ウルフファング
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ジャンル | アクションゲーム |
対応機種 | アーケード[AC] プレイステーション[PS] セガサターン[SS] |
開発元 | [AC]データイースト [PS,SS]エクシング |
発売元 | [AC]データイースト [PS,SS]エクシング |
人数 | 1~2人 |
メディア | [PS,SS]CD-ROM1枚 |
発売日 | [AC]1991年 [PS]1996年5月10日 [SS]1997年3月28日 |
『ウルフファング』は、データイーストが1991年に制作・販売したアーケードゲームである。ジャンルは、サイドビュー方式のアクション・シューティングゲーム。正式なタイトルは『ウルフファング 空牙2001』(- くうが -)、海外版のタイトルは“ROHGA -ARMOR FORCE-”。
目次 |
[編集] 物語
AD1999年。正体不明の組織「ラグナロック」と戦術戦闘部隊「空牙」との戦い……後に『第一次ラグナロック戦役』と呼ばれる、熾烈を極めた争いより2年。AD2001年、壊滅したはずの「ラグナロック」がオセアニア大陸で再び動き始める。活動を阻止するべく前線へ向かうのは「装甲機兵」。それは『第一次ラグナロック戦役』で得た技術を元に新たに造られた、「あらゆる任務・環境に対応可能」な戦闘兵器。「ヴァルキュリア隊」「シルフ隊」による爆撃目標を明確化させるため、完成されたばかりの「装甲機兵」が実戦テストも兼ねて投入される。……AD2001年、人類の運命は「鋼の牙を持つ狼」達に委ねられることとなる。
[編集] 概要
- 8方向レバーと3ボタン(ショット・ジャンプ・サブウェポン)で自機『装甲機兵』を操作する。ショットボタンを押しっぱなしにすることで、自機の向きを固定したまま移動できる。レバー上でショットの角度が変わり、レバー下+ジャンプでダッシュ。敵に接近すると、ショットは自動的に近接攻撃に切り替わる。ゲージを消費することで、サブウェポンを使用できる(ゲージは時間と共に回復。また、溜まっている量で威力が変わる)。
- ゲーム開始前に、自機の「ボディ(サブウェポン)」「アーム(近接武器)」「レッグ(脚部)」の各パーツ:4種類ずつの中から1つずつ選択する(途中変更不可)。選択したパーツ毎に、コードネーム(機体名:後述)が付けられている。
- メインショットは4種類あり、アイテムを取ることによって変更、パワーアップできる。また、猟兵と呼ばれるオプションがあり、脚部パーツによって2~4人まで搭乗できる。
- ゲームは、残機なしのライフ制である。しかし、ライフがなくなり自機が破壊されても、パイロットを操ってゲームを進めることが可能である。パイロット時にダメージを受けるとゲームオーバーだが、その前にアイテム(ライフ・チャージ・パワーのいずれか)を3つ取得すると機体が復活する。
- 全5面。3面からはステージが分岐されており、好きなコースを選択できる。選んだコースによって、難易度とエンディングがそれぞれ異なる(全4パターン)。
- 全12ミッションを通しで戦う、上級者用の「スペシャルモード」もある。コイン投入後、1P側のショットボタン、サブウェポンボタンを押しながらスタートボタンを押すことでプレイできる(アーケード版)。(海外版「ROHGA-Armor Force 」には日本版と違いステージセレクトが存在せず、全12ステージを通しでプレイする仕様になっていることから、一部ファンの間では「狼牙モード」とも呼ばれている)
[編集] 装備
[編集] ボディ(サブウェポン)
装甲機兵の背中に装備されている。
- ホーミングミサイル(HM)
- 多数の誘導ミサイルを発射する。チャージの段階が進むにつれて発射数が増える。
- エレクトリッガー(EL)
- 自機の周囲に放電する。4種のウェポンの中では最も威力が低いが敵弾を消すこともできる。チャージ段階により効果範囲が自機周囲→自機周囲から少し離れたところまで→画面全体へと拡大する。
- フレイムランチャー(FL)
- 自機の上に弾丸を撃ち出し、雨のように炎を降らせる。チャージ段階が進むにつれて、火炎弾を降らせる幅が広くなる。
- グレネードランチャー(GL)
- 放物線を描いて榴弾を撃ち出す。敵などに着弾すると炸裂して爆風が左右に飛び、地面に着弾すると火柱があがる。チャージ段階が進むにつれて前後1発ずつ計2発→同2発ずつ計4発→同3発ずつ計6発と発射数が増える。4種のウェポンで最も破壊力が高く、2面ボスなどは秒殺すら可能。
