カレリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カレリア(Karelia, Karjala)は、フィンランドの南東部からロシアの北西部にかけて広がる森林と湖沼の多い地方の名前である。そこに住む人たちのことをカレリア人と呼ぶ。フィンランド、ロシア、スウェーデンにとって歴史的にも重要な地方である。今日、政治的にはロシア共和国のレニングラード州とフィンランドの北カレリア、南カレリアに分割されている。全盛期のスウェーデン・バルト帝国は、ホワイト・カレリア(White Karelia)、オロネッツ・カレリア(Olonets Karelia)を除いた地域を支配していた。カレリアは、18世紀半ばには、全てロシア帝国に割譲された。1918年のフィンランド独立によりホワイト・カレリア、オロネッツ・カレリア、イングリアを除く地域はフィンランドの一部となったが、1939年の冬戦争および1941年の継続戦争によってカレリア地峡(Karelian Isthmus)およびラドガ・カレリア(Ladoga Karelia)はソ連に割譲され、現在に至っている。
カレリアは、カレリア語とフィンランド語ではKarjala(カリャラ)、ロシア語ではКарелия(カレリヤ)、スウェーデン語ではKarelen(カレーレン)と表記する。
カレリアはフィンランド人にとっては、精神的な故郷ともいわれ、国民的な抒情詩「カレワラ」はここで育まれたもので、作曲家ジャン・シベリウスの交響詩「フィンランディア」もカレリアの原風景からその着想を得たものだといわれている。なお、シベリウスの作品には、劇付随音楽及びそれから派生した序曲・組曲として「カレリア」を題名に持つ作品もある。
ちなみに現在ロシア領となっているホワイト・カレリア以北のコラ半島を中心とした地域は、同じウラル語族のサーミ人の歴史的地域でもある。また、現在ロシア領となっているイングリア(Ingria, インゲルマンラント)は、フィン人を構成するフィン・ウゴル族(ウラル語族)の故地でもある。
[編集] 関連項目
カテゴリ: フィンランドの歴史 | フィンランドの歴史的地域 | フィンランドの地理 | ロシアの地理 | ロシアの歴史的地域 | スウェーデンの歴史的地域 | 北欧史