サンドピアリス
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性別 | 牝 |
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毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1986年5月17日 |
死没 | - |
父 | ハイセイコー |
母 | イエンライト |
生産 | 岡田牧場 |
生国 | 日本(北海道静内町) |
馬主 | (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン |
調教師 | 吉永忍(栗東) |
競走成績 | 18戦3勝 |
獲得賞金 | 1億2767万4400円 |
サンドピアリスは、日本の競走馬。 1989年にエリザベス女王杯を最低人気で制した。 単勝配当43060円はグレード制施行後のGI最高単勝配当記録で、現在も破られていない[1]。
目次 |
[編集] 名前の由来
サンドピアリスとは「砂の貴婦人」の意味である。 元々、母イエンライトは中央競馬でダートで10勝を挙げていた馬、父ハイセイコーは公営出身の名馬であり、ダートでの活躍を期待されていた。 現実にエリザベス女王杯に出る前に挙げていた2勝はいずれもダートでのものだった。
[編集] エリザベス女王杯出走のいきさつ
春にダートで2勝したサンドピアリスだが、芝では京都4歳特別で0秒5差とはいえ9着に敗れるなど2戦2敗であった。 秋は900万下のダートに3回出走するが、いずれも掲示板外に敗れている。 そんな馬がエリザベス女王杯に使われたのは、馬主のヒダカ・ブリーダーズ・ユニオンが「(一口馬主としての)初年度募集馬をGIに出走させたい」と考えた為。 また、吉永忍調教師が「主戦騎手の岸滋彦[2]をGIに出走させてやりたい」と考えた為であった。 そんなサンドピアリスが人気が全くないのも無理はなく、関西テレビの杉本清アナウンサーは、3コーナー付近で「外からやってきたのは3枠の一頭…おお、なんとサンドピアリスだ」と一瞬絶句した後にサンドピアリスの名前を伝え、ゴール前では「なんとなんとこれはゼッケン番号6番、サンドピアリスに間違いない!」と実況した。 後に杉本は著書の中で、『いくらなんでもこの馬は来ないだろうと思っていたサンドピアリスが伸びてきて、それ以外に先頭争いをする馬も人気薄ばかりだった為「焦って焦って焦りまくった」』と、このレースについて書いている。
[編集] 京都芝2400メートル巧者
エリザベス女王杯後、中長距離の芝のレースを使っていったが、勝ち星を挙げることはできなかった。 1989年のエリザベス女王杯は1番人気シャダイカグラの故障と言うアクシデントがあり、勝ち時計も前日の900万条件の勝ち時計より1秒9も遅く、また人気薄の馬が上位を独占した(2着は10番人気、3着は14番人気)ため、サンドピアリスの優勝をフロック視する声もある。 しかし、京都大賞典ではスーパークリークと0秒1差の3着、引退レースとなった京都記念ではプリンスシンと0秒2差の2着と牡馬の一流所相手に善戦している。 これらはいずれもエリザベス女王杯と同じ、京都競馬場芝2400メートルの施行条件であった。 母イエンライトも1982年春の京都記念に出走し、芝のレースとしては唯一の好走といえる5着に入線している。
[編集] 競走成績
1989年(9戦3勝)
- エリザベス女王杯
1990年(7戦0勝)
- 3着 - 京都大賞典
1991年(2戦0勝)
- 2着 - 京都記念
[編集] 繁殖成績
同期のシャダイカグラ、ライトカラーは産駒に重賞ウィナーがいない[3]が、サンドピアリスは繁殖牝馬としてダート交流戦の雄、タマモストロングを輩出して成功を収めている。
- タマモストロング(牡・鹿毛・父スキャン・1995年生)11勝 マーチステークス(GIII 2000年)、白山大賞典(GIII 2000年)、さくらんぼ記念(GIII 2000年)、かしわ記念(GIII 2001年)
[編集] 血統表
サンドピアリスの血統 (ハイペリオン系/Rockefella 3×4=18.75% Nearco 4×4=12.50%) | |||
父
ハイセイコー 1970 鹿毛 |
*チャイナロック China Rock 1953 栃栗毛 |
Rockefella | Hyperion |
Rockfel | |||
May Wong | Rustom Pasha | ||
Wezzan | |||
ハイユウ 1961 黒鹿毛 |
*カリム | Nearco | |
Skylarking | |||
*ダルモーガン | Beau Son | ||
Reticent | |||
母
イエンライト 1976 黒鹿毛 |
*イエラパ Yelapa 1966 黒鹿毛 |
Mossborough | Nearco |
All Moonshine | |||
Your Point | Nirgal | ||
Your Game | |||
テツザンヒメ 1967 |
*ゲイタイム | Rockefella | |
Daring Miss | |||
ウエーライト | *ハロウェー | ||
グリンライト F-No.3-l |
[編集] 脚注
- ^ グレード制施行前では、優駿競走(現・東京優駿)でタチカゼが単勝55430円を出している。
- ^ 前週の菊花賞でGI初騎乗の予定だったが、騎乗馬のムービースターが除外となって落ち込んでいた。
- ^ ライトカラーに至っては繁殖入りしてまもなく骨折により他界している。
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