[編集] アーム(近接武器)
装甲機兵の左腕に装備されている。ショットボタンを連射することで、再出時間が短縮される。
- ナックルショット(NS)
- 拳で殴る。真正面リーチはパイルバンカーの次に長い。威力は最低だが、再出時間は最も短く、連射可能。
- ビームサーベル(BS)
- 剣で上段から斬りつける。自機周囲360度をほぼカバーできる。
- アイアンクロウ(IC)
- 爪で下段から斬り上げる。自機前方180度(足元~頭上)をカバーする。破壊力はビームサーベルよりも高い。
- パイルバンカー(PB)
- 杭を自機前方に真っすぐ打ち出す。リーチ・破壊力は最も高いが、上下の攻撃範囲は狭く、連射も効きづらい。
[編集] レッグ(脚部)
- 2足滑走型(2W)
- 移動速度は速め。ジャンプ力は低め。猟兵は2人まで載せることができる。
- 2足ホバー型(2H)
- 移動速度は遅め。ジャンプ力は高め。猟兵は2人まで。
- 4脚走行型(4W)
- 移動速度は最も遅い。ジャンプ力は最も高い。猟兵は4人まで。
- 6輪操舵型(6W)
- 移動速度は最も速い。ジャンプ力は最も低い。猟兵は4人まで。
[編集] 銃器(メインショット)
装甲機兵の右腕に装備されている。アイテム(後述)の1つである「パワー」により、最大3段階までパワーアップする。
- バルカンキャノン(V)
- 弾丸を扇状に発射する。初期装備。パワーアップ段階によって3方向→5方向→7方向発射に変化する。広範囲をカバーするので通常戦で使いやすい。
- クラスターガン(C)
- 弾丸の塊が回転して広がりながら真っすぐ進む。パワーアップ段階によって弾が2発セット→4発セット→6発セットと増え威力が上がる。
- グレネードガン(G)
- 着弾すると爆発する。爆風で敵弾を消すことができる。パワーアップ段階によって単発→2連射→3連射と増える。
- レーザーライフル(L)
- 攻撃力は最も高いが、攻撃範囲は非常に狭い。また、ボタンを押してから攻撃判定が発生するまでに間がある。パワーアップ段階によりレーザーの太さが3段階に変化する。パルス式ではないのでボタンを押したままにするとレーザーが垂れ流し状態になる。方向パターンが真正面向きと斜め上の2種類しかないのでレーザーで敵を「薙ぐ」ような使い方は出来ない。
[編集] アイテム
特定の位置、及び一定の点数を取得した際に現れるアイテムキャリア(青色の無人機)を破壊すると出現する。
- パワー
- 銃器の威力を1段階上げる。
- チャージ
- サブウェポンのゲージを最大にする。
- ライフパック
- 自機のライフゲージが1個回復する(最大9ライフ)。
- ウェポンチェンジ
- 銃器を変更できる。弾を当てると、V→C→G→L→V……と変化し、4周すると爆発して画面中の敵にダメージを与える。
- 猟兵
- 装甲機兵の背中に乗り、各自単発銃を撃つ。パイロット時は、パイロットの動きをトレースする。猟兵の発射する弾は見かけによらず攻撃力がある。
[編集] 解説
1989年に同社から発売され人気を博したアーケードゲーム『空牙』の続編である。しかし、ストーリー上の続編というだけで、ゲームシステム上の繋がりは全くない。
ゲームとしては、『チェルノブ』(1988年同社)をベースにした完成度の高い作りになっている。また、プレイヤーの手による自機(人型ロボット)のカスタマイズや、ライバル機や巨大ロボ・戦艦との一騎討ちといった、数々のロボットアニメ的な演出が用いられており、『機動戦士ガンダム』に慣れ親しんだ世代を中心に強い支持を集めた。しかし、操作系がやや独特であったため、敬遠するプレイヤーも少なからずいた。当時大ブームだった対戦格闘ゲームのブームに押され、早々に店頭から姿を消した例も多い。
続編に『スカルファング 空牙外伝』(1996年)がある。ただし、タイトルにもあるように空牙を基にした作品であり、ストーリー・世界観以外での関連性はない。
[編集] 移植
プレイステーション版は、2003年8月28日にハムスターより廉価版が再発売されている。
移植版の特典として、新しい操作方法を盛り込んだゲームモードや、音声・新パーツの追加など、オリジナル版にはなかった新要素が盛り込まれている。しかし、プラットフォームの違いにより、アーケード版の表現を完全に再現する事が出来なかった。
移植版で再現できなかった表現は、
- ロード中、BGMが途切れてしまう。
