バルタン星人
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バルタン星人(バルタンせいじん)は、円谷プロダクションが制作した特撮テレビ番組シリーズ「ウルトラシリーズ」に登場した架空の宇宙人である。別名「宇宙忍者」。
[編集] 概要
『ウルトラマン』の第2話「侵略者を撃て」に初めて登場した。蝉に似た顔、細くとがった口吻、ザリガニのような大きなハサミ状の手をもった直立二足歩行型の宇宙人である。本来は、侵略目的で地球を訪れたのではなく、故郷であるバルタン星が発狂した科学者による核実験により破滅し、偶々宇宙旅行中であった20億3000万人のみが運良くこれから逃れ、その身をバクテリア大に縮小して放浪の旅を続けていたところ、地球を発見して宇宙船の修理を目的として来訪した。科特隊員との会話の中で生命の概念を理解できない様子を見せており、地球人とは異なる生命観を持っているらしいことが推測される。
着ぐるみは前作の『ウルトラQ』第16話「ガラモンの逆襲」に登場したセミ人間を改造したもの。命名は第2話の監督・脚本を担当した飯島敏宏による。名称の由来は、ヨーロッパの火薬庫といわれ紛争の絶えなかったバルカン半島に由来すると言う説と、当時の人気歌手シルヴィ・バルタンから由来すると言う説があるが、飯島本人の回顧録によれば正しいのは前者で、母星が兵器開発競争に滅んだため、移住先を求めて地球にやってきたという設定をバルカン半島の状態に重ねている。後者は、当時円谷プロで企画室長を務めていた金城哲夫の勘違いから発生した間違いであるとのこと。
特徴的である巨大なハサミのアイデアは飯島敏宏によるもので、デザイナーの成田亨は当初、高度な知能を持った生き物がこのような巨大なハサミであるわけがないとして、道具を扱えるような人間の手に近い大きさのハサミをデザインしたが、飯島敏宏のアイデアが優先され現在にみるデザインに至った。また、この巨大なハサミは相当な重量があり、スーツアクターが演技をする際に地面と水平にしてハサミを維持することが困難であったことから、ハサミを縦にして上下に揺さぶる独特なポーズが生まれた。余談だが成田亨にとって、セミ人間の改造が前提であること、ハサミのアイデアに違和感があったこと、以上2点から初代バルタン星人のデザインは気に入っていないと自伝にて回顧している。
一般に「フォッフォッフォッフォッ」と表記される独特の声(1963年製作の東宝映画『マタンゴ』に登場するマタンゴの声を流用)と分身を使った神出鬼没ぶりが非常に印象的であるため、『ウルトラマン』の第16話に再登場したのみならず、後のウルトラシリーズ全般にわたってたびたび登場した。同シリーズでは最も多く登場したこと等から、ウルトラヒーローの好敵手として、幅広い層の人気と認知を得ている。
- デザイン:成田亨
- 造型:佐々木明(※セミ人間の造型は高山良策による)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ウルトラマンに登場したバルタン星人
[編集] 初代
『ウルトラマン』第2話「侵略者を撃て」(1966年7月24日放送)に登場。
- 身長:ミクロ~50メートル
- 体重:最大2万トン
- スーツアクター:佐藤武志
故郷の星を失い、宇宙船で20億3千万人の仲間と共に放浪していた宇宙人で、宇宙忍者という異名どおり、多彩かつ特異な能力を持っている種族。防衛軍の核ミサイル「はげたか」により倒れるも、すぐに脱皮して復活した。書籍によっては、この「はげたか」により分身1体分が倒されたと表記しているものもある。宇宙船の修理のために偶然立ち寄ったのが地球であり、その美しさに魅せられて、地球人の存在を否認した上で、地球への移住を断行しようとするが、ウルトラマンと科学特捜隊により失敗。武器は両手の鋏から出す、赤色凍結光線と破壊光弾。防御能力として数多の分身を作ることができる。そのほか、地球の言語をこの時点では理解出来なかったために、一時はアラシの体に乗り移り、その脳髄を借りてイデ、ハヤタと会話した。巨大化して破壊活動を行い、ウルトラマンと主に空中戦を繰り広げ、片方の鋏をへし折られるも、残りの方から破壊光弾を発射して反撃したが、最期は弱点であるスペシウム光線を浴び墜落、炎上した。宇宙船は、雲中に潜んでいたところをウルトラマンに発見され、スペシウム光線で爆破された。約20億人のバルタン星人がこれにより死亡したが、これで彼らが全滅したわけではなかった…。
