ケムール人
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ケムール人は、特撮テレビ番組『ウルトラQ』に登場した架空の宇宙人。以後のウルトラシリーズにも度々登場している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ウルトラQに登場したケムール人
『ウルトラQ』第19話『2020年の挑戦』(1966年5月8日放送)に登場。
2020年と言う未来の時間を持つ世界から来た誘拐怪人。人類の未来の姿であるともいわれるが定かではない。地球来訪前に彼らと交信した内容を記録したという神田博士の著書『2020年の挑戦』によれば、医学の驚異的な発達により、内臓移植や皮膚の生成を繰り返して500歳という長寿を保てるようになったが、歳月と共に進行する肉体の衰えには勝てず、地球人の若い肉体に目をつけた。肉体が衰えている種族だが、それでも地球人を遥かに凌ぐ身体運動能力を備えており、本気で走れば自動車ですら追いつけないほどの速度で走り回る。頭頂部から「消去エネルギー源」と呼ばれるゼリー状の可燃性物体を操り、人間を次々と誘拐していき、一時は物語の主人公万城目淳をも虜にした。警官隊により遊園地に追い詰められ、銃撃を受けると巨大化して観覧車などを破壊したが、神田博士の発明した「Kミニオード」から発せられる「Xチャンネル光波」を東京タワーから照射されて倒れ、頭頂部から液体を滴らせて消滅する。
だが、残った水たまりには人間を消去する機能がまだ残っていたため、事件解決後に不用意にその水たまりに触れた宇田川刑事は足の方から消滅し、行方不明となってしまった。
- 後に『ウルトラマン』に登場するゼットン星人とよく似ているが、関係は一切不明である。ゼットン星人の方も肉体的には滅びかけた種族であるとされている。
- 後にウルトラマンを演じた古谷敏がスーツアクターを担当。
- 声は1963年公開の東宝映画『マタンゴ』に登場する怪物マタンゴのものを流用しており、バルタン星人の声と同一である。
[編集] ウルトラマンに登場したケムール人
『ウルトラマン』第33話「禁じられた言葉」に登場。
- 身長:55メートル
- 体重:1万6千トン
- スーツアクター:三山登士
地球征服を目論むメフィラス星人の配下として登場。巨大化した姿でバルタン星人、ザラブ星人と共に東京に現れたが、何もせずに姿を消したため、メフィラス星人が地球人を威嚇するための幻だったのではないかともいわれている。頭部のみがオリジナルでボディは新造されている。
シナリオではケムール人ではなく、ダダの予定だった。そのためか、実際には戦っていないのに科特隊のムラマツキャップは「我々が倒したはずだぞ!」と発言している。楳図かずおの漫画版ではバルタン・ザラブ・ケムールに加えダダも登場しており、4体で一斉にウルトラマンと戦闘までしている。
[編集] ウルトラスーパーファイトに登場したケムール人
ビデオ『ウルトラスーパーファイト』第3話「ケムール! 交通道徳を守れ」、第6話「アストラ! お前が悪いのだ」、第9話「恐怖の背後霊怪獣」、第13話「荒野の卑怯者」に登場。
[編集] ウルトラQ倶楽部に登場したケムール人
ラジオ番組『ウルトラQ倶楽部』第8話「2025年からの使者(前編)」、第9話「2025年からの使者(後編)」、第11話「諸人こぞりて(続・2025年からの使者)」、スペシャル「恐怖の2020年ケムール人再び来たる」に登場。
[編集] その他
- 1993年にサントリーのジンのCMに登場した。そのCMにおいてソーダとジンを混合したものをケムールジンとしていた。
- 『ウルトラマン』最終回にゼットンを伴って襲来した宇宙人は、撮影にケムール人のマスクを流用し、人間に化けていたため服を着ていて肢体の形状はわからず、しかも劇中で呼称が明らかにならなかったため、後にゼットン星人と発表されるまで、ファンや二次メディアの間でケムール人と扱われていた。
- 初代の着ぐるみは頭部は『ウルトラマン』のゼットン星人に、胴体は『快獣ブースカ』の原始人に流用されている。
- 二代目の胴体は『ウルトラセブン』のキュラソ星人に流用されている。キュラソ星人もケムール人のリメイク的な宇宙人で同様に眼球が動くギミックが頭部に内蔵されていた。
- 『ウルトラQ』のリメイク版テレビ番組『ウルトラQ dark fantasy』の最終話、「虚無の扉」は上述の「2020年の挑戦」へのオマージュとなっており、劇中にはケムール人のリメイク怪獣のレキューム人が登場している。