スイス国有鉄道
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スイス国有鉄道(スイスこくゆうてつどう)は、都市間路線、通勤路線、貨物輸送のサービスを行うスイス連邦の国有の鉄道事業者である。スイスの4公用語では以下のように表記される。
- ドイツ語:SBB - Schweizerische Bundesbahnen
- フランス語:CFF - Chemins de Fer Fédéraux Suisses
- イタリア語:FFS - Ferrovie Federali Svizzere
- ロマンシュ語:VFS - Viafers federalas svizras(公式には用いられない)
駅舎には、基本的にその所在地で多用されている公用語の略称が使用される。列車には、独仏伊語の略称を連ねたSBB CFF FFSという表示が用いられる。ロマンシュ語圏では、スイス国鉄は路線を持っておらず、レーティッシュ鉄道(RhB)が運行している。
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[編集] 歴史
スイス国鉄は、1902年1月1日に、私鉄8社を国有化することにより創設された。
1982年に、スイス国鉄は、同じ行き先の電車が60分間隔で毎時同時刻に運行するパターンダイヤ(独:Taktfahrplan)を採用し、時刻表を簡易化した。
2004年12月14日には、大規模な近代化計画である「Bahn 2000」(独語。仏語では「Rail 2000」)計画の第1段階が実施され、いくつかの路線では運行間隔が30分または15分とされるとともに、高速化のために一部の曲路が直線化された。これにより、時刻表の90%が改正され、所要時間が短縮した。この改善は主に都市間路線を対象としたもので、地方路線はその犠牲になった。
[編集] 企業
スイス国鉄は、3,069kmに及ぶ標準軌の路線(うち、2,928kmは15kV、16.7Hzの電化区間)で運行されている。かつては、ルツェルン・インターラーケン間で74kmの狭軌(1,000mm)の路線(ブリューニック線(Brünigbahn)。15kV、16.7Hzの電化路線)も運行していたが、2005年1月1日にルツェルン・スタンス・エンゲルベルグ鉄道(Luzern-Stans-Engelberg-Bahn)に売却され、LSEと合わせて中央鉄道(Zentralbahn)となった。 27,000名の従業員により、毎年、3億人の旅客と6千万トンの貨物が輸送されている。
[編集] 現状
1999年現在、スイス国鉄は、公式にはスイス連邦政府及び各州(カントン)が所有する株式会社である。鉄道施設は高速道路の施設と同様に、保守及び設備投資のために連邦政府の補助金を受ける。スイス連邦法は、スイス国鉄の全鉄道施設を部外者にも公平な料金で使用させることを定めている。このため、スイス国鉄の施設部門はスイス国鉄を利用する企業(スイス国鉄自身を含む)から使用料を受け取っている。
地方の通勤路線サービスは、各カントンから個別のサービスとして発注される。この原則のため、スイス国鉄はこの部門での経営損失を補填することができる。都市間路線は収益性が高いため、直接的な補助金を受けていない。
スイス国鉄は、スイスにおける鉄道貨物輸送の大手でもある。この部門は分離され、SBBカーゴと呼ばれる独立性の高い部門となっている。
[編集] 列車種別
スイス国鉄には以下の列車種別がある。
- R:レギオ(Regio、Regionalzug) - 各駅停車。
- S:S-バーン(S-Bahn)/RER(Réseau Express Régional) - 通勤列車。レギオと同じだが、主要都市近郊の路線を網羅し、一般に運行間隔が短い。
- RE:レギオエクスプレス(RegioExpress) - 快速相当。
- IR:インターレギオ(InterRegio) - 急行相当。
- IC:インターシティ(InterCity) - 特急相当。主要都市(ジュネーヴ、ローザンヌ、フリブール等)に停車。
- ICN(InterCity-Neigezug):振り子式の新型車両。
- CNL:シティナイトライン(CityNightLine) - 設備の充実した寝台列車。
- 臨時列車:貸切及び繁忙期の特別列車
スイス国鉄は、スイス国内でのユーロシティの運行も行っている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- SBB: Home - スイス国有鉄道公式サイト(英語)
- SBB Cargo - スイス国有鉄道貨物部門公式サイト(英語)
- インターネット時刻表 スイス国鉄 SBB CFF FFS - スイス政府観光局によるページ(日本語)