- 宇宙船にいたバルタン星人達が地球侵略に関わっていたか甚だ疑問であり(20億人もいれば簡単に意見が一致するとは考えられないし、しかも他のバルタン星人達は宇宙船で冬眠していた)、地球侵略に関してはウルトラマンと交戦したバルタン星人の独断である可能性も考えられる。そのため、20億人以上のバルタン星人もろとも宇宙船を破壊したウルトラマンの行動は「罪のないバルタン星人達を大量虐殺した」と非難するファンもいる。また、その後バルタン星人が度々地球侵略もしくはウルトラマンへの復讐のために現れるようになったのもこの事が原因である可能性も充分に考えられる。一方で、ハヤタとの会話において「生命」の概念を理解していなかった事、多数の個体が合体して巨大化したりする生態などから、彼らが同じ精神を共有する群体生物であり、冬眠する際にはそれなりに自分たちの意見を反映させられる者に星探しをさせたはずだから、地球侵略はやはり彼らの総意だったのではないかとする意見もある。このような意見が出ている事に配慮したためかはわからないが、『ウルトラマン THE FIRST』ではバルタン星人の宇宙船は自爆した事になっている。
- 戦闘中にハサミが破損するが、撮影現場で本当にハサミが破損したため、後からフォローで戦闘中に割れるシーンが撮影された。ハサミはコルクに石膏を塗ったような物で造型されていたといわれている(2代目以降はFRPで造型されたと思われる)。
[編集] 二代目
『ウルトラマン』第16話「科特隊宇宙へ」(1966年10月30日放送)に登場。
- 身長:ミクロ~50メートル
- 体重:最大2万トン
- スーツアクター:飛鋪正直
先に、ウルトラマンによって壊滅的な被害を受けたが、何とか生き延びた集団はR惑星に逃れていた。新たな故郷を見つけたものの、地球侵略とウルトラマンへの復讐の機会を窺っていた。地球で毛利博士による人類初の有人金星探検が行われようとしていることを知ると、ロケットで金星へと旅立った毛利博士を捕らえてこれに乗り移り、科特隊とウルトラマンをおびき寄せ、その隙に大挙して地球を制圧せんと図った。しかし、新兵器・マルス133を開発した科特隊とテレポーテーションを使用したウルトラマンによってその計画は失敗に終わった。特徴として、無数のミニバルタンになることができる。また胸部にスペルゲン反射板を装備。スペシウム光線を跳ね返すことが可能になった。更には光波バリヤーを張り巡らせることが可能になり、これによって八つ裂き光輪を防いだ。武器は鋏から発せられる重力嵐。その他ミニバルタンが手から破壊光弾を発射する。1回目はウルトラマンに襲い掛かろうと飛翔したところを縦に八つ裂き光輪で切断された。2回目は光波バリヤーにより一度は八つ裂き光輪を防ぐが、ウルトラ眼光により光波バリヤは無効化され、同じく飛翔したところを八つ裂き光輪で縦に切断されて、半身ずつに止めのスペシウム光線を喰らい倒れた。
- 初代の着ぐるみがアトラクションで出払っていたため(ハサミが割れるなど撮影でボロボロになりほぼ新造に近い改修をされアトラクションにしか使えなかったともいわれる)、着ぐるみは新規造型となり、より細身になった。こちらの方が成田亨によるデザイン画に近い。色彩は全体的に茶色で、顔とハサミが銀色。
- 声:西田昭一
[編集] 三代目
『ウルトラマン』第33話「禁じられた言葉」に登場。
- 身長:50メートル
- 体重:1万5千トン
- スーツアクター:渡辺白洋司
地球人に対し、自分の力を誇示せんとしたメフィラス星人が、東京・丸の内のビル街に登場させた。実際に暴れ回ったわけではなく、すぐに消えてしまったことから、ただの幻影であると見る向きもある。また実体であり巨大フジ隊員に変身していたという説もある(巨大フジ隊員が消えた直後に同じ場所からバルタンが現れたため)。なお、書籍では「メフィラス星人にあやつられている」と記されている場合があるので、これらの真偽は不明である。形態は2代目と同じだが、色彩は初代に近い。
[編集] 帰ってきたウルトラマンに登場したバルタン星人
[編集] バルタン星人Jr.(四代目)
特撮テレビ番組『帰ってきたウルトラマン』第41話「バルタン星人Jr.の復讐」に登場。
