竹中直人
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竹中 直人(たけなか なおと、1956年3月20日 - )は、日本の俳優、コメディアン、映画監督、歌手。本名、同じ。
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[編集] 人物
神奈川県横浜市金沢区富岡出身。フロムファーストプロダクション所属。妻は元アイドルの木之内みどり(元後藤次利夫人。木内みどりではない)。 木之内みどりとの間に2人(1女、1男)の子供に恵まれている。 血液型はA型で、趣味はギター、映画のビデオ ・DVD収集。内藤剛志の様な声や桂小枝の様なねちっこい声も出せる持ち主。
青年座に俳優として入団後の1983年テレビ番組『ザ・テレビ演芸』で有名になり、司会の横山やすしから手ほどきを受ける。当時29歳と称していたが、後に公称を1956年3月20日生まれと改めた。以後、俳優として舞台や映画、テレビドラマなどで活躍。1991年には映画『無能の人』で監督としてもデビューした。
横浜市立富岡小学校、横浜市立金沢中学校、関東学院六浦高等学校、多摩美術大学卒業。
[編集] 略歴
多摩美術大学映像演出研究会に所属。8ミリ映画の制作に没頭し、監督から出演までこなした。代表作は「燃えよタマゴン」。大学在学中の1978年に劇団青年座に入団し、俳優生活をスタート。これと並行して、『ぎんざNOW!』(TBS)の素人参加コーナーにコメディアンとして出演。モノマネ芸でチャンピオンになり注目される。コメディアン時代の持ちネタでは「笑いながら怒る人」が有名。また、モノマネ芸の主なレパートリーは遠藤周作、芥川龍之介、松本清張などの小説家で、特に遠藤周作のモノマネは本人の前で披露したこともある。遠藤は自分に似ていることを認めつつも若干感情を害して、そっぽを向きながら「アハハ、似てる似てる」と言われたという。1999年、遠藤周作を主人公とした遠藤夫人の回顧録が原作のTBSドラマ『夫の宿題』で遠藤周作役を好演。『欽ちゃんの仮装大賞』の第一回にも出場しモノマネを披露(タイトルは「松田優作のドラキュラ」)、番組初の不合格となってしまった。
1985年には大竹まこと、きたろう、斉木しげる、いとうせいこう、宮沢章夫らと演劇ユニット「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」を結成し、脚光を浴びる。1990年に青年座を退団後、劇作家の岩松了と組んで「竹中直人の会」を開始、2002年に至るまでほぼ一年に一度のペースで公演を行う。
1991年映画『無能の人』で初めて監督を務め、好評を得た。1996年、NHK大河ドラマ『秀吉』に主演、俳優としての活動を広げる。歌手としても高橋幸宏プロデュースのアルバム『MERCI BOKU』、『イレイザーヘッド』を発表。
俳優や監督としての注目が集まる一方、なおもコメディアンとしてTV番組『東京イエローページ』、『竹中直人の恋のバカンス』、『デカメロン』においてシュールなコントを展開。番組終了後もCSにおける再放送やDVDソフト化が実現するなど、現在もお笑いファンからカルト的な支持を得ている。その他様々なラジオのパーソナリティやバラエティ番組などの司会を担当している。
NHK大河ドラマ『秀吉』での演技が見事にはまり、後にモビットのCMにも秀吉の格好をするなど、秀吉役の竹中のインパクトは一種の社会現象にもなった。最近はパチスロ・竹中直人の太閤記にもプロデュースするなど、秀吉は彼の持ち芸になったと言ってもよい。
女優の室井滋とは不仲説もあるが二人ともネタとしてラジオや雑誌でふざけて罵りあっているだけで、実際は何度も別のドラマで夫婦役(夫婦漫才に近い掛け合いが特徴)などでよく共演しており、竹中直人と室井滋の共演は視聴者には好評だ。
2006年7月、竹中直人&ワタナベイビーとして、『今夜はブギーバック』をカバー(プロデュース・スチャダラパー)。
また、昔は漫画家やフォークシンガーを目指していた。『恋のバカンス』のコント中でもギターを片手に自作の歌を披露する事も多く、その演奏・作曲能力は高い。
好きな音楽は忌野清志郎、フィッシュマンズ、クラムボン、ホフディラン、SUPER BUTTER DOGなど。特にSUPER BUTTER DOGは彼らの楽曲「サヨナラCOLOR」にインスパイアされて同名の映画を制作したほど。
石井隆、周防正行監督らの映画作品の常連俳優であり、竹中監督作品『東京日和』では周防監督を郵便配達役に配役して出演させている。
[編集] 作品
[編集] 監督作品
[編集] シングル
- ポストマンパットのうた(1994年)
- ドクトクくん(1995年)
- デカメロン(1997年)
- 君に星が降る(1997年)
- 日曜日の食事(1998年)
[編集] アルバム
- かわったかたちのいし(1984年)
- 24HOURS+レスラー
- 竹中直人の君といつまでも(1995年)
- siesta?
