ジョン・カーペンター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジョン・ハワード・カーペンター(John Howard Carpenter, 1948年1月16日 - )は、アメリカ合衆国の映画監督、脚本家、映画プロデューサー。また俳優、あるいは音楽家としても活動している。
[編集] 経歴・人物
ニューヨーク州出身。南カリフォルニア大学映画学科卒。在学中に製作した短編映画『ブロンコ・ビリーの復活』で1970年アカデミー短編賞を受賞している。
SF映画を多く監督しているのは、4歳の時に観た映画『遊星よりの物体X』(1951年、監督:ハワード・ホークス)が強烈な印象で、映画製作を目指すきっかけになったからと語っている。長編デビュー作の『ダークスター』(1974年)、『要塞警察』(1976年)で、制作費が少なくとも良質のエンタテイメントが作れることを実証。2年後の1978年には、現在においてシリーズ化されているスプラッターホラー映画『ハロウィン』の記念すべき第1作を低予算かつ短期間で作成し、大ヒットさせる事に成功。『ニューヨーク1997』(1981)では、N.Y.マンハッタン島を刑務所にする独自の発想で注目を集め、『遊星からの物体X』(1982)では、映画史の古典の理解とそのオリジナリティ溢れる解釈で、当時の観客の想像をはるかに超えた数々のクリーチャーを創造し、従来の侵略物にはなかったショッキングな演出により、その名を世界中に馳せた。
また、映画監督としては珍しく、自作の音楽も数多く担当し、『ハロウィン』の「HALLOWEEN THE ME」や『ニューヨーク1997』のメインタイトルはホラー・SF映画音楽の名作として親しまれている。また、『ゴースト・ハンターズ』では他の監督仲間と共にバンドを結成し、自らボーカルをとってエンディングに流れる主題歌も担当している。この曲は当時プロモーションビデオ(モロに内容が当時のMTV的な映像だった)まで作られ、それは同作のスペシャル盤DVDで確認する事が出来る。 (余談だが、『遊星からの物体X』の音楽は巨匠・エンニオ・モリコーネが担当したが、余りにも曲調がカーペンターっぽく、一部では「名前だけ貸して、実際はカーペンターが作曲してるのでは?」という噂も流れた事がある)
[編集] 主な作品
- 『ダーク・スター』 DARK STAR (1971) 監督・脚本・音楽
- 『要塞警察』 Assault on Precinct 13 (1976)監督・脚本(リメイク作品:2005年、ジャン=フランソワ・リシェ監督、『アサルト13 要塞警察』アメリカ・フランス合作)
- 『ハロウィン』 Halloween (1978) 監督・脚本
- 『アイズ』 EYES OF LAURA MARS (1978) 原案・脚本
- 『ザ・フォッグ』 The Fog (1979) 監督・脚本・音楽(リメイク作品:2005年、ルパート・ウェインライト監督、『ザ・フォッグ』)
- 『ニューヨーク1997』 Escape from New York (1981) 監督・脚本・音楽
- 『遊星からの物体X』 The Thing (1982) 監督
- 『クリスティーン』 Christine (1983) 監督
- 『スターマン/愛・宇宙はるかに』 STARMAN (1984) 監督
- 『フィラデルフィア・エクスペリメント』 THE PHILADELPHIA EXPERIMENT (1984) 製作総指揮
- 『ゴースト・ハンターズ』 Big Trouble in Little China (1986) 監督・音楽
- 『パラダイム』 Prince of Darkness (1987) 監督・脚本
- 『ゼイリブ』 They Live (1987) 監督・脚本
- 『透明人間』 Memoirs of an Invisible Man (1992) 監督・音楽
- 『マウス・オブ・マッドネス』 In the Mouth of Madness (1994) 監督
- 『光る眼』 Village of the Damned (1995) 監督
- 『エスケープ・フロム・L.A.』 Escape from L.A. (1996) 監督・脚本・音楽
- 『ヴァンパイア/最期の聖戦』 Vampires (1998) 監督・脚本・音楽
- 『アメリカン・ナイトメア』 The American Nightmare (2000) 出演
- 『ゴースト・オブ・マーズ』 Ghosts of Mars (2001) 監督