- 身長:ミクロ~45メートル
- 体重:最大時3万トン
バルタン星人Jr.はウルトラマンに倒された初代バルタン星人の息子で、復讐のため地球に襲来。建設中のビルを改造したビルガモを操り、MAT隊員らをビルガモの体内に監禁して人質とした。色彩は全体的に黒光りしており、子供だけあって鋏も先代に比べて小さい。笑い声も「フォッフォッフォッ」ではなく普通の高笑いとなっている。ウルトラマンを苦しめたが、ビルガモが倒されると巨大化してウルトラマンの目の前に現れ、「勝負はまだ一回の表だ」とリベンジを示唆する台詞を残して飛び去るが、背後からスペシウム光線を浴びせられ、白い十字光を発して姿を消した。その後の生死は不明である。
劇中ではこれといった特殊能力や武器は披露していないが、実際は先代と同様に多彩な武器・能力を持っていると思われる。
- 着ぐるみは『ウルトラファイト』に登場したバルタン(アトラクション用を転用)から型取りして新規造型されたものである。
- 声:阪脩
[編集] ザ☆ウルトラマンに登場したバルタン星人
テレビアニメ『ザ☆ウルトラマン』第8話「ヒカリ隊員の秘密が盗まれた!?」に登場。
- 身長:ミクロ~90メートル
- 体重:最大時5万4千トン
地球制覇に邪魔なウルトラマンジョーニアスを倒すべく作戦を決行。怪獣ミコノスを出現させ、ジョーニアスと戦わせてその戦闘データを収集したうえで戦闘に挑んだ。アニメ作品ならではの細身のスタイルで、武器は巨大な鋏から発射するS電光。鋏による締め付けなどでジョーニアスを苦しめるが、最後はプラニウム光線に敗れた。声は、バルタン星人の声として定着している笑い声ではなく、異様な叫び声であった。
- 声:寺島幹夫
[編集] ウルトラマン80に登場したバルタン星人
[編集] 五代目
特撮テレビ番組『ウルトラマン80』第37話「怖れていたバルタン星人の動物園作戦」に登場。
- 身長:ミクロ~50メートル
- 体重:最大時1万5千トン
幾度となく地球に襲来してはウルトラ族と激闘を繰り広げたバルタン星人が、今度はウルトラマン80に矛先を向けて襲ってきた。宇宙に新たなるバルタン星を建造した科学力と技術力を誇る(二代目の時に移り住んだR惑星をそのままバルタン星と呼ぶようになった説もある)。自分達は優秀な種族だと思っており、そのため自分達よりも劣る異星人や宇宙生物を葉巻型の宇宙船に収容しては、下等生物としてバルタン星の宇宙動物園に送り込んでいる。恨み重なるウルトラ族の一人である80も下等動物としてバルタン星の動物園に収容するべく作戦を開始、政夫という少年に変身してUGM基地に潜入し、シルバーガル(戦闘機)内で矢的隊員と二人きりになったところで正体を現し捕らえようとする。しかし脱出され、巨大化して80と対決。鋏からの光線(書籍ではバルタンファイヤーとも)や格闘、瞬間移動、宇宙船との連携攻撃などを駆使して地上や空中で激しい戦いを繰り広げたが、最後はハンマー投げの要領で宇宙船にぶつけられて爆死してしまった。
- 声:水鳥鐵夫
- 既に新たな故郷を見つけているにも関わらず地球に襲来してウルトラマンを襲う(それも動物園に入れるという屈辱を味わせようとする)辺りに、彼らのウルトラマンに対する復讐心の高さが伺える。
[編集] 六代目
『ウルトラマン80』第45話「バルタン星人の限りなきチャレンジ魂」に登場。
- 身長:ミクロ~50メートル
- 体重:最大時1万5千トン
宇宙に造り上げた新バルタン星からまたしても地球征服のためにやってきた限りなきチャレンジ魂の持ち主。姿形は5代目のものと全く同じだが、目的は異なる。偽のUFO写真を子供達の間にばら撒き、それを元にいさかいを起こしていた。最終的には子供同士の喧嘩から大人同士、果ては国同士の戦争にまで発展させて人類の滅亡を企む。饒舌さには更に磨きが掛かっており「お釈迦様でもご存知あるめえ!」など妙な日本語をやたらとよく話す。自分の顔を模した小型UFOに乗って子供達の前に飛来し鋏から出した白い光線状の袋で捕らえた。しかし、矢的隊員の銃撃でUFOを破壊され業を煮やして巨大化、あらかた破壊活動を行った末、変身したウルトラマン80と直接対決となる。前述のユニークな言動とは裏腹に、両手の鋏から強力な火炎(書籍ではエクシードフラッシャーとも)やミサイル弾を放ち、瞬間移動や格闘術にも長けた強敵で、子供達を人質にとられたこともあって、80も苦戦を強いられたが、最期は80が初代ウルトラマンから学んだウルトラスラッシュを受けて倒され、子供達も救出された。
