かしわ記念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

かしわ記念
距離	ダート1600m（マイル戦）
開催地	船橋競馬場
グレード	統一JpnI

条件	4歳以上
1着賞金	6,000万円


負担重量	定量（牡馬57キロ、牝馬は55キロ）
創設	1978年（統一GI昇格は2005年）
特記	指定交流競走

第18回の勝馬アジュディミツオー(2006年5月5日)

かしわ記念（かしわきねん）は、千葉県競馬組合が船橋競馬場のダート1600mで施行する地方競馬の重賞（統一JpnI）競走である。競走名の由来「かしわ」は船橋競馬場の前身として千葉県柏市に柏競馬場が所在した事を記念して名付けられている。

[編集] 概要

1928年の創設当時には東洋一の近代競馬場と称された柏競馬場の功績を称え、1978年4歳（現3歳）以上の南関東地区限定の準重賞競走、「かしわ記念」として創設、第1回は船橋競馬場のダート1800mで施行された。

1989年からは南関東地区限定重賞に格上げ、1996年からは中央・地方全国交流競走に指定、南関東地区の地方所属馬やJRA所属馬の出走が可能になり、更に施行距離を現在のダート1600mに短縮、南関東グレードのG2に格付けされた。

1997年からは前年から施行されたダートグレード競走のGIII（統一GIII）に格付けされ、2002年からはGII（統一GII）・南関東G1に昇格、2003年からは出走資格が4歳（旧5歳）以上に変更、2005年からは船橋競馬場で最初のGI（統一GI）に格上げされた。

以前は帝王賞の前哨戦として位置付けされていたが、統一GIになり、春のダートのマイル最強馬決定戦との位置付けとなった。これに伴い、従来の南関東マイル最強馬決定戦に位置付けられていた大井競馬場のマイルグランプリは、南関東G1から南関東G2に格下げされ、当競走のトライアルとなった。

創設当初は準重賞（中央競馬でいうオープン特別に相当する）として始まった競走が重賞となり、レースの日程や距離設定などから6月に移行した帝王賞の前哨戦に位置づけられて、ダートグレード競走のスタートに伴いGIIIに格付けされ、それ以降も毎年の如く極めて良質なメンバーが集まってくる事から、ついには本競走そのものが春のダートマイル王決定戦とされて全国レベルの統一GIにまで格が上がった。ここまで大きく出世した競走は日本国内では他に類を見ない。

出走資格は、サラ系4歳（旧5歳）以上の競走馬で、フルゲートは14頭、南関東地方競馬の所属馬7頭、南関東以外の地方競馬所属馬3頭、JRA所属馬4頭と所属別に出走枠が決められている。またマイルグランプリの1着・2着入賞馬には当競走の優先出走権が与えられる。

負担重量は、定量で、牡馬57キロ、牝馬は55キロである。

総額賞金は1億200万円で、1着賞金6,000万円、2着賞金2,100万円、3着賞金1,200万円、4着賞金600万円、5着賞金300万円と定められている。

なお、1着・2着に入賞した地方所属馬に限り、帝王賞の優先出走権が与えられる。

[編集] 歴史

1978年 - 船橋競馬場のダート1800mの4歳（現3歳）以上の準重賞競走、かしわ記念として創設。
1989年 - 南関東重賞に格上げ。
1996年
- 施行距離をダート1600mに変更。
- 南関東グレード制施行によりG2に格付け。
- 中央・地方全国指定交流競走に指定。
- 負担重量を別定に変更。
1997年
- ダートグレード競走格付け委員会にGIII（統一GIII）に格付け。
- 負担重量をグレード別定に変更。
1999年 - 石崎隆之が騎手として史上初の連覇。
2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
2002年
- 南関東グレードのG1に昇格。
- ダートグレード競走格付け委員会にGII（統一GII）に昇格。
2003年
- 出走資格を4歳（旧5歳）以上に変更。
- 負担重量を定重量に変更。
2005年 - ダートグレード競走格付け委員会にGI（統一GI）に昇格。
2006年 - 内田博幸が騎手として2人目の連覇。
2007年
- 5月5日に中央競馬が開催されるため5月2日に開催。
- ICSCの勧告に伴う重賞の格付け表記の変更により、統一グレード表記をJpnIに変更。

[編集] 歴代優勝馬

重賞格付け以後

回数	施行日	優勝馬	性齢	所属	勝時計	優勝騎手	管理調教師
第1回	1989年 5月17日	イシノラツキー	牝4	船橋	1:52.5	桑島孝春	泉孝
第2回	1990年 5月5日	フジノダンサー	牝4	船橋	1:54.8	石崎隆之	須永和良
第3回	1991年 4月23日	パワーデイクター	牡4	船橋	1:54.7	田部和広	金沢豊
第4回	1992年 4月23日	スーパージョーク	牡6	船橋	1:55.7	石崎隆之	須永和良
第5回	1993年 5月27日	トキノクンショウ	牡4	大井	1:53.4	鈴木啓之	小筆昌
第6回	1994年 5月4日	ヤマジュンオー	牡5	大井	1:53.7	的場文男	栗田繁
第7回	1995年 4月20日	ヤマノセイコー	牡5	船橋	1:53.0	田部和広	鈴木茂樹
第8回	1996年 5月29日	ヒカリルーファス	牡4	大井	1:39.4	早田秀治	高岩隆
第9回	1997年 5月28日	バトルライン	牡4	JRA	1:37.9	武豊	松田博資
第10回	1998年5月27日	アブクマポーロ	牡6	船橋	1:35.4	石崎隆之	出川克己
第11回	1999年 5月26日	サプライズパワー	牡5	船橋	1:39.5	石崎隆之	川島正行
第12回	2000年 5月24日	ビーマイナカヤマ	牡6	JRA	1:40.8	鹿戸雄一	高市圭二
第13回	2001年 5月30日	タマモストロング	牡6	JRA	1:38.1	小池隆生	佐藤正雄
第14回	2002年 5月8日	トーシンブリザード	牡4	船橋	1:36.5	石崎隆之	佐藤賢二
第15回	2003年 6月4日	スターリングローズ	牡6	JRA	1:38.2	福永祐一	北橋修二
第16回	2004年5月26日	ナイキアディライト	牡4	船橋	1:39.7	石崎隆之	出川龍一
第17回	2005年5月5日	ストロングブラッド	牡6	JRA	1:37.9	内田博幸	増沢末夫
第18回	2006年5月5日	アジュディミツオー	牡5	船橋	1:38.6	内田博幸	川島正行
第19回	2007年 5月2日