オロノ (メイン州)
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オロノ(Orono)は、アメリカ合衆国メイン州中央部に位置する町。州中央部の主要都市バンゴーの北東郊12kmに位置する。人口は9,112人(2000年国勢調査)。町はメイン大学がキャンパスを構える大学町として知られている。町名は周辺一帯のネイティブ・アメリカン、ペノブスコット族の首長であったジョセフ・オロノ(Joseph Orono)にちなんでいる。
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[編集] 歴史
オロノの歴史は1774年にさかのぼることができる。その年、ジェレミア・コルバーン(Jeremiah Colburn)とジョシュア・アイヤーズ(Joshua Ayers)の2人はこの地に入植地を建設した。当時はマサチューセッツ州の管轄下にあった。次いでジョン・マーシュ(John March)はコルバーンとアイヤーズの入植地の近くを流れるペノブスコット川(Penobscot River)の中州に入植した。このことから、この中州はマーシュ島(Marsh Island)と名付けられた。
1806年3月12日にはオロノは正式な町になった。1808年頃、スコットランド出身のジョン・ベノック(John Bennoch)とアンドリュー・ウェブスター(Andrew Webster)はこの一帯に有していた広大な土地を利用し、現在の町域にあたる地域にプランテーションを創った。このプランテーションはスティルウォーター(Stillwater)と名付けられた。やがてこの近辺に住んでいたネイティブ・アメリカンのペノブスコット族の首長で、独立戦争において目覚しい活躍をしたジェセフ・オロノにちなんでオロノと改名された。1820年にはメイン州がマサチューセッツ州から分離して州に昇格した。この頃のオロノは農業によって支えられていた。
やがて1862年、南北戦争の最中に当時の大統領エイブラハム・リンカーンはオロノに州立のランドグラント大学の創設を決定した。3年後の1865年にはメイン州初の州立大学、私立を含めても4校目の大学としてメイン農業・機械大学(Maine College of Agriculture and the Mechanic Arts)が創設された。キャンパスは当時の町の中心から1.6km離れたマーシュ島に創られた。創立から3年後の1868年9月21日に大学は開校した。この大学は1897年に現在のメイン大学に改称された。大学ができたことにより若者がこの町に集まるようになり、1870年には人口2,888人を数えた。
[編集] 地理
オロノは北緯44度53分59秒西経68度40分28秒に位置している。バンゴーの北東郊12km、ポートランドの北東約220km、ボストンの北東約390kmに位置している。
アメリカ合衆国統計局によると、オロノ町は総面積51.2km²(19.8mi²)である。そのうち47.2km²(18.2mi²)が陸地で4.1km²(1.6mi²)が水域である。総面積の7.94%が水域である。
町はペノブスコット川の西岸に位置し、支流であるスティルウォーター川(Stillwater River)で分かたれている。ダウンタウンはペノブスコット川とスティルウォーター川に囲まれた中州のマーシュ島と本土側の両方に広がっている。メイン大学はマーシュ島側に立地している。町の北約8km、マーシュ島の北端にはオールドタウンの市営空港であるデウィット・フィールド(Dewitt Field)がある。同空港はジェネラル・アビエーション(General Aviation)と呼ばれる、自家用機およびチャーター機が主に離着陸する空港であり、旅客機の定期便はない。
オロノの気候は典型的なニューイングランドの気候で、涼しく雨の多い夏と寒さの厳しい冬に特徴付けられる。夏の平均気温は摂氏20度ほどである。冬は平均でも氷点下8度ほどで、氷点下10度を下回ることも珍しくない。降水量は1年を通じてほぼ一定で、年間1,000mm程度である。冬の降雪量は月間50cmにも達する。
[編集] メイン大学
オロノはメイン大学がキャンパスを構える大学町である。メイン州ではベイツ大学、ボードイン大学、コルビー大学の私立3校がよく知られているが、これら3校が少数精鋭制を採り、教養に力を入れるリベラルアーツ・カレッジであるのに対し、このメイン大学は約11,000人の学生を抱える州立の中規模総合大学で、実学に力を入れている。特に創立以来からの伝統である工学の分野に強く、経営学や森林学の分野でも定評を得ている。州きっての州立総合大学ということもあり、学生のほとんどはメイン州出身である。