- MERCI BOKU(1995年)
- イレイザーヘッド(1996年)
- MERCI BOKU,UNPEU BOKU~LIVE IN JAPAN(1995年)
- 口笛とウクレレ(2000年)
[編集] 参加作品
- 友情のエール(2006年)
- :世界中の子供達にサッカーボールを届けるというチャリティー企画「YELL FROM NIPPON」に参加。
- DEMENTO (シネマティクスディレクター)
[編集] 出演
[編集] テレビドラマ
- 元祖おじゃまんが山田くん(1984年、フジテレビ)
- ゲゲゲの鬼太郎(1985年、フジテレビ)
- セーラー服反逆同盟(1986年、日本テレビ系)
- 世にも奇妙な物語「プリズナー」(1991年)
- 世にも奇妙な物語「切腹都市(ハラキリシティー)」(1991年)
- NHK大河ドラマ秀吉(1996年、NHK)
- 壬生義士伝(斎藤一役)
- 恋のためらい(1997年、TBS系)
- 坊さんが行く(1998年NHKドラマ)
- 坊さんが行く2(1999年NHKドラマ)
- ヤマダ一家の辛抱(1999年、TBS系)
- 夫の宿題(1999年、毎日放送・TBS系)
- 伝説の教師(2000年、日本テレビ系)
- ストレートニュース(2000年、日本テレビ系)
- 菜の花の沖(2000年NHKドラマ 高田屋嘉兵衛役)
- 日曜劇場 GOOD LUCK!!(2003年、TBS系)
- 東京ラブ・シネマ(2003年、フジテレビ系)
- WATER BOYS(2003年、フジテレビ系)
- ライオン先生(2003年、読売テレビ・日テレ系)
- 流転の王妃・最後の皇弟(2003年、テレビ朝日系列)甘粕正彦役
- 奥さまは魔女(2004年、TBS系)
- NHK朝の連続テレビ小説 天花(2004年、NHK)
- あいくるしい(2005年、TBS系)
- 『ボイスレコーダー~残された声の記録~ジャンボ機墜落20年目の真実』藤田日出男役、TBS系、2005年8月12日放送)
- 天下騒乱~徳川三代の陰謀(2006年、テレビ東京系)
- 戦国自衛隊・関ケ原の戦い(中京テレビ、2006年)吉川広家役
- 都立水商!(2006年3月、日本テレビ系列)矢倉茂夫役
- 赤い奇跡(2006年4月、TBS系列)
- タイヨウのうた(2006年、TBS系列)
- のだめカンタービレ(2006年、フジテレビ系列)フランツ・フォン・シュトレーゼマン役
- ホテリアー(2007年4月~、テレビ朝日系列) 森本正和役
[編集] テレビ番組
- ソロモンの王宮(テレビ東京系)
- 特命リサーチ200X II(2002年-2004年、日本テレビ)柏木康一郎 役
- キヤノンスペシャル・光の惑星 5000年の旅(2004年12月、テレビ朝日) スタジオ司会
- 東京イエローページ(1990年-1991年、TBS)
- ポンキッキーズ(1993年-2001年、フジテレビ) 人形アニメ 「ポストマンパット」声の出演、楽曲参加・イベント出演
- 竹中直人の恋のバカンス(1994年-1995年、テレビ朝日)
- デカメロン(1998年、TBS)
- 素敵な小箱(2006年、フジテレビ)
- 笑っていいとも!(フジテレビ)テレフォンショッキングゲスト、
- 出演する際には、観客から「笑いながら怒る人やって!」といつも言われている。一度だけ「中野区に住んでるムタトオルです」と言いながらムタトオル名義で出演したことがあるが、結局最後にお友達紹介のときに普通の竹中に戻った。
- どんぶり5656(1983年、よみうりテレビ)
- なげやり倶楽部(1985年、よみうりテレビ)
- Naoto Takenaka P.S.45 ( 2006 BS-FUJI )
- 愛のエプロン(2006年11月8日放送分)
- 北海道遺産物語(北海道テレビ放送/ナレーション)
[編集] 映画
- 痴漢電車 下着検札(1984年、新東宝)
- ロケーション(1984年、松竹) - ダボ役
- 夕ぐれ族(1984年、にっかつ) - 宇津井役
- ベッドタイムアイズ(1987年、ヘラルド映画) - 柳役
- 私をスキーに連れてって(1987年、東宝) - 所崎役
- 天使のはらわた 赤い眩暈(1988年、にっかつ) - 村木役
- 226(1989年、松竹富士) - 磯部浅一役
- ファンシィ・ダンス(1989年、大映) - 北川光輝役
- ベストガイ(1990年、東映) - 管制官役
- ヒルコ 妖怪ハンター(1991年、松竹富士) - 八部高史役
- 無能の人(1991年、松竹富士) - ブルーリボン賞主演男優賞
- シコふんじゃった。(1992年、東宝) - 日本アカデミー賞助演男優賞
- ヌードの夜(1993年、ヘラルド・エース) - 紅次郎(村木)役
