普通カード | 東急カード及び東急百貨店 | PASMO | ||
CLUB-Aカード | ||||||
CLUB-Aゴールドカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aゴールドカード | ||||||
※ | JALカードTOP&ClubQ MasterCard | 普通カード | ||||
CLUB-Aカード | ||||||
CLUB-Aゴールドカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aゴールドカード | ||||||
※ | JAL・JCBカード | 普通カード | ジェーシービー | (なし) | (なし) | |
CLUB-Aカード | ||||||
CLUB-Aゴールドカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aゴールドカード | ||||||
navi | ||||||
※ | JALダイナースカード | シティカードジャパン | (なし) | (なし) | ||
※ | JALグローバルクラブJALダイナースカード | |||||
JALカードSuica | JCB | 普通カード | 東日本旅客鉄道 | (なし) | Suica | |
CLUB-Aカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aカード | ||||||
※ | JALカードOPクレジット | JCB | 普通カード | 小田急電鉄 | (なし) | PASMO |
CLUB-Aカード | ||||||
CLUB-Aゴールドカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aカード | ||||||
JALグローバルクラブCLUB-Aゴールドカード |
- 「※」のJALカードは、家族カードを発行する事が出来る。
[編集] 支払サイクル
提携JALカードでは、クレジットカードのサービスだけでなく、入会審査・与信管理・代金回収も、ジャルカードと提携カード会社がそれぞれ別個に行なっているため、カードのショッピング利用に際し、JALカードの加盟店か、提携カード加盟店(VISA/Master/JCB/Diners等)かで、カード利用代金の請求元と締日が異なり、明細の送付が別々に行われて届き、支払日が異なるため必ず注意が必要である。
ジャルカードは末日締め 翌月27日払い、VIEWカードは末日締め 翌々月4日払い、その他の提携カード各社は15日締め 翌月10日払いである。分割払い・リボルビング払い・ボーナス払いの支払い方法も利用可能であるが、ジャルカードと提携カード側の条件が異なるため、予め確認されたい。
利用カード会社を見分けるためには、クレジットカード利用票などのカード会社名が「JALカード、JAL、ジャルカード」などの場合はジャルカードから、それ以外の会社名が出ている場合は提携カード会社での利用分となるので確認されたい。
[編集] JALカードのグレード
- 普通カード
- 年会費、本会員:2100円/家族会員:1050円
- JALカードの中で一般的なカード
- CLUB-Aカード
- 年会費、本会員:10500円/家族会員:3675円
- CLUB-Aは、一般カードよりもJAL側のサービスが充実しているカードで、提携カードのサービス(グレード)は一般カードと同じ。旅行保険の保障額が強化され、JAL国際線搭乗時にエグゼクティブクラスカウンターでのチェックインが可能(パッケージツアーなどに適用されるエコノミークラス個人・団体包括旅行運賃等は対象外)。また、毎月ファーストクラスの機内誌でもある「AGORA」と、年末にJALカレンダーが送付される。
- CLUB-A ゴールドカード
- 年会費、本会員:16800円/家族会員:8400円
- CLUB-A提携カードのグレードがゴールドカードとなっているほか、JALカード側のサービスとして、ゴルファー保険やショッピング・セーフティー(動産保険)が付帯される。
- JALダイナースカード
- 年会費、本会員:23100円/家族会員:9450円
- CLUB-Aゴールドカードにダイナースクラブカードが提携。
- naviカード
- 年会費、本会員:無料
- 日本に住む18歳以上25歳未満の学生(高校生を除く)のみが対象の学生カード。普通カードのサービスに加えて、スカイメイト会員証機能やボーナスマイルなどのサービスも付加している。JAL DCカード・JAL JCBカードのみ設定されている。
[編集] 特徴的なカード
- JALグループカード
- JALグローバルクラブカード(JGCカード)
- JALマイレージバンクの上級会員組織であるサファイア以上の資格を獲得することで送られてくる招待状でのみ加入することが出来る「JALグローバルクラブ(JGC)」会員向けに発行されるカード。会員になるためには、CLUB-A以上のJALカードを持つことが条件になり、カードフェイスにJGCのロゴが入っている。なお、JGCカードに限り、家族会員の年会費が本会員と同じ金額となる。(JGC会員の特典を付けない普通の家族会員として申し込む場合は一般の家族会員の年会費と同額。)航空関連のサービスが家族会員であっても大幅に強化される。具体的な特典等については、JALグローバルクラブの記載を参照。
