サソリモドキ
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?サソリモドキ目 | ||||||||||
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サソリモドキは、節足動物門鋏角亜門クモ綱サソリモドキ目に属する動物の総称である。日本には2種生息する。
サソリモドキは、体長数cmから10cmを越えるものもある比較的大型のクモ綱の生物である。名前の通り、サソリに似た特徴はあるが、外見は「ハサミと紐状の尾を持ったクモ」といった感じで、それほどサソリに似ては見えない。 日本では伊豆諸島の八丈島(人為分布)、九州南部から沖縄にかけてアマミサソリモドキが、八重山諸島にタイワンサソリモドキが分布する。どちらも外見はよく似ている。以前は同一種と考えられていた。
頭胸部と腹部はそれぞれ楕円形でやや偏平、その間は少しくびれる。腹部には細い紐状の尾がある。尾は節があってしなるが、ほぼ真っすぐのままで、途中で曲げたりすることはない。ムチサソリという別名は、ここから来ている。 触肢はハサミになっているが、太く短くて、頭胸部の前に曲げた状態では、握りこぶしを口元に寄せたように見える。四対の歩脚がある。第一対は細長く、体の前にのばし、触角のように用いる。他の三対は、やや細目の歩行用の足になっている。
全身は黒っぽく、つや消しで、丈夫で堅い。森林内の石や倒木の下で見つかるが肉食で共食いの習性があるため、通常一つの石の下には1匹しかいない。動作は遅いため捕まえても挟まれたりすることはまずないが、その代わり尾の付け根から濃度の高い酢酸(約80%)を噴射する。これが皮膚に触れると火傷様の皮膚炎を、目に入ると角膜炎等を起こす。
近似種は世界の熱帯地方を中心に分布し、1科約70種。