シンプロントンネル
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シンプロントンネル (Simplon Tunnels) は、スイスのブリーク(Brig)とイタリアのドォモドッソーラ(Domodossola)間、両国国境のシンプロン峠の下を通る、スイス国鉄(SBB)の鉄道トンネルである。
[編集] 概要
1898年から工事が開始され、1905年に開通した。全長19,803m、開通当時は単線トンネルであったが、1921年、全長が約20m長いトンネル(19,823m)がもう1本併設され、複線化が完了。現在は1905年貫通のものがスイス→イタリア行き、1921年貫通のものがイタリア→スイス行きに利用される。1982年に日本の上越新幹線の大清水トンネル(22,221m)が開通するまで、実に76年に亘って世界一の長さを誇った。
[編集] 参考
トンネル内は単線並行で距離が非常に長いため、トンネルのほぼ中央に上下線連絡のポイントが設置されている。通過する列車はインターシティーなど特急が大半だが、普通列車も多く運行される。トンネル内の速度は約140km/hで、所要時間は約12分。国境を通過するため、イタリア側のイゼーレー(Iselle)駅にパスポートコントロールが設置され、通過列車はここで税関員のチェックを受ける。また列車によりチェックされる駅が異なるか、車掌が行う場合もある。
地形的には、スイス側はブリークの町付近にトンネルの入口があり、標高が678mもあるが、殆ど平坦である。イタリア側は山深く、トンネルを出てイゼーレーを通過し、ドォモドッソーラに至る約20kmの区間は、急坂・カーブ・多くのトンネル・ループ線が存在し、標高差は実に408mある。ドォモドッソーラの標高は270mで、気候も著しく変化する。
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