[編集] 鉄道系提携カード
- JALカードSuica
- 東日本旅客鉄道カード事業部との提携JALカードで、JAL ICサービスに加え、VIEW_Suicaカードも一体化されている。Suica機能を内蔵する関係上、エンボスレスのカードとなっている。
- JR東日本駅での乗車券類の購入、Suicaチャージなど、VIEWプラス適用箇所での利用分は、ショッピングマイルではなくVIEWサンクスポイントで積算されるため、必要であればサンクスポイントからJMBマイルへ移行する必要がある。また、10000マイルを事前に移行することにより、10000円分のサンクスチャージをビューアルッテで行うことができる。(年2回・20000マイルまで)
- 2007年3月18日から、PASMOとSuicaの相互利用が可能となったため、交通関係での利便性が向上した。PASMO導入各社からもクレジットカードが発行されるが、クレジットカードとPASMO一体型カードの発行は現在のところ予定されていないため、クレジットカード、交通系ICカード、航空系ICカードが一体となっている唯一のカードとなる。
- 2004年の発表当時、JAL ICサービスを利用して羽田空港~関西空港間を移動して、空港アクセスを東京では東京モノレール(モノレールSuica)、大阪では関西空港線(ICOCA相互利用)をSuicaで利用すれば、東京と大阪の間を、このカード1枚だけでチケット類を全く手にせず行き来できる点が注目された。
- JALカードTOP&ClubQカード
- DCカード・東急カード・東急百貨店との提携。現行のJAL DCカードに東急カードのTOKYUポイントと、東急百貨店のTOP&Qlub Qポイント機能が付加され、PASMOオートチャージにも対応する。東急沿線利用者など生活圏に東急グループがある人にとっては有利なカードであるが、TOPカードではないので注意が必要である。
- JALカードOPクレジットカード
- OPクレジット(小田急電鉄)との提携JALカード。OPクレジットのサービス(PASMOオートチャージ対応)が扱える。
[編集] アフィニティカード
括弧内の各企業・団体と提携した、提携JALカードである。
[編集] JMB提携カード
- JMB提携カードは、日本航空インターナショナルがクレジットカード会社と提携し発行するJMBカードでありJALカードでないことに注意。
2005年より、JALカード以外のクレジットカードや新銀行東京多機能キャッシュカードに、JAL ICサービス機能付のJMBカードが一体化した「JMB提携カード」が登場している(ここでは旅行会社などの提携は除外)。
これらはクレジットカードでも券面が「JAL CARD」ではなく「JAL MILEAGE BANK」となっており、「ショッピングマイル」の適用外である。 それぞれのクレジットカードで貯まったポイントで景品と交換するほか、JMBマイルと相互移行できる特徴がある。
これらのポイントからマイルへの移行ではJALカードと異なり入会2年目以降も年会費無料のクレジットカードが有るが、代わりにJALカードのショッピングマイルのマイル積算率よりもマイルの換算率が低い。(10000JMBマイル→10000円相当の提携会社ポイント、2000円相当の提携会社ポイント→1000JMBマイルなど)
[編集] 主なクレジットカード
- JAL&東急カード -東急カード発行のTOP-DCカードにJMB機能が搭載されている。TOKYUポイントとJMBマイル間で相互交換が出来る。
- JMBローソンパスVISA -ローソンパスVISAにJMB機能が搭載されている。ローソンパスポイントとJMBマイル間で相互交換が出来る。
[編集] JALカードの付帯サービス
[編集] 特約店
- 日本航空のインターネット航空券販売サービスサイトや、ラオックス・ロイヤルホスト・東京無線タクシーなど「JAL CARD特約店」表示がある店舗では、ショッピングマイルが通常の倍の200円=2マイルで積算される。特約店はJALカード公式サイト上の「マイルNET WEB」・冊子の「マイルNET」、カード利用明細に同封の小冊子「JAL CARD NEWS」などで確認できる。
[編集] ショッピングマイルプレミアム
- 一般加盟店200円=1マイル、特約店200円=2マイルのショッピングマイルが、さらに2倍積算となるサービス。一般加盟店では100円=1マイル、特約店100円=2マイルとなる。
- 入会申し込みを行い、年会費に2100円を追加すると入会可能。CLUB-A ゴールドカード及びJALダイナースカードは年会費に含まれ、naviカードはデフォルト(通常で一般加盟店100円=1マイル積算)のため、入会の申し込み及び年会費の追加は不要である。家族会員がいる場合でも、本会員が入会をすれば、家族カードの利用分も適用となるが、本会員として複数のカードを持っている場合は、各カードごとに入会する必要がある。
- CLUB-A DC/JCBカードにショッピングマイルプレミアムを付加すると、カード年会費との合算で本会員12600円となり、CLUB-A DC/JCBゴールドカードとの本会員年会費の差は4200円となる。
