あいくるしい
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あいくるしいは、2005年4月10日から6月26日までTBS系で日曜日21:00~21:54(日曜劇場)に放送されたテレビドラマである。全11回。平均視聴率11.6%。
初回視聴率は17.3%と好調だったが2回目の放送では11.9%、最終回では8.8%と下落が大きかったドラマでもある。
目次 |
[編集] 内容と作品に対する考察
田舎町に暮らす7人家族「真柴家」の絆と成長を描く本格派ホームドラマ。同時に真柴家の次男・幌が自分を含めた7人の「虹色の戦士」を探してゆく過程も描いており、そんな彼らの友情物語としての側面も持つ。
物語の全体としては幌の目線で語られており、実質的な主役は神木隆之介演じる幌である。しかし、ドラマ本編のエンドロールや新聞・雑誌の番組表では幌の兄・姉役の市原隼人・綾瀬はるかが筆頭に上げられていたため、早い段階から両者のファンの間から不満が噴出し、特に綾瀬はあの『世界の中心で、愛をさけぶ』以来の連続ドラマで、しかも前作に引き続き石丸彰彦プロデュースであったがために、期待感とその後の失望感が増幅されてしまった。
またドラマの中では、真柴家はもちろんのこと「虹色の戦士」のそれぞれの家族、さらには真柴家の一家の長である徹生の同級生たちとの関わりなどを描こうとするあまり、結果としてサイドストーリーがてんこ盛り状態となってしまう。視聴者側の見方をすれば、「目まぐるしく場面が変わり、ひとつひとつのシーンの描き方が不十分」「登場人物が多すぎるのではないか?」「せっかく実力のある役者を揃えたのに、もったいない使い方をしている」などの意見があったという。
TBSにおける野島ドラマでは、過去の洋楽の名曲を主題歌に据えるのが定番である。今回、主題歌にはジャクソン5時代のマイケル・ジャクソンの名曲を採用したのだが、当時のマイケルは性的虐待疑惑で「被告」の身であった。ドラマ放送期間中の2005年6月13日に「無罪」を勝ち取るのだが、TBSや所属のレコード会社は、以前のような楽曲のプロモーションがほとんど出来ず、ドラマにとってマイナスに作用してしまう。また野島ドラマの作品群の中ではややおとなしめの展開だったせいか、何か物足りなさを感じる野島ドラマのファンが少なからずいたようである。
このように「大人」からは批判の多かった作品ではあったが、ストーリーが進むにつれて「虹色の戦士」の世代に近い視聴者からの支持の声が大きくなっていった。公式HPのBBSでは「虹色の戦士」への共感に、批判を繰り返していた「大人」たちはただただ驚き、やがて批判は下火になっていくのであった。
なお、真柴徹生役の竹中直人は、後日自身のラジオ番組でこの『あいくるしい』の低視聴率を嘆き、当日のゲストでドラマを見ていたというCHAGEに慰められる一幕があった。(2005年秋ごろ放送)
[編集] キャスト
- 真柴家
- 真柴豪(17)・・・・・・・市原隼人
- 真柴みちる(18)・・・綾瀬はるか
- 長女。母の入院中は家事全般をおこなっている。一家の長姉だという意識が非常に強く、そのせいで自分のやりたい事をこらえてしまう事も。しっかり者を自認してるが意外とドジも多く、非常に落ち込みやすい性格。母の入院先で出会った研修医の矢口淳一と付き合うようになる。
- 真柴幌(11)・・・・・・・神木隆之介
- 次男。このドラマの本当の意味での主人公。愛称は「ポロ」。のんびり屋であまり負の感情を抱かない性格、自己犠牲心の塊(もっとも自分は犠牲になってるとは思ってすらいない)。良く言えば純粋、悪く言えば無知で、それを友人たちからツッコまれることが多い。生まれた時から涙を流した事がなく、その事で「自分は冷たい人間ではないか」と悩んでいる。母の病気が良くなるようにという願掛けで『虹色の戦士』を集める(大切な友に七色のビー玉を渡す)という儀式を思いつく。自身は名前の由来である幌布の色であり、七色の中心である緑。口癖は「わお」。
- 真柴唄(7)・・・・・・・・松本梨菜
- 次女。感受性が強く甘えん坊で泣き虫。小悪魔的な面も持ち合わせており、兄たちを振り回す事が多い。
- 真柴由美(46)・・・・・原田美枝子
- 母。東京出身。慈愛に満ちた性格で子供たちと接する。3年前に病魔に冒されてから入院していたが、自分の死期を悟り、最期の時を家族と暮らすために家に帰ってくる。
- 真柴徹生(46)・・・・・竹中直人
- 父。タクシー運転手。一度は故郷を離れて東京でトランペッターをしていたが、由美がみちるを妊娠したのを機に帰って来た。熱い性格で、その遺伝子を受け継いでる豪とは毎朝些細な事で喧嘩をしている。しかし家族を想う気持ちは非常に強い。
- 真柴明示(70)・・・・・杉浦直樹(特別出演)
