NBAデベロップメント・リーグ
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NBAデベロップメント・リーグ (NBA Development League) は北米大陸のプロバスケットボールリーグ。将来のNBA選手を育成する目的で、NBA後援のもとに運営がなされている(NBA傘下である)。通称は「D-League(以下「Dリーグ」)」。また設立当初は「NBDL」という略称が使用されていたが、2005年の夏に「NBADL」に変更された。
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[編集] 歴史
2001年の秋、前述の目的でリーグが発足された。初年度の2001-02シーズンは8チームからのスタートだった。当時は、チームの所在地がアメリカ南東部に固まっていた。しかし後にチームが増えることによって、リーグが拡大。現NBAコミッショナーであるデビッド・スターンの意向もあり、「NBA傘下のマイナーリーグ」という構図を構築する計画を進めている。
2006年はABA(独立リーグ=セミプロ組織)からロングビーチ・ジャムの加入が発表され、ベーカーズフィールド・ジャムに名称が変更した。2ヵ月後には、CBA(独立リーグ)からダコタ・ウィザーズ、スーフォールズ・スカイフォース、アイダホ・スタンピード、コロラド・フォーティナーズの3チームが加入され、更に規模が拡大された(尚、フォーティナーズは当初CBAに加入予定だった新チームである)。またDリーグで史上初めてNBAのチームであるロサンゼルス・レイカーズがチームを所有することになり、ロサンゼルス・ディーフェンダーズとして始動している。
規模拡大に伴う経営危機が各チームに及ぶこともあり、2005-06シーズンを最後にロアノーク・ダズルとフェイエットビル・ペイトリオッツが消滅。フロリダ・フレイムは2006-07シーズンは一時脱退(来季復帰見込み)中である。また、2007-08シーズンからはユタ・ジャズの提携チームとして新チームが、またテキサス州とアイオワ州にも新チームが誕生することが発表された。
2007年2月17日にはNBADLの初めてのオールスターゲームが、ネバダ州ラスベガスで開催された。NBAオールスターウィークエンドのプログラムの1つとして開催され、イースタンが114-110で勝利した。MVPはポップス・メンサー・ボンスが受賞。
[編集] 特徴
- NBAの各チームはDリーグの各チームと提携を組んでいる(NBAチーム2~3チームあたり、Dリーグ1チームと提携)。但し、前述のロサンゼルス・レイカーズに限り1対1の関係にある。
- 選手はリーグと契約を交わし、その後リーグが主催するドラフトによりチームが編成される(すなわち、チーム個々とは契約を交えていない)。Dリーグのドラフトは毎月11月上旬に開催される。選手の異動が激しく多数の選手を獲得する必要があるため、10巡目まで行われる。
- ドラフト後は、トレーニングキャンプを行ってロースターを支配下登録が可能な10人まで絞ることから始まる。そして11月下旬に開幕し、50試合のレギュラーシーズンを戦う。2月にはオールスターゲームも開催される。4月中旬にレギュラーシーズンが終わると、数日後にはプレイオフが始まり、優勝チームが決定される。
- シーズン中、NBAから10日間契約で、いわゆる「昇格」を果たす選手がいる。これは育成リーグという趣旨もあることから、リーグ本来の目的の一部が達成されたとも考えられる。この場合は提携先に限らず、どのチームとも契約が可能。
- NBAのチームは15人まで支配下選手を登録することが可能だが、NBAドラフトにより選出されたばかりの新人選手や、即戦力ではない選手はDリーグに送り込んで技術を向上させることが慣例になっている。しかし、その場合は提携先のチームにしか送り込むことはできない。また、1選手につき、シーズンで3回までしか送り込むことが認められない。
[編集] 備考
- 特に2005年からはフリーエージェントとしてNBA昇格や、逆にNBAから戦力外となった選手の受け皿となり、NBAのマイナーリーグとしての色を強めた(2005-06シーズンは18人の選手がNBAのチームと契約)
- 2005年、田臥勇太が初のDリーグ選手としてアルバカーキ・サンダーバーズでプレーし、日本でも注目を集めるようになった。また、2006年よりbjリーグ・東京アパッチに入団したニック・ビリングスも田臥とともに同チームでプレーしていた。
[編集] Dリーグでプレイした選手
主にNBAでのプレイ経験を持つ選手を記載する。
- レイファー・アルストン (Rafer Alston)
- クリス・アンダーセン (Chris Andersen)
- マット・キャロル (Matt Carroll)
- マティーン・クリーブス (Mateen Cleaves)
- マーカス・ファイザー (Marcus Fizer)
- ボビー・シモンズ (Bobby Simmons)
- 田臥勇太
[編集] 2006-07シーズンのチームとNBAの提携チーム
[編集] Eastern Division
[編集] Western Division
[編集] 活動停止中のチーム
[編集] 2007-08シーズンより参入予定のチーム
[編集] 消滅したチーム
- アッシュビル・アルティチュード 2001-05(タルサ・66ersの前身)
- チャールストン・ロウゲイターズ 2001-04(フロリダ・フレイムの前身)
- コロンバス・リバードラゴンズ 2001-05(オースティン・トロスの前身)
- フェイエットビル・ペイトリオッツ 2001-06
- グリーンビル・グルーヴ 2001-03
- ハンツビル・フライト 2001-05(アルバカーキ・サンダーバーズの前身)
- モバイル・レヴェラーズ 2001-03
- ロアノーク・ダズル 2001-06
[編集] 歴代優勝チーム
- 2001-02 グリーンビル・グルーヴ
- 2002-03 モバイル・レヴェラーズ
- 2003-04 アッシュビル・アルティチュード
- 2004-05 アッシュビル・アルティチュード
- 2005-06 アルバカーキ・サンダーバーズ
[編集] 歴代MVP(年間最優秀選手)
- 2001-02 アンスー・シーセイ (Ansu Sesay) 所属:グリーンビル・グルーヴ
- 2002-03 デヴィン・ブラウン (Devin Brown) 所属:フェイエットビル・ペイトリオッツ
- 2003-04 ティーリー・ブラウン (Tierre Brown) 所属:チャールストン・ロウゲイターズ
- 2004-05 マット・キャロル (Matt Carroll) 所属:ロアノーク・ダズル
- 2005-06 マーカス・ファイザー (Marcus Fizer) 所属:オースティン・トロス