[編集] ボーナスマイルサービス
[編集] 搭乗ボーナスマイル
- 新規入会ボーナスマイル
- JALカード新規入会後の初回搭乗時に、普通カードで1000マイル、CLUB-Aで5000マイルを積算。
- 搭乗毎のボーナスマイル
- マイレージ積算対象運賃で搭乗した際に、通常のフライトマイル(区間マイル)に加えて、区間マイルに対する一定の割合をボーナスマイルとして加算。
- 普通/naviは+10%、CLUB-Aは+25%。
- 毎年初回搭乗ボーナスマイル
- マイレージ積算対象運賃での暦年の初回搭乗後に、普通/naviは1000マイル、CLUB-Aは2000マイルを積算。
[編集] JALカードツアープレミアム
- JALグループの割引運賃である、バーゲンフェア・バースデイ割引、悟空、包括旅行割引運賃での搭乗の際、通常は区間マイルの50%~75%で積算されるものを、区間マイル100%との差をボーナスマイルとして加算し、実質区間マイルを100%積算するサービス。
- 適用には入会申し込みを行い、年間2100円(税込)の参加費用が必要がある。
[編集] JALカード家族プログラム
- JMB特典交換の際に、家族分のマイルを合算して利用できるサービスである。
- JALカード個人本会員を「親会員」として、その下に以下の条件を満たす「子会員」を登録すると利用ができる。
- 親会員と生計を同一にする配偶者または一親等の家族でJALカード個人本会員・家族会員。18歳未満および18歳の高校生でJMB会員。
[編集] その他のサービス
- 国際線免税品、国内線機内販売の割引
- JALグループの機内販売商品がクレジット決済によって10%引きとなる。
- 空港売店割引
- 国内の空港に設置されているJALUX「BLUE SKY」売店で、JALカードを提示することによって5%割引になる(雑誌などを除く)。現金やJAL IC利用クーポンなど、クレジット以外の支払方法でも適応。
- JALホテルズサービス
- ホテルによりサービスは異なるが、基本室料の割引、JMBマイルの積算、アーリーチェクイン等が主なサービス。
- ジャルカード自動付帯の国内・海外旅行傷害保険、ゴルファー保険(ゴールド・ダイナース提携のみ)
- 提携カードブランド付帯の旅行保険・ショッピング(動産)保険
- 提携カード側に付帯される旅行傷害保険や動産保険など。付帯の有無や補償額はカードの種類により異なり、ジャルカード付帯と重複する補償がある場合は、補償額が合算または按分される。
[編集] 加盟する信用情報機関
信用審査を行う為に以下の信用情報機関に加盟する。 (提携各社はそれぞれ別個に加盟している。)
- 株式会社シー・アイ・シー(略称「CIC」)
- 株式会社シーシービー(略称「CCB」)
[編集] 沿革
1983年に当時の日本航空株式会社が営業本部内にクレジットカード部門を設立し、ハウスカードとして「JALカード」の発行を開始。翌1984年に現在のジャルカードを設立・分社化した。
1990年になって、ジェーシービーとのダブルカード(提携カードの一種で、一枚のカードに二社分のクレジットカード機能が備わっている)「JAL-JCBカード」、翌1991年にはDCカードとのダブルカードの「JAL DC-VISA/Masterカード」の発行が開始された(当初は年会費が異なっていたため、ハウスカードも継続。)
1994年春に「JALショッピングマイルプラン」サービス開始に伴いカードをリニューアル。当時の景品表示法による規制のなか、JALスカイプラス(JMBの前身)と組み合わせて、100円の買い物につき1マイル、年間3万マイルまで積算されるサービスで、2万マイルからグアム・香港などへの往復航空券と交換できるものであった。
1997年からJALカード特約店制度とJMBの国内線積算サービス開始となり、サービス内容そのものは現在と同じになった。
2003年に「JASカード(NICOS・ジェーシービー提携)」会員とそのマイレージをJALカードに移行した。
日本航空がT&Eサービスを強化する考えをもつトヨタファイナンスへジャルカード株式を売却する話が2007年2月に報道されたが、日本航空グループが51%以上の持株保有を続ける事を条件としたため、いったん立ち消えになった模様である。
[編集] 備考
2006年12月末現在の会員数は171万人である。また、会員一人当たりの年間決済額が50万円([要出典]雑誌インタビューによる。)と、とんでもなく高い金額を示している。この金額は高級カードとして名高いダイナースの5割増し、セゾンカードの5倍から10倍という値である(普通カードがあるにもかかわらず、全クレジットカードトップと推定されている)。
そのため、カード会員数が少ないものの非常に優良な顧客を押さえていることと親会社の日本航空の不振による売却話が消えないことがあいまって、カード業界再編のときにしばしば名前が挙がっているが、カード会員とJALに搭乗する優良顧客が重なる例が多いことから、戦略子会社と位置づけてグループ内にとどめることになる。[要出典]
[編集] 関連項目
- JALグローバルクラブ
- JALマイレージバンク
- 三谷幸喜(イメージキャラクター)
[編集] 外部リンク
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