これを最後に『初代マン』から続くバルタン星人の地球侵略もしばらくはなりを潜める事となった。(世界観の繋がった『ウルトラマンメビウス』においても六代目の後を受けたバルタン星人が登場することは無かった。)
- 声:西村知道
- 事実上、テレビ版の昭和ウルトラシリーズで最後に登場した宇宙人(怪獣頻出期に最後に出現した宇宙人)でもある。
- 五代目と六代目は、口の部分がブタの鼻のような形状をしていることから、ファンの間では「ブタ鼻バルタン」とも呼ばれている。また、着ぐるみは映画『ウルトラマン怪獣大決戦』の新撮シーンに登場したものを改造した。
[編集] ウルトラマンパワードに登場したバルタン星人
[編集] パワードバルタン星人(七代目)
特撮ビデオ作品『ウルトラマンパワード』第1話「銀色の追跡者」(米国版サブタイトル:ON A MISSION FROM M78)、第13話「さらば! ウルトラマン」に登場。
- 身長:ミクロ~65メートル
- 体重:最大2万3千トン
これまでに多くの惑星を滅ぼしてきた凶悪な宇宙人で、地球の衛星軌道上に大型母艦で飛来、地球へは先遣隊として3体が降り立った。その後、ロサンゼルスの倉庫街で侵略の準備を行った。デザインが鋭角的なものに変更されている。ウルトラマンパワードに追われて、地球へ飛来した。エドランド隊長たちの攻撃により、バズーカ砲で倒されたかに見えたが、その後すぐに復活。分身というより幻惑のような撹乱を行い、パワードとの戦闘時に羽を展開して飛行、空中戦の後にメガスペシウム光線で倒された。
第13話では、同タイプの個体がサイコバルタン星人(後述)と共に宇宙船で地球に飛来していた(護衛的な役目をしていたと思われる)。
[編集] サイコバルタン星人(八代目)
『ウルトラマンパワード』第13話「さらば! ウルトラマン」(米国版サブタイトル:THE FINAL SHOWDOWN?)に登場。
- 身長:ミクロ~75メートル
- 体重:最大2万6千トン
バルタン星人の長という設定があり、通常のバルタン星人と比べ頭脳が異常発達しており、頭骨から露出している。巨大な頭は通常のバルタン星人より念動力が強いのだといわれるが定かではない(書籍等では、この頭からサイコウェーブという念動波を出して部下のバルタンや怪獣を操る設定がある)。ドラコを操っていた黒幕で、ドラコとウルトラマンパワードの戦闘データをゼットンに与え、地球へ送りこんで、ウルトラマンパワードを苦しめた。パワードがゼットンと相打ちになって倒れた後、巨大な宇宙船で地球に飛来。W.I.N.R.のスカイハンターと対決するが、パワードの仲間と思われる2体の赤い玉(M78星雲人)がスカイハンターに加勢、ビームで攻撃されて宇宙船ごと爆破された。
劇中では常に宇宙船内にて策を巡らせていたが、NGシーンでは、部下と思われる他のバルタン星人と共に地球へ降り立ち、パワードの死体を確認するシーンが存在した。
[編集] ウルトラマンコスモスに登場したバルタン星人
[編集] バルタン星人ベーシカルバージョン
映画『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』に登場。
- 身長:50メートル
- 体重:3万5千トン
故郷の星を失い、地球へ来襲した宇宙生命体。この来襲がウルトラマンコスモスが地球圏に来るきっかけになった。子供たちの為に地球を安住の地にしようと画策し、宇宙船「廃月」(小惑星あるいは隕石を居住できるように改造したと思われる)で戦線布告をし、遺跡公園の呑龍を復活させたりした末にコスモスと激闘になる。武器は鋏から発射する様々なタイプの光線。他にも下半身のヒレを翼のように広げ足の形状も変化させての飛行や、分身や脱皮など多彩な能力を持つ。最後はコスモスの力の前に自ら命を絶った。音楽を聞くと眠ってしまうという性質を持つ。戦闘時には下記のネオバルタンに変身する。
[編集] ネオバルタン
映画『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』に登場。
- 身長:51メートル
- 体重:4万5千トン
