ぼくのなつやすみ
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ぼくのなつやすみは2000年6月22日にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたプレイステーション用ゲームソフト。制作会社は、ミレニアムキッチン。約1年後の2001年6月14日には廉価版(PlayStation the Best)も発売された。
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[編集] 解説
家庭の事情により、田舎の親戚の家へ預けられた主人公の「ぼく」=プレイヤーが、夏休みの一ヶ月間、昆虫採集や探検、人々との触れ合いをして行くゲーム。
1975年(昭和50年)、日本の森や山に囲まれた田舎、月夜野が舞台となっている。
「昆虫採集」、「魚釣り」、「絵日記」、「洞穴探検」など、昔の子供達がしたであろう遊びや行事をサブイベントとして取り入れられている。また、自然が豊かな「田舎」をリアルに再現した自由度の高いフィールド設定などにより、その頃に子供時代を過ごした大人のユーザーからの支持も高い。
2002年7月11日にはプレイステーション2での続編「ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇」が発売され人気を博した。また、2006年6月29日にはプレイステーション・ポータブルで本作のリメイク移植版である『ぼくのなつやすみポータブル ムシムシ博士とてっぺん山の秘密!!』が発売。プレイステーション版では名前だけだったキャラクターが実際に登場するのに加え、2007年夏に発売予定のプレイステーション3用ソフト『ぼくのなつやすみ3』の特報映像が収録されている。
キャラクターデザインはキレイキレイのCMのキャラクターでもおなじみの上田三根子。
[編集] 登場人物
- ボク(声優:進藤一宏)
- おじちゃん(声優:佐々木勝彦)
- おばちゃん(声優:一城みゆ希)
- 萌(声優:坂本真綾)
- 詩(声優:最上莉奈)
- ガッツ(声優:高山みなみ)
- ファット(声優:伊倉一恵)
- メガネ(声優:大谷育江)
- 沙織(声優:田中敦子)
- 父(声優:牛山茂)
- お坊さん(声優:池田勝)
- ナレーション(声優:ダンカン)
[編集] PSP版での追加キャラ
[編集] バグ~『「ぼくのなつやすみ」の8月32日』~
一部で「最恐のバグ」と騒がれている、『「ぼくのなつやすみ」の8月32日』というものがある。 これは「ぼくのなつやすみ」のクリアデータを利用して起こすバグで、これを行なうと日記の日付が8月32日、33日…とありえない日数に進んで行き、登場人物のグラフィックがおかしくなる、家にも外にも人が誰もいなくなる、音楽が消える、フリーズを起こす、文字化けする…などの奇怪なバグが次々と起こり、日付を進めれば進めるほど悪化していくというものである。
このゲームの本来持つほのぼのした雰囲気が、32日以降に進めた途端に現れるグロテスクともいえる数々のグラフィックや、人っ子一人いなくなるその独特の空気によって、一気にホラーテイストな世界に変化してしまい、クリアしたプレイヤーに残ったノスタルジックで切ない想い出の数々が、瞬時に崩れ去っていくというそのギャップ。そして『存在しないはずの8月32日、終わらない夏休み、壊れていく世界』という偶然生まれた独特の世界観は、一部のゲームファンやホラー・オカルトファンに人気がある。
バグの特徴(よく報告されるバグだが、必ずしも同じ事が起こるとは限らない)
- お姉ちゃんが下半身しかない。朝食が終わり席を立つと消え、影のみ存在する。
- 誰もいない工房の焼き物を触ろうとすると、「それに触っちゃだめ!!」と言いながら上半身しかないおじさんが上から降りてくる
- 家の中にも外にも誰もいなくなり、音楽がなくなる
- キャラクターの頭が緑色になったり、脚が赤くなったり、肩が透けたり、テクスチャが剥がれて中身が見えたりなどグラフィックがメチャクチャになる
- 家族全員で朝食をとるシーンがなくなる、もしくはメチャクチャなグラフィックの家族が朝食を囲む
- ぼくくんが虫を素手で取る
- 虫取り網を取ろうとすると、虫の鳴き声がぴたっと止まる
- 釣竿を持っているときに虫取り網を持とうとすると、ぼくくんが倒れる。しかし×ボタンを押すと元に戻る
- たまにぼくくんが画面から消えることがある。その際一度虫網を持ってから「手ぶら」を選ぶとありえないところに現れる(画面に入りきらないところから出てくることもあるが、移動して画面内に入るとちゃんと見える)
- 絵日記がメチャクチャになりフリーズする。その中には、『もどる』や不気味な緑色の絵、意味不明な記号が相次いで出て来る。
- ぼくくんのお父さんが車で迎えに来てるのに帰れない。
- 門が開いてるのに調べると『鍵が掛かってる』という意味不明な文字が出て来る。
- たまにぼくくんが家から出られなくなり、マルボタンを押して出ようとしても出られない。
- 夕食を食べた後に真っ暗になりフリーズする。
- 夕方、おばさんに話しかけると画面が真っ暗になりフリーズする。
- どんなに長くても36日(もしくは34日)になると絵日記を書く途中にフリーズする。それ以降の続行は不能。
- 縁側が見える外の所からではおじさんは見えるが、居間に入るとおじさんは消える。
- 33日を過ぎると日記や会話の文字の所(特に記号・数字系)が文字化けする。例:(:";月":日)、(セ";ブ":.デ"/:タ)=(セーブデータ)('"`'`ブロック使用)、(このままゲームを続けますか‘”)
- 昼間にも絵日記を書ける。絵日記を書くと強制的にその日が終了する。基本的に32日以降はこれでないと進めない。
- テレビをつけても音が出ない。
- 時々テレビの上におじさんかおばさんの上半身がめり込んでいる時がある。その時、テレビを含めた周りの画面の色が緑や青になったりするが、赤になる場合もあり、その時はどう見ても殺人現場にしか見えない。
- ぼくくんがたまに画面から消える事がある。勘で移動する事も可能だが、牛と鶏が居るエリアにくるとフリーズする。
- 竜神池の直ぐ近くにある、『橋』は32日以降消えて、秘密の抜け道を通る以外通行不能。
- 蜂の巣を突付いて家に戻ると一応おばさんが対応する。しかし夕方以外やはり誰もいなくなる。
- 文字化けしてない文字も歪んで消えかかっている。
[編集] 盗作疑惑
2002年、Mac OS用のフリーウェア作者である酒井武志が、ホームページの日記において『ぼくのなつやすみ』を自作のゲーム『サマーデイズ』の盗作ではないか、と主張したことがある。夏休みをテーマにしたゲームは自分が最初に発表した前例の無いものであり、内容にも類似点がいくつもあるというのがその根拠だった。
しかし、盗作を裏付ける明確な証拠は何も存在しなかった上に、『ぼくのなつやすみ』は『サマーデイズ』の発表以前から既に制作が始まっていたことや、夏休みをテーマにしたゲームは『サマーデイズ』や『ぼくのなつやすみ』以前にもいくつも存在したことが指摘されるなど、ネット上では酒井の主張に対する疑問の声も強かった(ミレニアムキッチン側はこの件について、公式には何も発表していない)。
いずれにせよ「疑惑」以上のレベルには達しておらず、『サマーデイズ』がMac OSという限られた環境でしか遊べないゲームであったため内容が類似しているという主張も一般的にはほとんど共感を得られず、それほど大きな問題にはならなかった。
現在では酒井とミレニアムキッチンの間で和解が成立している模様。