- 本来出現するはずの味方爆撃機が出現しない。
- サブウエポンのエネルギーチャージMAX時の音声を省略。(セガサターン版のみ)
その他、細部の演出が異なっている。
全体的な再現度はそれなりの完成度だが、この事に腹を立てた一部の熱烈なファンは、厳しい批判を下している。
[編集] 機体名一覧
※読み仮名はアーケード版に準拠。
body | arm | leg | No. | Code-Name | kana | body | arm | leg | No. | Code-Name | kana |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
HM | NS | 2W | 01 | 蒼龍 | そうりゅう | FL | NS | 2W | 35 | 阿修羅 | あしゅら |
2H | 08 | 陣風 | じんぷう | 2H | 39 | 朱雀 | すざく | ||||
4W | 12 | 黒龍 | こくりゅう | 4W | 43 | 土蜘蛛 | つちぐも | ||||
6W | 16 | 蛟 | みずち | 6W | 46 | 光焔 | こうえん | ||||
BS | 2W | 05 | 虎徹 | こてつ | BS | 2W | 36 | 閻魔 | えんま | ||
2H | 09 | 雪風 | ゆきかぜ | 2H | 40 | 荒神 | こうじん | ||||
4W | 13 | 牙竜 | がりゅう | 4W | 44 | 赤龍 | せきりゅう | ||||
6W | 17 | 閃光 | せんこう | 6W | 47 | 不知火 | しらぬい | ||||
IC | 2W | 06 | 白虎 | びゃっこ | IC | 2W | 37 | 金剛 | こんごう | ||
2H | 10 | 疾風 | はやて | 2H | 41 | 飛龍 | ひりゅう | ||||
4W | 14 | 鵺 | ぬえ | 4W | 03 | 火龍 | かりゅう | ||||
6W | 18 | 屠龍 | とりゅう | 6W | 48 | 叢雲 | むらくも | ||||
PB | 2W | 07 | 仁王 | におう | PB | 2W | 38 | 甲龍 | こうりゅう | ||
2H | 11 | 烈風 | れっぷう | 2H | 42 | 飛燕 | ひえん | ||||
4W | 15 | 白龍 | びゃくりゅう | 4W | 45 | 龍王 | りゅうおう | ||||
6W | 19 | 地龍 | ちりゅう | 6W | 49 | 大蛇 | だいじゃ | ||||
EL | NS | 2W | 50 | 閃電 | せんでん | GL | NS | 2W | 20 | 隼 | はやぶさ |
2H | 54 | 彗星 | すいせい | 2H | 24 | 迦楼羅 | かるら | ||||
4W | 58 | 電龍 | でんりゅう | 4W | 27 | 不動 | ふどう | ||||
6W | 62 | 青龍 | せいりゅう | 6W | 31 | 護法 | ごほう | ||||
BS | 2W | 51 | 紫電 | しでん | BS | 2W | 21 | 剣 | つるぎ | ||
2H | 02 | 天雷 | てんらい | 2H | 55 | 応竜 | おうりゅう | ||||
4W | 59 | 麒麟 | きりん | 4W | 28 | 玄武 | げんぶ | ||||
6W | 63 | 月光 | げっこう | 6W | 32 | 猿猴 | えんこう | ||||
IC | 2W | 52 | 震電 | しんでん | IC | 2W | 22 | 王牙 | おうが | ||
2H | 56 | 空電 | くうでん | 2H | 25 | 吹雪 | ふぶき | ||||
4W | 60 | 雷獣 | らいじゅう | 4W | 29 | 蔵王 | ざおう | ||||
6W | 64 | 武光 | ぶこう | 6W | 33 | 羅刹 | らせつ | ||||
PB | 2W | 53 | 雷火 | らいか | PB | 2W | 23 | 隼鷹 | じゅんよう | ||
2H | 57 | 流星 | りゅうせい | 2H | 26 | 鳳凰 | ほうおう | ||||
4W | 61 | 雷神 | らいじん | 4W | 30 | 夜叉 | やしゃ | ||||
6W | 34 | 電光 | でんこう | 6W | 04 | 神龍 | しんりゅう |