上記のバルタン星人ベーシカルバージョンの戦闘形態。甲冑を纏った黒騎士のような禍々しい姿となり、両腕にはバルタン星人に共通する巨大な鋏を持たず、剣や鋼槍、カギ爪などを装備する。この両腕から剣型の光線「バッドナイフ」や光のムチ「バンドルコード」などを放つ。これらの能力を駆使してコスモスと互角の戦いを繰り広げたが、最終的には敗北して自爆、死後コスモスに元の姿に戻された。
- 声:郷里大輔
[編集] チャイルドバルタン
映画『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』に登場。
- 身長:120センチメートル
- 体重:15キログラム
上記のバルタン星人ベーシカルバージョンの子どもである。このうち、春野ムサシの友達マリに乗り移ったシルビィという名のチャイルドバルタン(名前の語源はおそらくシルビィ・バルタンから)はマリと友達(メル友)になり、後の劇場版二作品にも登場している。
[編集] ウルトラマンマックスに登場したバルタン星人
[編集] タイニーバルタン
『ウルトラマンマックス』第33話「ようこそ! 地球へ 前編 バルタン星の科学」及び第34話「ようこそ! 地球へ 後編 さらば! バルタン星人」 に登場。
- 身長:ミクロ~1.5メートル
- 体重:0.1グラム~55キログラム
別名「子供の超科学星人」。ダークバルタンによる地球襲撃を伝えるためにやってきたバルタンの中の穏健派。一人称は「僕」だがバルタン星では女の子ということになっており、人間の少女に変身し、両手でVサインをして「バルルン」と唱えることでバルタンの超科学力による様々な不思議な現象を引き起こすことが出来る。ホウキにまたがって空を飛ぶなど、魔法少女的な描写であった。
- 出演:半田杏
[編集] ダークバルタン
『ウルトラマンマックス』第33話「ようこそ! 地球へ 前編 バルタン星の科学」及び第34話「ようこそ! 地球へ 後編 さらば! バルタン星人」 に登場。
- 身長:ミクロ~51メートル(超巨大化で357メートルになる事も可能)
- 体重:0.1グラム~3万9千トン(超巨大化で27万3千トンになる事も可能)
別名「超科学星人」。地球人を「地球を汚し尽くして次は月や火星を我が物にしようとする宇宙の侵略者」として敵視するバルタンの中の過激派。反重力による攻撃を得意とし、超巨大化やクローンによる無数の分身、バラバラにされた身体の回復などウルトラマンマックスを上回る能力を発揮。ギャラクシーカノンすら胸のスペルゲン反射鏡で跳ね返した。本人曰く、「バルタンの科学はウルトラの星の科学を超える」とのこと。バルタン星人は、元々は地球人と同じ姿をしていたが、度重なる核戦争によって今の姿に進化したと言われている。バルタン星の科学には相当なまでの自信を持っているようで、やたらと自分の能力を自慢する(シリーズ中最も多く喋った宇宙人といえる)。
一度は超巨大化でエネルギーを消耗した上、拘束光線で身動きの取れなくなったマックスを倒し、復活したマックスとの戦いも終始優勢であったが、タイニーバルタンがバルタン星から持ち帰った銅鐸の音色を聞いて戦意を喪失。平和を愛する心を取り戻してタイニーと共にバルタン星へ帰る。
- 出演:尾崎右宗
- 常識を超えた様々な特殊能力、さらにはシリーズで初めてウルトラ戦士に勝利(しかも圧勝)したことから、歴代バルタン最強との呼び声も高い(それまでバルタン星人は何度もウルトラマンに挑んでは負けているので、ライバルキャラではあるが強さはイマイチという声が多かった)。
[編集] アンドロメロスに登場したバルタン星人
[編集] メカバルタン
特撮テレビ番組『アンドロメロス』に登場。
- 身長:50メートル
- 体重:2万2500トン
体の一部を機械に改造されている。グア軍団の一員として登場。ウルトラマンに倒された初代バルタン星人を改造して蘇らせたという説もある。改造された鋏とメカ爪が武器。改造されてグア軍団の支配下に置かれているのか、言葉や鳴き声は一切発しない(漫画版では普通に喋っている)。ファイティングベム・ザビデンと共にアンドロ超戦士達を苦しめるが、アンドロフロルのバリヤーで跳ね返された怪獣戦艦の攻撃を喰らい絶命。味方の攻撃でやられたことを哀れんだフロルの提案により、遺体は丁重に葬られ、墓が作られた。グラビア版のウルトラ超伝説では、最初、生身のバルタン(姿は80登場時のもの)がメロスと対決し、後にジュダが復活した改造怪獣を率いてきた際、メカ改造された姿となって登場した(この時は改造バルタン星人と呼ばれている)。後述の漫画版でも度々登場している。