また、メイン大学はキャンパス内にある3つの植物園でも知られている。1934年に開園したフェイ・ハイランド植物学プランテーション(Fay Hyland Botanical Plantation)はスティルウォーター川の河岸に約40,000m²の敷地を有し、メイン州自生のものをはじめ、世界中の木本植物が植えられている。ライル・E・リトルフィールド観賞植物実験園(Lyle E. Littlefield Ornamentals Trial Garden)は植物園と研究所に分かれ、約65,000m²の敷地を有している。草本・木本合わせて2,500種の植物が栽培されており、特にリンゴ(210種)、ライラック(180種)、ツツジ(150種)、マグノリア(30種)のサンプルが豊富である。その近くには1,400m²の温室、ロジャー・クラップ温室群(Roger Clapp Greenhouses)が建っている。初期は3棟の温室からなり、それぞれ1924年、1928年、1932年に建てられた。1977年には改装され、温室が7棟になった。1980年には同校の園芸学教授を長年務めた教授、ロジャー・クラップの名がつけられた。この温室では世界中の熱帯植物や砂漠植物が栽培され、特にバナナやサボテン、多肉植物のサンプルが豊富である。これら3つの植物園は、メイン大学の研究・教育のために使われている部分を除いて、一般に公開されている。
メイン大学はオロノにおける文化面でも重要な位置を占めている。1986年に開館したメイン芸術センター(Maine Center for the Arts)はキャンパス内に立地するコンサートホールである。同館ではメイン大学の学生などによる各種演技芸術のほか、全米最古のコミュニティ・オーケストラであるバンゴー・シンフォニー・オーケストラ(Bangor Symphony Orchestra)の公演も行なわれている。同館内にはハドソン博物館(Hudson Museum)もある。ハドソン博物館はネイティブ・アメリカンの歴史や芸術に関する展示物を揃えている。
[編集] 人口動勢
基礎データ
- 人口: 9,112人
- 世帯数: 2,691世帯
- 家族数: 1,291家族
- 人口密度: 193.2人/km²(500.3人/mi²)
- 住居数: 2,899軒
- 住居密度: 61.5軒/km²(159.2軒/mi²)
人種別人口構成
- 白人: 93.54%
- アフリカン・アメリカン: 1.38%
- ネイティブ・アメリカン: 0.95%
- アジア人: 2.39%
- 太平洋諸島系: 0.07%
- その他の人種: 0.52%
- 混血: 1.15%
- ヒスパニック・ラテン系: 1.21%
年齢別人口構成
- 18歳未満: 11.9%
- 18-24歳: 47.9%
- 25-44歳: 17.1%
- 45-64歳: 13.8%
- 65歳以上: 9.3%
- 年齢の中央値: 22歳
- 性比(女性100人あたり男性の人口)
- 総人口: 102.5
- 18歳以上: 102.1
世帯と家族(対世帯数)
- 18歳未満の子供がいる: 21.7%
- 結婚・同居している夫婦: 36.6%
- 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 8.5%
- 非家族世帯: 52.0%
- 単身世帯: 31.5%
- 65歳以上の老人1人暮らし: 10.0%
- 平均構成人数
- 世帯: 2.23人
- 家族: 2.81人
収入と家計
- 収入の中央値
- 世帯: 30,619米ドル
- 家族: 52,714米ドル
- 性別
- 男性: 35,923米ドル
- 女性: 24,943米ドル
- 人口1人あたり収入: 14,813米ドル
- 貧困線以下
- 対人口: 25.0%
- 対家族数: 10.3%
- 18歳未満: 21.8%
- 65歳以上: 6.2%
[編集] 参考文献
- en:Orono (town), Maine 11/26/2006 12:30 (UTC)
- en:University of Maine 11/26/2006 12:25 (UTC)
- en:Fay Hyland Botanical Plantation 9/25/2006 11:00 (UTC)
- en:Lyle E. Littlefield Ornamentals Trial Garden 9/13/2006 3:14 (UTC)
- en:Roger Clapp Greenhouses 9/13/2006 3:15 (UTC)
- en:Maine Center for the Arts 10/29/2006 6:07 (UTC)
- en:Hudson Museum 10/20/2006 22:46 (UTC)
- A Gazetteer of the State of Maine. Geo. J. Varney. B. B. Russell. Boston, MA. 1886. [1]
[編集] 外部リンク
- Town of Orono Official Website(英語版)
- History of Orono, Maine(英語版) - A Gazetteer of the State of Maineに記されたオロノの歴史
- University of Maine(英語版)
- City-Data.com - Orono, Maine(英語版)
- Orono, ME(Yahoo!Map地図)