- RAMPO 奥山監督版(1994年) - 江戸川乱歩役
- RAMPO 黛監督版(1994年) - 江戸川乱歩役
- BE-BOP-HIGHSCHOOL
- GONIN(1995年、松竹)
- 写楽(1995年、松竹) - 大田南畝役
- Shall we ダンス?(1996年、東宝) - 青木富夫役
- HAPPYPEOPLE (1997年) -一場面のみ出演
- アンドロメディア(1998年、松竹)
- 完全なる飼育(1999年、東京テアトル)
- 三文役者 (2000年、近代映画協会)- 殿山泰司役
- ウォーターボーイズ(2001年、東宝)
- Stereo Future SF episode 2002(2001年、東北新社) - 高山龍太郎役
- およう(2002年、松竹) - 伊藤晴雨役
- ミスター・ルーキー(2002年、東宝)
- TRICK 劇場版(2002年、東宝) - 神001番 役
- 青の炎(2003年)
- あずみ(2003年、東宝) - 加藤清正役
- 恋人はスナイパー 劇場版(2004年、東映)
- シュレック2(2004年、UIP) - 声の出演
- スウィングガールズ(2004年、東宝) - 小澤忠彦役
- 妖怪大戦争(2005年、松竹) - 油すまし役
- サヨナラCOLOR(2005年)
- ピーナッツ(2006年、コムストック)
- キャッチ ア ウェーブ(2006年、ワーナー)
- 男はソレを我慢できない(2006年7月29日)
- 大奥(2006年12月23日) - 谷口新八 役
- それでもボクはやってない (2007年1月20日)
- あなたを忘れない(2007年)
[編集] ビデオ作品
[編集] 舞台
- 青年座公演「どん底」
- 青年座公演「パラダイス・オブ・ギンザ」
- 青年座公演「写楽考」
- 竹中直人の会 旗揚げ公演「隣の男」
- 竹中直人の会 第2回公演「鉢植を持つ男」
- 竹中直人の会 第3回公演「市ヶ尾の坂~伝説の虹の三兄弟~」
- 竹中直人の会 第4回公演「こわれゆく男~中産階級の然るべき頽廃」
- 竹中直人の会 第5回公演「月光のつヽしみ」
- 竹中直人の会 第6回公演「テレビ・デイズ」
- 竹中直人の会 第7回公演「水の戯れ」
- 竹中直人の会 第8回公演「隠れる女」
- 蜷川幸雄演出「四谷怪談」
- 竹中直人の会 第9回公演「月光のつヽしみ」(2002年)
- 竹中直人の会 改メ 竹中直人の匙かげん1「唐辛子なあいつはダンプカー!」(2004年)
- 竹中直人 ハードボイルド・ソーセージ in 下北沢(2005年)
[編集] ラジオ
- 竹中直人ハードボイルド・ソーセージ(プロ野球オフシーズン、TBSラジオ)
[編集] 劇場版アニメ
- アイス・エイジ(ディエゴ)
- イノセンス(キム)
- お勢登場(語り)
- カッくんカフェ(1984年、ジョイパックフィルム) - ケンイチ、タコ委員長、ナゾの男役
- 機動警察パトレイバー 2 the Movie(荒川茂樹)
- 恐怖のバイオ人間 最終教師(茶羽顔八)
- 劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI(エンテイ・シュリー博士)
[編集] CM
- 大阪ガス
- 福岡競艇
- アデランス
- モビット
- ガリバー
- トヨタ自動車ラウム
- 久光製薬(のびのびサロンシップ、ブテナロック)
- 明治乳業
- 武田薬品工業(タケダ胃腸薬 1984年のシーズン)、ほか
- NEC バリュースター
- 日産自動車セフィーロ
- 日本コカ・コーラ(リアルゴールド、ジョージア缶コーヒー・2005年9月~)
- 内閣府(政府広報 「ひろがる、NIPPON構造改革」・2006年2月~)
- 東京建物 Brillia
[編集] 映画賞
- ヴェネチア国際映画祭(国際批評家連盟賞)「無能の人」
- ブルーリボン賞(主演男優賞)「無能の人」
- 日本アカデミー賞(助演男優賞)「シコふんじゃった。」
- 日本アカデミー賞(助演男優賞)「EAST MEETS WEST」
- 日本アカデミー賞(助演男優賞)「Shall we ダンス?」
[編集] 主なネタ・ものまね・キャラクター
- 笑いながら怒る人
- 60年代の生き証人・中津川ジャンボリー君
- クイズ番組司会者・ショスタコビッチ三郎太
- ナンの男
- 一人三役やる人
- 感情を込めた「あいうえお」
- 三半規管が丈夫なのでグルグル回っても真っ直ぐ歩ける
- 人の事を指さすなよ
- 人をバカにした態度
- 「いやあ、失敬、失敬!」
- 「アンタ失敬だな!」
- 「煙草、やめろ!」
- 松田優作
- 草刈正雄
- 丹波哲郎
- 石立鉄男
- 加山雄三
- 田中邦衛
- 松本清張
- 遠藤周作
- 芥川龍之介
- 武者小路実篤
- ブルース・リー