[編集] ウルトラファイトに登場したバルタン星人
[編集] バルタン
特撮テレビ番組『ウルトラファイト』の新撮部分に登場。
『ウルトラファイト』では宇宙人も怪獣扱いするため、バルタンと呼ばれた。
戦いに際しては初代同様分身の術で相手を幻惑する。相手を待ち構えて背後から攻撃したり、味方と思わせて不意打ちを喰らわせるなど、卑怯な戦法を得意とする。一度はウルトラセブンの「地獄の三角斬り」で両腕と頭を切断され敗れ去るが、その後何事もなかったかのように再登場。
第195話「激闘! 三里の浜」ではハサミ状ではなく人間と同じ形状の手で棒を持ったバルタンが、エレキング、キーラー、イカルス、ウーとともにウルトラセブンに挑むも返り討ちになった。初代を大改修した(耳などに面影が残る)アトラクション用のぬいぐるみが使用された。
[編集] レッドマンに登場したバルタン星人
特撮テレビ番組『レッドマン』に登場。
ジラースとともに登場。ジラースと共にレッドマンと戦うが敗れた。
[編集] ウルトラスーパーファイトに登場したバルタン星人
ビデオ『ウルトラスーパーファイト』第1話「ウルトラマン大ピンチ!!」に登場。
突如姿を現し、街を攻撃。そこへウルトラマンが登場して対決になる。鋏からの攻撃で苦しめるが、最後はウルトラアタック光線を喰らい倒れた。
[編集] ウルトラマンボーイのウルころに登場したバルタン星人
特撮テレビ番組『ウルトラマンボーイのウルころ』第90話「侵略作戦どっちにするの?」に登場。
マグマ星人と地球侵略の密談をし、地球侵略は頭を使った作戦でいくべきと勧めるが、マグマ星人は力押しで攻めるべきだと反論したために殴り合いをはじめ、ともに気絶。気づいて和解したところをウルトラマンAに倒された。
他、第25話「ウィークポイント!」ではザラブ星人がウルトラマンAとの対決中にバルタン星人の姿に変身している。
[編集] ウルトラマンノアに登場したバルタン星人
テレビマガジン、てれびくんでのウルトラマンノアの雑誌連載「バトルオブドリームNOA」に登場。
- テレビマガジン版
- ダークザギの部下として怪獣墓場から怪獣達を復活させ暴れさせていた。ウルトラマン、ウルトラセブン、ゾフィーと協力したウルトラマンノアと怪獣墓場で対決。しかし、怪獣軍団は次々に倒され、自身もノアのグラビティノアで他の怪獣共々倒された。
- てれびくん版
- 軍団で全宇宙征服計画を開始。宇宙をパトロール中のウルトラマンに襲い掛かるが、現れたウルトラマンノアによって全滅させられた。アトラクション用の初代が数体の他、ウルトラファイト版や五代目&六代目、メカバルタンの姿も確認できる。
[編集] ウルトラマン物語に登場したバルタン星人
1984年の映画『ウルトラマン物語』に登場。
宇宙の帝王ジュダの配下として再びウルトラマン80に挑んだが、ウルトラマン80の反撃で あっさりやられてしまった。断末魔に「ジュダ様」と叫び、ウルトラ戦士達がジュダの復活を知るきっかけとなった。映像はバルタン星人五代目の流用。
[編集] 漫画のウルトラシリーズに登場したバルタン星人
[編集] ザ・ウルトラマン
内山まもる 『ザ・ウルトラマン』「友情は永遠に・・・」に登場
- エルフ
- もともとはM78星雲人であり、タロウの幼馴染でもあったが、なんらかの理由で流浪人となる。バルタン星人の王子を助けたことから王に気に入られ、キングバルタンを名乗る。地球侵略作戦を考案、当人は「つめたいウルトラの連中より、かわいそうなバルタンたちを助けてやるんだ」と言っていた。タロウの決死の説得を受け翻意するが、そのためにバルタンから裏切り者とみなされることになる。バルタンたちが自分の計画を流用してウルトラの星を侵略しようとするのを阻止するため、彼らの中枢コンピュータをタロウから即席で伝授されたウルトラダイナマイトで破壊した。ただし、肉体再生の技術までは学んでいる余裕がなく、このために命を落とすことになる。なお、昔セブンからワイドショットを習ったこともあったらしい。
- キングバルタン
