こぎつね座
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こぎつね座 (Vulpecula) | |
略符 | Vul |
属格 | Vulpeculae |
英語での意味 | the Fox |
赤経 | 20 h |
赤緯 | 25° |
観測可能地域の緯度 | 90° - -55° |
よく見える時期 | 9月 |
広さの順位 - 総面積 |
55位 268 平方度 |
明るい星の数 視等級 < 3 |
None |
最も明るい星 - 視等級 |
Anser (α Vul) 4.44 |
流星群 | なし |
隣接する星座 |
こぎつね座(小狐座、Vulpecula)は星座の1つで17世紀にヨハネス・ヘヴェリウスによって設定された。
こぎつね座は、こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルから形作られる夏の大三角形の真ん中にある。暗い北天の星座である。
目次 |
[編集] 特徴
この星には4等より明るい星はない。α星は4.44等のAnserで、この星は赤色巨星である。スペクトル型は M0III で、太陽からは297光年の距離にある。見かけの二重星で、角度で413.7"離れている。双眼鏡でならこの星を見分けることができる。くっついている星は8番星である。
1967年には、この星座の中で最初のパルサー、PSR 1919+21がケンブリッジ大学のアントニー・ヒューイッシュとジョスリン・ベルによって発見された。彼らはクエーサーの電波信号を探していたときに、数秒おきに1回の割合で電波を発する非常に規則的な信号を発見した。観測の結果、この信号の強度の変動周期は太陽日(24時間0分)ではなく、恒星日(23時間56分)だったので、信号の発信源は地球上ではないことが明らかになった。この信号はきっかり1.3373秒ごとに発せられていて、あまりにも規則的すぎた。現在ではこれは高速回転する中性子星から放射される電磁波だと考えられる。このパルサーは「RA(赤経) 19h 19mの近くのケンブリッジ・パルサー」を意味するCP 19191と呼ばれた。現在では PSR 1919+21 と命名されている。
[編集] 天体
おもなものとして2つの星雲・星団がある。
亜鈴状星雲 (M27) は、巨大な惑星状星雲である。この星雲は形が面白いため、よく観測される。双眼鏡でも見ることができ、視直径は6分角である。双眼鏡でも満月の4分の1の大きさの楕円形に見える。その名の通りの鉄アレイ状に見るには、大口径の望遠鏡が必要である。この星雲は1764年にフランスの天文学者シャルル・メシエによって発見された。
洋服掛け(ハンガー星団)とも呼ばれる Brocchi's Cluster は、肉眼でも見ることのできる散開星団である。この星団も変わった形をしている。
[編集] 歴史
この星座は、17世紀後半に、ポーランドの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスによって設定された。この星座はもとは Vulpecula cum ansere と呼ばれた。キツネとガチョウの意味である。これは、グリム童話の同名のの童話が元になっていると考えられる。ガチョウは現在のキツネのあごの部分であった。その後、ガチョウは姿からも名前からも消えた。だが、α星の名Anserは、キツネの質問に答えるガチョウに由来する。ラテン語の星座名 Vulpecula は、本当は「小さい狐」の意味であるが、英語圏の人々はただのキツネだと思っており、この星座をFoxと呼んでいる。
[編集] 呼称
日本では、きつね座と呼んだ時代がある。