- 祖父。天文台の管理人をしているため昼夜逆転の生活をしている。穏やかで人生を達観している所があり、その人生論を幌に聞かせる事が多い。甘いものが好き。
- 南雲家
- 南雲夕子(32)・・・・・桜井幸子
- 愁の母親。スナック「夕鶴」のママ。須藤義明との不倫で愁をもうけるが、自分の跡取りに愁を望む須藤から逃れるため、愁とともに各地を転々としていた。
- 南雲愁(11)・・・・・・・本郷奏多
- 中川家
- 中川竜一(32)・・・・・萩原聖人
- 元ボクサー。試合で死なせてしまった対戦相手の娘である奈々を引き取り、故郷に帰ってきた。パンチドランカーで過去の記憶を少しずつ失う障害を持ち、忘れないために日記を付けている。
- 坂巻奈々(11)・・・・・志保
- 原沢家
- 原沢篤(46)・・・・・・・浅野和之
- 聖子の父親。町役場に勤めている。徹生や花井芳夫とは幼馴染。真面目すぎる性格で、それが妻との不仲の一因であった。結果離婚するが、それでようやく自分や家族を見つめ直す事が出来た。
- 原沢千秋(44)・・・・・南果歩
- 聖子の母親。東京出身で、田舎暮らしに嫌気が差していた。刺激を求めて娘の塾の講師と不倫していたが、発覚したあとは離婚して東京に戻っていく。
- 原沢聖子(11)・・・・・後藤果萌
- 幌の同級生。幌とは家が隣同士であり、生まれた時からの幼馴染。昔から幌に想いを寄せていて、ファーストキスの相手になるが、想いが叶う事はなかった。幼稚園の時あだ名である「ひよこちゃん」から連想される色、黄色のビー玉を幌から渡される。委員長タイプで正論を言うことが多い。両親の不仲に心を痛めていて、母が不倫している事も気付いてた。
- 原沢裕太(6)・・・・・・武井証
- 聖子の弟。唄の同級生で、よく彼女に振り回される。両親の離婚後は母親についていく。
- 病院関係者
- 矢口淳一(24)・・・・・小栗旬
- 院長の息子でインターン。みちると付き合うことになるが、実は婚約者がいる。自分に医者の適正が無いことを自覚していて、本当は医大ではなく美大に通いたかった。
- 瀬戸政希(24)・・・・・田中幸太朗
- 由美の担当医。矢口とは友人として付き合っているが、実は矢口の異母兄弟である。医者としては優秀。
- 町の人々
- 木崎ほのか(18)・・・沢尻エリカ
- 町の巡査。南雲夕子や中川竜一とは高校の同級生という設定。みちるに恋心を抱いていて、何かと理由を付けては真柴家に入り浸る。徹生や花井芳夫には頭が上がらない。
- 羽生章司(11)・・・・・中屋力
- 幌の同級生。ヤクザの息子と噂されているが、実際は薬剤師の息子。暴力的で学校でも恐れられている。名前の通り、ハブのように噛み付く喧嘩殺法が得意。幌から紺色のビー玉を奪っていくが、章司が抱える苦しみや悲しみを見抜き尽力した幌に心打たれ友人となり、正式に虹色の戦士となる。色のイメージは一人ぼっちの夜の色。小説ではスネークというあだ名が付いている。
- 天野未来(11)・・・・・大後寿々花
- 町外れの洋館に住む少女。幌と同じクラスだが、一度も学校に来ていない。夢見がちだったり現実的なことを言ったりとアンバランスな少女。実は事故に遭い車椅子で、同時に弟を亡くしている。その時自分だけ助かったという罪悪感からリハビリを拒否している。幌は彼女に一目惚れし、夕焼けのイメージであるオレンジのビー玉を渡すために奮闘する。
- 保坂博樹・・・・・・・・・・・林泰文
- 幌、聖子、耕作の通う学習塾の講師。聖子の母と不倫していた。
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- 榊園子・・・・・・・・・・・・・原田美枝子(二役)
- 由美に瓜二つの女性。食堂で働いている。由美の死後、徹生が偶然出会ってしまった事から、真柴家に騒動を巻き起こす。由美と比べて化粧が濃く、気が強い。
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- 須藤義明・・・・・・・・・・・田中健(友情出演)
- 愁の実父。政治家。本妻との間に子供は無く、愁を跡取りとするために南雲母子の行方を追い続ける。
[編集] スタッフ
- 脚本:野島伸司(『101回目のプロポーズ』『ひとつ屋根の下』『高校教師』『未成年』『聖者の行進』『プライド』など)
- 音楽:千住明(『仔犬のワルツ』『高校教師』『未成年』『聖者の行進』など)
- プロデュース:石丸彰彦(『世界の中心で、愛をさけぶ』『華麗なる一族』など)
- 演出:吉田健、平川雄一朗、那須田淳
- 制作:TBSテレビ
[編集] 主題歌
- Michael Jackson 『ベンのテーマ』
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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