- 上記のエルフの項も参照の事。頭部は通常のバルタン星人と変わらないが、中心部に触角が一本ついている。左手がメトロン星人の手と類似、右手は鎌のようになっている。左手から強力な熱球を放ち、その威力は地面に大穴を開けてしまうほど。体表は通常のバルタン星人よりも濃い色となっているが、モノクロ原稿の為、判別不明。その表皮は簡単に脱ぎ捨てる事が出来た為、スーツに近いものだと考えられる。なお、エルフの項に記述があるとおり、エルフが先代のキングバルタンから禅譲によって王位を継承したものと推察できる。
- レッドバルタン
- バルタン軍の切り込み隊長として名高い。左手は通常のバルタン星人と変わらないが、右手がパイプ状になっており、そこからバルタンパワー熱線を出す。その名の通り、体表は赤いものと思われる(資料がモノクロ原稿の為、断定は出来ない)。タロウのストリウム光線で倒される。
- ブルーバルタン
- キングバルタンことエルフに付き従い、地球侵略計画を推し進めるが、エルフの変心に至って自らキングバルタンを名乗る。フォルムは普通のバルタン星人と変わらないが、体表は青いものと思われる(資料がモノクロ原稿の為、断定は出来ない)。バルタン基地爆発の際、巻き込まれたと思われるが、生死不明。
[編集] ウルトラ兄弟物語
ウルトラ族とスペースサタンキング一党が交戦している中、第三勢力として登場。スペースサタン軍と手を結ぶものの、傷付き捕らえたウルトラ族を戦闘サイボーグに改造するという方針を巡り協力体制は破綻する。この作品にもキングバルタンが登場するが、内山版のキングバルタンとの関連は不明。
[編集] 決戦!ウルトラ兄弟
居村眞二『決戦!ウルトラ兄弟』「魔のブレスレット作戦」に登場
外見は初代バルタン星人と同じだが、右腕がメカ爪になっている(以前新マン(ウルトラマンジャック)にやられたらしい)。新マンがキングザウルス三世を倒した隙にウルトラブレスレットを偽物とすり替える。そして新マンとの直接対決にて、その偽ブレスレットで攻撃する(バルタンはこれをD作戦と名付けていた)。しかし、救援に駆けつけた初代ウルトラマンによって偽ブレスレットは破壊され、バルタンも初代マンと新マンのダブルスペシウム光線で倒された。
[編集] ウルトラマン80宇宙大戦争
居村眞二『ウルトラマン80宇宙大戦争』に登場
- ユタ
- ウルトラマン80の幼馴染。バルタン星人が大軍団で宇宙及び地球侵略を開始したことを80に伝える為に地球に向かう。地球で80と再会し共に戦うが、敵の円盤が放った殺人光線から80を庇い命を落とす。亡骸は80によって宇宙に運ばれたが、その後バルタン軍によって密かに回収され、総統の影武者として洗脳された状態で復活(バルタン星人の頭部を模したマスクと、強化服を着けている)、ウルトラの国の第三星区ウルトラベースを占拠してウルトラ兄弟や80を攻撃する。ウルトラベースの自爆のショックで洗脳装置だったマスクが取れて正気に戻るが、実は洗脳が解けると作動する時限爆弾を仕掛けられており、逃げようとするバルタンの母艦に特攻して散った。
- バルタン星人総統
- 全宇宙を支配下に収めるべく総攻撃を開始したバルタン大軍団の総統。マントを着けている以外は初代バルタン星人と同じ外見をしている。軍団の攻撃で死亡したユタの亡骸を回収し、洗脳して自身の影武者として復活させ、ウルトラの国を攻撃する。これにより、一度はウルトラ兄弟の殺害にも成功するが、ウルトラの父によって復活した彼らの反撃により、作戦は失敗。母艦で逃げようとするが、洗脳が解けたユタの特攻により、母艦ごと滅び去った。
- この他、バルタン星人二代目、バルタン星人Jr.、バルタン星人五代目、ウルトラファイト版バルタン、そして戦闘員として初代バルタンのベースでもあるセミ人間が登場している。
[編集] ウルトラ超伝説
居村眞二『ウルトラ超伝説』に登場
宇宙の巨悪達の配下として様々なストーリーに登場する。初登場ではウルトラ族への恨みを晴らすべくグアによって蛹だった状態から目覚める。ベムスター型のロボットと共に新マン(ウルトラマンジャック)を襲い、その後グアに強化改造されてメカバルタンとなり、アンドロ超戦士と戦う。「アンドロ超戦士・II」ではイドの部下としてメカバルタンの他に二代目が登場する他、上記の「ウルトラマン80宇宙大戦争」と同じくセミ人間が戦闘員として登場。「すすめタロウ」では初代タイプがジュダの部下として、ウルトラマンタロウの偽者に変身してウルトラの国に潜入。セミ人間も戦闘員として引き続き登場する他五代目も姿を見せている。
[編集] ウルトラマンSTORY 0
真船一雄『ウルトラマンSTORY 0』に登場
光の国が打ち上げたプラズマ太陽に細工をし生物の進化を歪めた元凶。暴走したプラズマスパークによって得た力で銀河の支配を企み、多くの改造怪獣などでウルトラ戦士を苦しめる。細身の手足や羽など、かなり昆虫に近いスタイルになっている。詳しくはこちらを参照。
[編集] ライブステージに登場したバルタン星人
[編集] ウルトラマンスーパーステージ
- 皇帝デスバルタン
- バルタン星を武力で支配する皇帝。究極生命体バルラを復活させ、地球侵略を企む。鋏は剣のように鋭く尖っており、これで相手を刺し貫く。ウルトラ戦士7人(ウルトラマン、セブン、ジャック、A、タロウ、ネオス)をまとめて相手にする実力の持ち主。最後はウルトラマンのスペシウム光線に敗れるが、死の直前に自らが生贄となってバルラを復活させた。他にもウルトラマン関連のショーでバルタン星人が軍団で登場する際、その親玉として登場することが多い。
- 声:ささきいさお
- ドクターバルタン
- バルル
- バルルの母
[編集] ウルトラマンライブステージ
恨み重なるウルトラ戦士を倒すべく、邪神獣ゲスグロウを復活させて宇宙支配を企むメフィラス星人に協力する。作戦が成功すれば、報酬として一族が安心して暮らせる星を貰うことを約束されていた。初代タイプが3体登場するも、ウルトラマンとウルトラマンタロウに倒される。
[編集] ゲーム作品に登場したバルタン星人
[編集] ウルトラマン Fighting Evolutionシリーズ
- ウルトラマン Fighting Evolution2
- オリジナルストーリー「大地球侵略作戦」ではヤプール人の誘いでダダやマグマ星人と結託し怪獣軍団を結成。ウルトラ兄弟がヤプールに捕らえられた隙に他の怪獣と共に世界各地を攻撃する。バルタンは水没都市のタワーを襲おうとしたところをウルトラセブンに阻止され対決となる。
- ウルトラマン Fighting Evolution3
- オリジナルストーリー「世界10拠点同時侵略指令」では世界各地に怪獣たちを送り込んで暴れさせる。怪獣たちをあらかた倒すと科特隊基地にバルタンが直接現れて対決となる。
- ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth
- メフィラス星人の部下となっており、ジェロニモンが復活させた怪獣を改造・強化を施した改造怪獣にして送り込んでいた。円盤の中で行動していたが、ウルトラセブンに追跡された末に円盤を破壊され、夜の街にてセブンと対決する。
- ウルトラマン Fighting Evolution 0
- ウルトラ兄弟の一人が、ヒッポリト星人の罠に嵌り、必殺技を奪われた状態で、大量に現れたバルタンと戦う事になる。隠しストーリーではヤプールの力により、覚醒した状態のバルタンと対決する。
[編集] ウルトラシリーズ以外に登場したバルタン星人
[編集] チビラくんに登場したバルタン星人
特撮テレビ番組『チビラくん』第74話に、チビラくんの住むカイジュウ町の住人としてエレキング、イカルス星人、ウーとともに登場した。
[編集] 有言実行三姉妹シュシュトリアンに登場したバルタン星人
特撮テレビ番組『有言実行三姉妹シュシュトリアン』第40話「ウルトラマンに逢いたい」に登場
倉庫に眠っていた着ぐるみが実体化して巨大化した。同じく現れたウルトラマンにより巨大化させられたシュシュトリアンと戦った。ウルトラマンとシュシュトリアンと戦い、最後は着ぐるみに戻った。
[編集] メバ
正式には円谷プロとは関係のないキャラクターだが、成田亨氏が現在のバルタン星人が気に入らない為、バルタン星人をデザインし直したら、という想定で誕生したキャラクター。名称はメカニックバルタンの略で昆虫的な要素は薄く、金属質のシャープなボディで、ハサミも従来より小さくスマートな独自の形状のものであった。雑誌「宇宙船」などにイラストが掲載された。
[編集] 関連項目
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